リンドウ
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リンドウ(竜胆)とは、リンドウ科リンドウ属の多年生植物である。1変種 Gentiana scabra var. buergeri をさすことが多いが、近縁の他品種や他種を含む総称名のこともある。
古くはえやみぐさ(疫病草、瘧草)とも呼ばれた。
Contents
特徴
本州から四国・九州の湿った野山に自生する。花期は秋。花は晴天の時だけ開き、釣り鐘型のきれいな青紫色で、茎の先に上向きにいくつも咲かせる。高さは50cmほど。葉は細長く、対生につく。
かつては水田周辺の草地やため池の堤防などにリンドウやアキノキリンソウなどの草花がたくさん自生していたが、それは農業との関係で定期的に草刈りがなされ、草丈が低い状態に保たれていたためだった。近年、そのような手入れのはいる場所が少なくなったため、リンドウをはじめこれらの植物は見る機会が少なくなってしまい、リンドウを探すことも難しくなってしまっている。
利用
園芸植物として、または野草としてよく栽培されるが、園芸店でよく売られているのは別種のエゾリンドウの栽培品種のことが多い。
生薬のリュウタン(竜胆)の原料のひとつとして用いられる[1]。かつて根は民間薬として用いられた[2]。
フォーム(品種)
本変種は変異が大きく、下記の通りいくつかのフォーム (form) に分類される。
- 葉が細長いことが特徴。
- シロバナリンドウ (G. s. var. b. f. albiflora Makino)
- 白い花をつけるフォーム。
- キリシマリンドウ (G. s. var. b. f. procumbens Toyok.)
- 草丈がやや低く、比較的葉が細い。園芸品種の交雑親とすることが多い。
- クマガワリンドウ (G. s. var. b. f. saxatilis (Honda) Masam.)
- 葉がやや細く、花の色がやや濃い。
- アケボノリンドウ (G. s. var. b. f. alborosea N.Yonez.)
象徴
花言葉
群生せず、一本ずつ咲く姿から花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」といわれている(かまくら花飾人)。
県花
市町村花
()内は消滅
- 青森県:(南津軽郡浪岡町)
- 岩手県:八幡平市、岩手郡岩手町、和賀郡西和賀町、(岩手郡安代町、胆沢郡衣川村、九戸郡大野村)
- 秋田県:(仙北郡協和町)
- 宮城県:角田市、(玉造郡鳴子町)
- 山形県:東村山郡山辺町、最上郡最上町、大蔵村
- 福島県:岩瀬郡天栄村、(伊達郡霊山町、岩瀬郡岩瀬村、田村郡滝根町)
- 栃木県:那須郡那須町
- 群馬県:吾妻郡嬬恋村、高山村
- 千葉県:印旛郡栄町
- 神奈川県:鎌倉市、南足柄市
- 富山県:中新川郡上市町
- 山梨県:上野原市、(西八代郡市川大門町、北都留郡上野原町)
- 長野県:茅野市、木曽郡木祖村、(更級郡大岡村)
- 三重県:度会郡度会町
- 兵庫県:川西市、(朝来郡生野町)
- 岡山県:(苫田郡上齋原村)
- 山口県:(美祢郡秋芳町)
- 徳島県:勝浦郡上勝町
- 愛媛県:(上浮穴郡面河村)
- 熊本県:阿蘇市、阿蘇郡南小国町、(阿蘇郡蘇陽町)
- 宮崎県:(北諸県郡山田町)
竜胆紋(龍胆紋)
"「竜胆 (紋)」"
リンドウを図案化した家紋。源氏の家紋として知られる笹龍胆紋のほか、竜胆車、二葉竜胆等がある。鎌倉市の市章は笹竜胆である。竹紋とは異なる。
参照
- ↑ リュウタン(竜胆) 東京生薬協会
- ↑ 林輝明、リンドウ科植物を基源とする生薬の苦味成分の定量と確認の研究 (PDF) 大阪大学 博士論文 1976-03-05, hdl:11094/31423