ボルドーワイン

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ボルドーワインは、フランス南西部ボルドーを中心とした一帯で産出されるワインである。

概要

ジロンド県全域にわたる地域で「ボルドー」を名乗ることができ、この一帯は世界的に最も有名なワイン産地の一つである。ここで産出される赤ワインは、クラレット/クレレ(Claret)とも呼ばれる。また、白ワインについてもソーテルヌの甘口な貴腐ワイン、ソーテルヌ・ワインなどがその高い品質で知られる。

ボルドー産の赤ワインに使用されるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランメルローといった品種が中心で、適度な酸味と甘みが溶け合い、その繊細な味わいから「ワインの女王」と称されている。ボルドーでもサンテミリオン地区で生産される赤ワインにはメルローの使用割合が多くなり、また違った味わいを持っている。

一方、白ワインではソーヴィニヨン・ブランといった品種が多く使用される。しかし、ソーテルヌ地区で生産される甘口の貴腐ワインにはセミヨンが使用される。

ボルドーでは、古くから品質にしたがってワインの格付けが行われており、特に1855年のメドック地区における赤ワインの格付けが有名である。

メドックの第1級格付けワイン

メドック地区での格付けは、第1級から第5級までに分類されており、今なおワインの市場価格に影響力を持っている。なお第1級に格付けされているワインは、次の5銘柄である。[1]

シャトー・ラフィット・ロートシルト(Ch.Lafite Rothschild)
ポイヤック村産。ロートシルトとは、大財閥であるロスチャイルド家のこと。セカンドラベルは、カリュアード・ドゥ・ラフィット。
シャトー・マルゴー(Ch.Margaux)
マルゴー村産。文豪ヘミングウェイは、孫娘にこのワインの名前を名づけた。セカンドは、パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー。白ワインは、パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー。
シャトー・ラトゥール(Ch.Latour)
ポイヤック村産。ラトゥールとは、塔のこと。塔の名前は、トゥール・ド・サン・ランベール。セカンドは、レ・フォール・ドゥ・ラトゥール。
シャトー・オー・ブリオン(Ch.Haut Brion)
グラーブ地区のペサック村産。元々グラーブ地区は辛口白ワインの産地でも知られていたが、現在では赤ワインのシャトーの方が多い。セカンドは、ル・クラランス・ド・オー・ブリオン(2006年まではシャトー・バアン・オー・ブリオン)。
シャトー・ムートン・ロートシルト(Ch.Mouton Rothschild)
ポイヤック村産。ラベルの絵は、ピカソシャガールなど毎年異なる画家により描かれる。日本人では堂本尚郎(1979)・Setsukoバルテュス夫人出田節子)(1991)が描いている。1855年では2級に格付けされていたが1973年に1級に昇格した。セカンドは、ル・プティ・ムートン・ドゥ・ムートン・ロートシルト(1993年まではスゴン・ヴァン・ムートン・ロートシルトの名でリリースされていた。)

ボルドーのその他の有名なワイン

赤ワイン

シャトー・コス・デストゥルネル(Ch.Cos d'Estournel)
サンテステフ産。メドック第2級。
シャトー・カロン・セギュール(Ch.Calon-Segur)
サンテステフ産。メドック第3級。ラベルのハートマークで知られる。
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ドゥ・ラランド(Ch.Pichon Longueville Comtesse de Lalande)
ポイヤック産。メドック第2級。
シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ(Ch.Leoville Las Cases)
サン・ジュリアン産。メドック第2級。
シャトー・ペトリュス(Ch.Petrus)
ポムロール産。ボルドーで最も高い価格で取引されるワインの一つ。
シャトー・トロタノワ(Ch.Trotanoy)
ポムロール産。ペトリュスに次いで高い評価を得ている。
シャトー・ル・パン(Ch.Le Pin)
ポムロール産。ペトリュスとほぼ同額で取引されている。
シャトー・オーゾンヌ(Ch.Ausone)
サンテミリオン産。サンテミリオン特別1級A。
シャトー・シュヴァルブラン(Ch.Cheval-Blanc)
サンテミリオン産。サンテミリオン特別1級A。カベルネ・フランの使用率が高い。
シャトー・フィジャック(Ch.Figeac)
サンテミリオン産。サンテミリオン特別1級B。

白ワイン

シャトー・ディケム(Ch.d'Yquem)
ソーテルヌ産の貴腐ワインで、特に高級品として扱われる。

ボルドーの主なAOC

メドック地区

グラーヴ地区

ソーテルヌ地区

ドルドーニュ川右岸地区

ジロンド川河口

中州地区

県全域

関連項目

脚注

  1. オー・ブリオンはメドック地区ではなく、グラーヴ地区であるが例外的に入っている