ルタバガ
ルタバガ(英語: rutabaga, swede、学名:Brassica napobrassica)はアブラナ科アブラナ属の野菜。根菜類だが、地上部も食用になる。
カブに似るが別種で、セイヨウアブラナの変種とされる。別名はカブハボタン、スウィード、スウェーデンカブ。日本では種苗店で西洋カブとの表記もある。
概要
原産地はスウェーデンとされ、北欧からロシアにかけて栽培され、重要な栄養源となっていた。やがてスコットランドに移入され、他のイギリス各地や北アメリカにも広まっていった。
語源はスウェーデン語の"rotabagge"で、主にアメリカでの呼称。イギリス英語ではスウィード、スウェーデンターニップ、イエローターニップと呼ばれる。スコットランド語ではニープ(neep)と言う。
文化
スコットランドでは、turnip(カブ)と言えばルタバガを指し、カブのことはwhite turnipと呼ぶほど根付いていて、郷土料理であるハギスは、伝統的にマッシュしたルタバガとマッシュポテト(neeps and tatties)とともに供される。
また、ハロウィンのジャック・オ・ランタンはカブやルタバガで作るものだった。後にアメリカに移民したアイルランド人がカボチャで作る様になり、これがカボチャの普及と共に広まったという。
歴史
1620年、スイスの植物学者ギャスパール・ボアンによってスウェーデンに自生していたことが記録されている。
第一次世界大戦中のヨーロッパ大陸では、他の食物が底をついたあと最後に食べるものとされ、食物としては不評だった。特にドイツでは、1916年から1917年にかけての"Steckrübenwinter"(「ルタバガの冬」あるいは「カブラの冬」[1])と呼ばれる食糧難をルタバガを常食に飢えをしのいだ反動か、その後不人気となり生産量が減ったといわれている。
日本でも、明治時代初期に他の作物と共に北海道に導入されたが、在来種のカブに味が劣ることから普及せず、飼料用などにとどまった。
脚注
- ↑ 藤原 2011
参考文献
- 藤原辰史 『第一次世界大戦を考える カブラの冬 第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』 2011年、人文書院、ISBN 978-4-409-51112-1