ユウガオ

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ユウガオ(夕顔、学名:Lagenaria siceraria var. hispida)は、ウリ科の植物で、蔓性一年草の形によって細長くなった「ナガユウガオ」と、丸みを帯びた球状の「マルユウガオ」とに大別する[1]


概要

夕方に開いた白いが翌日の午前中にしぼんでしまうことからアサガオヒルガオヨルガオに対して命名された名であるが、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオはいずれもヒルガオ科の植物であり、直接の類縁関係はない。ヨルガオがユウガオと呼ばれる事もある。

原産地は北アフリカまたはインド、古くから日本でも栽培されていたとされるが、何時どの様に伝来したかは分かっていない[2]

大きな果実を実らせることが特徴。同じく大きな実を実らせるウリ科の植物にヒョウタンがあるが、ヒョウタンとユウガオは同一種であり、ヒョウタンがインドに伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、選別されたと考えられている。21世紀初頭の日本国内では、栽培は廃れる傾向にあるものの、新潟県栃木県山形県山梨県富士北麓地域)などで栽培が行われている。 岩手県でも、カツオの生利(なまり)節等と一緒に油いためでよく食されている。 青森県むつ市では8月半ば近く~8月下旬の期間に¥300~500/本程度で販売され、皮と内側の綿を取り除き破棄し、身の部分を幅5~8㎝・厚さ5㎜程度で切り、だしを入れた醤油ベースの油炒めでよく食されている。

源氏物語』をはじめ古くから説話や民間伝承にも登場するなど口承文芸のモチーフになっているほか、民俗的にはハレの日に食し、陽気や作物の豊凶を予兆する年占作物としても認識され、作物禁忌も存在した。

季語は花は、果実は

利用

ファイル:Kampyo.JPG
ユウガオから作られたかんぴょう

実は食用のほか容器としても用いられる。ユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したものはかんぴょう(干瓢)と呼ばれ、巻き寿司汁物などに使われ食用にされる。主にマルユウガオからかんぴょう(干瓢)は作る[1]沖縄においてはチブル(頭の意)と呼ばれ、かんぴょうにするよりも冬瓜と同じように煮物、汁物にしたり、炒め物、または生のまま胡麻和えなどにして食べるほうが一般的。山形県及び新潟県の郷土料理「クジラ汁」の具材。

なお、ユウガオは、同一種のヒョウタンの中から、食用にするため、苦みを持つククルビタシンの少ない品種を選別した変種である[3]。 そのため、接ぎ木栽培用の台木用の品種など、食用外の品種にはククルビタシンの多い実を付けるものがある。また、まれに食用品種の一部の株でもククルビタシンを非常に多く産生するものが混じって流通することがあり[4]、自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる食中毒事例(おう吐や下痢等)もある[4]。そのため、ゴーヤー(ニガウリ)に比べて苦味の強いものには注意する必要がある[3][4]

このほか、スイカの栽培において、ユウガオは連作や病気に強いため接ぎ木栽培用の台木として利用される。なお、このように接ぎ木のために利用している台木からなったユウガオの実にもククルビタシンが多く含まれることがあるため摂食を避ける必要がある[3]

脚注

関連項目

外部リンク

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