ユニバーサルデザイン
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ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)である。
Contents
概説
世界初のユニバーサルデザインの提唱は、米ノースカロライナ州立大学デザイン学部・デザイン学研究科(College of Desgin)のロナルド・メイスによるものである。カリフォルニアにあるユニバーサルデザインセンターの長でもあった彼が1985年に公式に提唱した概念[1]とされる。「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインにすること」が基本コンセプトである。デザイン対象を障害者に限定していない点が、一般に言われる「バリアフリー」とは異なる。
また、具体的には、以下のようなデザイン例がある。
- 「安全」に配慮された自動ドア、エレベータ、ホームドアなど
- 障害者向けの開発から劇的に一般に普及した典型である温水洗浄便座
- トイレや浴室で使用する「インテリアバー(Interior Bar)」など
- スロープと階段が併設されている歩道橋など
- 外国人などのために、文字の代わりに絵文字(ピクトグラム)を使っての各種表示を行う
- パソコンの操作を、キーボードやマウスだけでなく、他の入力手段に対応させる
- パソコンの画面表示(例えばボタンの配置やフォントの形状など)を見やすく工夫する
- 音声での出力に配慮した画面表示、構成にする
- 知的データキャリア(IDC)
- 細かい字が読めなくなった人のために触ることで識別できるよう工夫された道具類
- 頭を洗っているときは目が見えないので、シャンプーのボトルに印をつけ、リンスその他のボトルと区別する
- 高齢者や障がい者の乗降がスムーズに出来るタクシー
ユニバーサルデザインの市場規模は、2008年現在で3兆3千億円を超えている[2]。 なお、背丈を低くして「ユニバーサルデザインに配慮したデザイン」と謳っているものは身長の高い人にとって逆に使いづらくなっているケースがあるなど、物によっては一方を立てると一方が不利益を被るため、完全なユニバーサルデザインは難しい。そのため、従来型のタイプと併存させることで誰もが使いやすい環境になることもある。
2003年4月には静岡県浜松市で日本国内で初めて「ユニバーサルデザイン条例」が施行された。
ユニバーサルデザインの7原則
The Center for Universal Design, NC State University による。
- どんな人でも公平に使えること。(公平な利用)
Equitable use - 使う上での柔軟性があること。(利用における柔軟性)
Flexibility in use - 使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
Simple and intuitive - 必要な情報がすぐに分かること。(認知できる情報)
Perceptible information - うっかりミスを許容できること。(失敗に対する寛大さ)
Tolerance for error - 身体への過度な負担を必要としないこと。(少ない身体的な努力)
Low physical effort - アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること(接近や利用のためのサイズと空間)
Size and space for approach and use
ユニバーサルデザイン関連
ユニバーサルデザインに関連しているプロジェクトなど。
- ユニバーサルサービス
- カラーユニバーサルデザイン
- ユニバーサルサウンドデザイン
- ユニバーサルデザインコーディネーター資格