ミルウォーキー
ミルウォーキー市 City of Milwaukee | |
---|---|
位置 | |
ミルウォーキー市の位置(ウィスコンシン州)の位置図 ミルウォーキー市の位置(ウィスコンシン州) | |
座標 : 西経87度57分21秒北緯43.05222度 西経87.95583度 | |
行政 | |
国 | アメリカ合衆国 |
州 | ウィスコンシン州 |
郡 | ミルウォーキー郡 ワシントン郡 ワウケシャ郡 |
市 | ミルウォーキー市 |
地理 | |
面積 | |
市域 | 251.0 km2 (97 mi2) |
陸上 | 248.8 km2 (96 mi2) |
水面 | 2.2 km2 (1 mi2) |
標高 | 188 m (617 ft) |
人口 | |
人口 | (2010年現在) |
市域 | 594,833人 |
人口密度 | 2,389.4人/km2(6,188.4人/mi2) |
市街地 | 1,308,913人 |
都市圏 | 1,566,981人 |
公式ウェブサイト : city.milwaukee.gov |
ミルウォーキー(英語: Milwaukee)は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州にある都市。同州最大の都市である。
Contents
概要
ミルウォーキーは機械、印刷、食品、醸造などの工業が盛んである。有名な企業としては、大型二輪車の大手、ハーレーダビッドソンの本社がある。シカゴに近いが、独自の都市圏を形成している。
アメリカの中でもウィスコンシン州は、ミルウォーキーを含めてカトリック派のゲルマン系ドイツ系住民が最も多い。プロテスタントのドイツ人が多いノースダコタ州、サウスダコタ州なども該当する。
ウィスコンシン州は小麦の主産地であり、世界規模の小麦の集散地、積出港として有名である。また、札幌、ミュンヘンと並んで世界三大ビール生産地としても有名である。ちなみに、日本のビール会社のサッポロビールが、かつてビール造りの盛んな北緯43度線付近の都市として、「ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー」というキャッチコピーを使用していた。
また、日本では『あらいぐまラスカル』の舞台の一つとしても知られている。
歴史
ミルウォーキーの名はアルゴンキン語族インディアンの言葉で「良い所、土地」を意味する。
古くからインディアン部族の交易の場として町が発達していたが、フランス人のジュノーが毛皮取引のために都市を創設し、18世紀当時には全米最大の都市であった。
とりわけ、プロイセン王国(ドイツ帝国)およびオーストリア帝国(神聖ローマ帝国)の失政続きのため、生活が苦しくなったドイツの人々が、1840年に職を求めて大量に移民したことにより、ドイツ人の伝統職業であるビール工場が発展した。今日でもミラーを始め、世界的に知られるビール醸造の町として知られる。
地理
ミルウォーキーはシカゴからほぼ真北に150kmのミシガン湖の西岸、五大湖工業地帯の西端に位置している。
アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積251.0km2(96.9mi2)である。このうち248.8km2(96.1mi2)が陸地で2.2km2(0.9mi2)が水地域である。総面積の0.88%が水地域となっている。
気候
冬季は11月~4月上旬頃までと長く、最低気温は-20°C以下になる日もある。夏季は6月中旬頃~8月までと短く、年によっては最高気温30°C以上の日が続くこともあるものの、全体的には爽やかで涼しい。
ミルウォーキー(ジェネラル・ミッチェル国際空港)の気候資料 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 18.9(66) | 20(68) | 27.8(82) | 32.8(91) | 34.4(94) | 40(104) | 40.6(105) | 39.4(103) | 37.2(99) | 31.7(89) | 25(77) | 20(68) | 40.6(105) |
平均最高気温 °C (°F) | -1.72(28.9) | 0.28(32.5) | 5.78(42.4) | 12.11(53.8) | 18.28(64.9) | 24.06(75.3) | 26.72(80.1) | 25.83(78.5) | 21.83(71.3) | 15.17(59.3) | 7.78(46.0) | 0.44(32.8) | 13.06(55.5) |
平均最低気温 °C (°F) | -9.11(15.6) | -7.06(19.3) | -2.39(27.7) | 2.94(37.3) | 8.06(46.5) | 13.94(57.1) | 17.5(63.5) | 17.22(63.0) | 12.72(54.9) | 6.22(43.2) | 0(32.0) | -6.61(20.1) | 4.44(40.0) |
最低気温記録 °C (°F) | -32.2(−26) | -32.2(−26) | -23.3(−10) | -11.1(12) | -4.4(24) | 0.6(33) | 4.4(40) | 5.6(42) | -2.2(28) | -7.8(18) | -25.6(−14) | -30(−22) | -32.2(−26) |
降水量 mm (inches) | 44.7(1.76) | 41.9(1.65) | 57.7(2.27) | 90.4(3.56) | 86.4(3.40) | 99.1(3.90) | 93.2(3.67) | 100.8(3.97) | 80.8(3.18) | 67.3(2.65) | 68.8(2.71) | 51.8(2.04) | 882.9(34.76) |
降雪量 cm (inches) | 38.9(15.3) | 28.4(11.2) | 18.5(7.3) | 5.1(2.0) | 0.3(0.1) | 0(0) | 0(0) | 0(0) | 0(0) | 0.8(0.3) | 6.1(2.4) | 28.7(11.3) | 126.7(49.9) |
平均降水日数 (≥ 0.01 in) | 11.4 | 9.7 | 11.4 | 12.1 | 11.4 | 10.4 | 9.8 | 9.5 | 8.8 | 10.0 | 11.3 | 10.9 | 126.7 |
平均降雪日数 (≥ 0.1 in) | 9.8 | 7.5 | 1.6 | 0.4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.3 | 2.5 | 7.8 | 29.9 |
出典#1: NOAA[1]National Weather Service - Extremes[1] | |||||||||||||
出典#2: NOAA[2]NCDC 1981–2010 Climate Normals[2]Average Percent Sunshine through 2009[3] |
人口動勢
ミルウォーキー市 年代別人口 [1] | |
1850年 - 20,061人 |
2000年現在の国勢調査[4]で、この都市は人口596,974人、232,188世帯および135,133家族が暮らしている。人口密度は2,399.5/km2(6,214.3/mi2)である。1,001.7/km2(2,594.4/mi2)の平均的な密度に249,225軒の住宅が建っている。この都市の人種的な構成は白人49.98%、アフリカン・アメリカン37.34%、インディアン0.87%、アジア2.94%、太平洋諸島系0.05%、その他の人種6.10%および混血2.71%である。人口の12.00%はヒスパニックまたはラテン系である。
この都市内の住民は28.6%が18歳未満の未成年、18歳以上24歳以下が12.2%、25歳以上44歳以下が30.2%、45歳以上64歳以下が18.1%および65歳以上が10.9%にわたっている。中央値年齢は31歳である。女性100人ごとに対して男性は91.6人である。18歳以上の女性100人ごとに対して男性は87.2人である。
この都市の世帯ごとの平均的な収入は32,216米ドルであり、家族ごとの平均的な収入は37,879米ドルである。男性は32,244米ドルに対して女性は26,013米ドルの平均的な収入がある。この都市の一人当たりの収入(per capita income)は16,181米ドルである。人口の21.3%および家族の17.4%は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の31.6%および65歳以上の11.0%は貧困線以下の生活を送っている。
文化
スポーツ
ミルウォーキーは多数のプロフェッショナル・スポーツチームを含めた本拠地でもある。
- ミルウォーキー・ブルワーズ(野球、MLB) - 2001年開場のミラー・パークが本拠地
- ミルウォーキー・バックス(バスケットボール、NBA) - ブラッドリーセンターが本拠地
- ミルウォーキー・アドミラルズ(アイスホッケー、AHL) - ブラッドリーセンターが本拠地
- ミルウォーキー・ウェーブ(インドアサッカー、MISL) - USセルラー・アリーナが本拠地
また、同じウィスコンシン州に本拠地を持つNFLチーム、グリーンベイ・パッカーズ(本拠地はグリーンベイ)のファンもかなり多く、1933年から1994年まで準フランチャイズとして試合が行われていたこともある。
芸術
ミルウォーキー美術館は、屋根が72個のスチールの羽根で構成され、飛び立つ鳥のように見える斬新なデザインで知られる。この斬新なデザインは、スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバによって設計された。
交通
空港
郊外にジェネラル・ミッチェル国際空港を擁するが、日本からの直航便はない。成田国際空港などからシカゴ・オヘア国際空港、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港、ミネアポリス・セントポール国際空港などの各国際空港で乗り継ぎとなる。
鉄道
アムトラックのミルウォーキー駅はウエスト・セント・ポール・アヴェニュー433にある[5]。ミルウォーキー駅はシカゴとミルウォーキー間を結ぶ昼行短距離列車ハイアワサ・サービスの北の起点であり、1日7往復発着する[6]。また、郊外にあるジェネラル・ミッチェル国際空港近隣のサウス6通り5601にミルウォーキー空港駅があり[7]、同じくハイアワサ・サービスが1日7往復停車する。
自動車
ミルウォーキーはシカゴから自動車で2時間弱の距離である。グレイハウンド、Coach USA(Megabus、Wisconsin Coach Lines)などの都市間バスがある。州都マディソンからも航空路線や都市間バスで行き来できる。
姉妹都市
ミルウォーキーはSister Cities International,Inc.(SCI)によって指定された8の姉妹都市を有している。
- ゴールウェイ(アイルランド共和国)
- ミュルーズ(フランス共和国)
- ヌエビタス(キューバ共和国)
- オムスク(ロシア連邦)
- パルマ(イタリア共和国)
- クイーンズタウン(南アフリカ共和国)
- シュヴェリーン(ドイツ連邦共和国)
- ティカンテペ(ニカラグア共和国)
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “Normals and Extremes for Milwaukee and Madison”. National Weather Service. . 2012閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “NCDC 1981–2010 Climate Normals”. National Climatic Data Center. . 2012閲覧.
- ↑ “Average Percent Sunshine through 2009”. National Climatic Data Center. . 2012閲覧.
- ↑ American FactFinder, United States Census Bureau . 2008閲覧.
- ↑ Milwaukee, WI. Amtrak. 2016年7月2日閲覧
- ↑ Hiawatha Service. P2. Amtrak. 2016年5月21日. 2016年6月27日閲覧 (PDFファイル)
- ↑ General Mitchell International Airport, WI. Amtrak. 2016年7月2日閲覧
関連項目
- クリプトスポリジウム - 1993年に多数の感染者を出し、対策が行われるきっかけとなった。
- 下水管社会主義 - ミルウォーキーでは1910年から1960年にかけて、中断を挟みながら3人のアメリカ社会党出身の市長が長期にわたって市政を運営した。
外部リンク
- 公式
- ミルウォーキー市公式サイト (英語)
- 観光
- ウィスコンシン州観光局 - ミルウォーキー (英語)
- ミルウォーキー観光コンベンションビューロー (英語)
- その他
- ミルウォーキー商工会議所 (英語)
- Wisconsin Coach Lines (英語) - Coach USA傘下。シカゴ・オヘア国際空港発のミルウォーキー行き都市間バスを運行。
- Megabus (英語)(スペイン語)(フランス語)(オランダ語) - Coach USA提携。シカゴにあるユニオン駅発のミルウォーキー行およびミネアポリス行き都市間バスを運行。
- Badger Coaches (英語) - ジェネラル・ミッチェル国際空港~ミルウォーキーと州都マディソンとを結ぶ都市間バスを運行。
- Googleマップ (日本語)