ラハール
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ラハール(テンプレート:Lang-id、ヒンディー語: लहर)とは、火山砕屑物が水により流動性を持ち重力に引かれ流動する(火砕物重力流)現象で、水と共に山の斜面を流れ下る現象である。火山泥流(かざんでいりゅう、英: volcanic mud flow)と同義語として扱われているが、言葉の定義は年代や研究分野により変化をしており定まっていない[1]。1919年、インドネシアのケルート山の噴火で初めて科学的に調査され、現地語から命名された。元来のヒンディー語での意味は波である[2]。
解説
火山噴火により直接的に引き起こされる様式と、雨などにより2次的に誘発される2種類の発生様式がある。
直接的に引き起こされる場合は、火山の山頂部が積雪や氷河らに覆われていた時に噴火が起こり、その高熱によって雪や氷が融解した際や、火口湖が水で満たされている時などに発生する。大量の水分を含んでいる為に流下スピードは極めて速く、時速100kmを超えることもある。
雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に豪雨などにより流下する場合(1953年の阿蘇山、1984年の御嶽山、2013年の伊豆大島[3]ほか事例多数)もラハールと呼ぶ(日本では土石流と呼んでいる)。
文学
脚注
- ↑ 西本晴男「火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察」、『砂防学会誌』第63巻第2号、2010年、 26-37頁、 doi:10.11475/sabo.63.2_26。
- ↑ インドのヒンディー語では「लहर」ラハールと表記され、波という意味を持ち、海や川の波、波や水の波動、精神の波動まで含んだ大きな意味で使われる。英語のwaveとほぼ同じ意味を持つ。ヒンディー語は古くからインドなどで話される言葉であり、それが南アジア全体に広がっていき、インドネシアなどの言葉の基ともなった言葉であり、インドネシア語でも影響を受け、ヒンディー語のラハール(लहर)はインドネシア語では流動という意味になったと思われる。
- ↑ 山元孝広、川辺禎久「伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類」、『地質学雑誌』第120巻第7号、日本地質学会、2014年、 233-245頁、 doi:10.5575/geosoc.2014.0022。
出典
- 火砕流・火山泥流・山体崩壊 - 防災科学技術研究所ライブラリー 防災基礎講座
- 噴火による融雪型火山泥流の発生機構に関する基礎的検討 (PDF) - 京都大学防災研究所年報 (2011) 第54号B 平成23年6月
外部リンク
- Lahars and Their Effects - USGS(英語)
- Lahars - UCSB Volcano Information Center (VIC)(英語)
- 西本晴男、火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察 砂防学会誌 Vol.63 (2010) No.2 p.26-37