ラッキョウ
ラッキョウ(辣韮、薤、辣韭、学名 Allium chinense)はネギ属の多年草・野菜。別名は「オオニラ」、「サトニラ」。
特徴
中国、ヒマラヤ地方が原産。白色または紫色を帯びた白色の鱗茎を食用とする。 特有の強い匂いと辛味を持つ。この匂いはニンニクやニラと同じアリル硫化物である。
日本における食品としての扱い
主に塩漬け、甘酢漬け、醤油漬けで食べる。ただし市販されるほとんどの品は甘酢漬けである。カレーライスのつけあわせ(薬味)として、福神漬とならんでポピュラーな存在である。アリル硫化物が消化を助けるほか、ポークカレーの豚肉に含まれるビタミンB1の吸収に役立つといわれる[1]。 鳥取県(鳥取砂丘)・福井県(三里浜)の特産品である。漬物にしない状態では生ラッキョウとも呼ばれるが、収穫期に自家製漬物用として出回る以外はあまり流通していない。
大乗仏教において摂食が避けられることのある五葷のひとつである。
日本では、軟白栽培された若摘みのラッキョウ(根ラッキョウ)がしばしばエシャロットと混同される。これは1960年代に東京の市場で働いていた男性が新たに仕入れた早採りらっきょうを、当時まだ日本に輸入されていなかったエシャロットの名称で売り出したことに起因するが、その後本物のエシャロットが輸入販売されるに至ってからはエシャレットという商品名で売られるようになった[2]。本来のエシャロットは球根性の野菜でワケギや小型のタマネギとよく似ている。
ラッキョウの水溶性食物繊維
ラッキョウは水溶性食物繊維が豊富である[3]。 ラッキョウの水溶性食物繊維の大半は、フルクタンである。ラッキョウの甘酢漬けでは、その下漬けの際にフルクタンが乳酸菌により分解され、生ラッキョウと比べるとフルクタンが1/6程度まで低下する[4]。
島ラッキョウ
沖縄県などで栽培されるラッキョウ。ダッチョウとも呼ばれる。夏が旬である普通のラッキョウと違い、夏から秋にかけて栽培され、冬に収穫される。一般的なラッキョウより小型で細く、ネギに似た強い辛みがあり、主に塩漬けして鰹節をかけて食べる。天ぷらや玉子とじのように、ネギやタマネギと同様の調理法でも食べられている。なお、血液硬化を防ぐアデノシンが多く含まれ、脳卒中や心臓病を回避できる薬効で注目されている[5]。
生薬
鱗茎は、
栝楼薤白白酒湯 ()栝楼薤白半夏湯 ()枳実薤白桂枝湯 ()
その他
- 道の駅みくに - ラッキョウ特産地にあり、ラッキョウ資料館を併設。
- イイダコ - ラッキョウを餌とした釣法かある。
- 鞆鉄道線 - ラッキョ汽車(機関車の外見による別称)
- 素隠居 - 岡山県・阿智神社例祭の風物
- 井手らっきょ - 円形脱毛症を理由にスキンヘッドになった際、頭部がラッキョウに見えたことから命名された。
- 救世主ラッキョウ - 小林よしのりによる架空の新興宗教をテーマにした漫画。ラッキョウが聖なる存在として登場する。
画像
- Allium chinense1.jpg
葉
- Allium chinense Rakkyo.JPG
収穫された鱗茎
- 酒とタバコ (3158962313).jpg
酒のつまみとして供されるラッキョウの甘酢漬け
注釈
- ↑ この食べ合わせは大丈夫?はっぴーママcom.「カレー&らっきょう」
- ↑ “最強野菜!らっきょう 驚異の底力 国民的大誤解! らっきょうの正体は・・・”. NHK ためしてガッテン (2014年7月2日). . 2014閲覧.
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「mext7
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 小林 恭一、『花らっきょうと乳酸菌』、「日本乳酸菌学会誌」13 巻 (2002) 1 号 p. 53-56
- ↑ カレーのともだち「島らっきょう」について
- ↑ 胸のつかえ・痛みなど
関連項目
外部リンク
- らっきょうの生産量が多い関東の都県はどこですか。 農林水産省
- ラッキョウの省力機械化技術体系の開発 (PDF) 福井県農業試験 農業試験場研究報告 No.48, 2011年12月