ベースコーチ
ベースコーチ(base coach)とは、野球で、一塁または三塁のコーチスボックス内に位置して、打者や走者に指示を送る人のことである。
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概要
ベースコーチの定義と役割は公認野球規則2.06項および4.05項に定められている。
攻撃側のチームは、自チームの攻撃中、2名のベースコーチを一塁側および三塁側のコーチスボックスにつかせなければならない。ベースコーチはチームの一員であり、ユニフォームを着用することが義務付けられている。
原則としてベースコーチはチームで指定した特定の2人に限られる。プロチームではたいていの場合、監督を補佐するコーチがこの任務を務める。ただし日本では、公認野球規則の4.05項に独自の【注】を設け、アマチュア野球ではベースコーチを特定の2人に限る必要はないとしている。しばしば控え選手がベースコーチとして出場してその任務にあたったり、ベースコーチを務めている選手が代打等で出場したり、そのために他の選手がベースコーチを代わったりする様子が見られる。
ベースコーチには、公認野球規則1.16(e)項でヘルメットの着用が義務付けられている。これは2007年、マイナーリーグの試合中、ベースコーチを務めていたマイク・クールボーが打球を頭に受け死亡した事故が起きたことが原因である。この事故を受けてアメリカでは、翌2008年からメジャーリーグも含めてベースコーチのヘルメット着用が義務付けられた。また、2009年に行われたワールド・ベースボール・クラシックでもベースコーチのヘルメット着用が義務付けられた。日本のアマチュア野球が2009年から、日本プロ野球では2010年[1]から、韓国プロ野球では2011年シーズンからヘルメットの着用が義務化された。
ベースコーチの任務
ベースコーチの役目は、声やジェスチャーやサインなどで打者や走者に指示を伝達することである。具体的には打者への作戦の指示、走者への走塁や帰塁の指示、ボールの所在の伝達、スライディングするべきか否かの指示などである。特にフェアの打球が打たれた後は、ボールの行方や守備の状況等を冷静に観察しながら、走者に明確な走塁の指示を出す必要がある。また、三塁ベースコーチは走者を本塁に突入させるか、あるいはストップさせるかの指示を出す立場にあるため、その判断が重要となる[2]。
なお、本来ベースコーチはコーチスボックス内にいて、その位置から指示を行わなければならないが、公認野球規則4.05項【原注】に
- ここ数年ほとんどのコーチが片足をコーチスボックスの外に出したり、ラインをまたいで立ったり、コーチスボックスのラインの外側に僅かに出ていることは、ありふれたことになっているが、コーチは、打球が自分を通過するまで、コーチスボックスを出て本塁寄り及びフェア地域寄りに立ってはならない。・・・(中略)・・・。コーチがプレーヤーに「滑れ」「進め」「戻れ」とシグナルを送るためにコーチスボックスを離れて、自分の受け持ちのベースで指図することもありふれたことになっている。このような行為はプレイを妨げない限り許される。
とあるように、ベースコーチがコーチスボックスの外に出て走者に指示を出すことは、規則上、容認されている。ただし走者に直接触れて指示を与えることは、走塁の肉体的援助に当たり、守備妨害として援助を受けた走者がアウトになる。
脚注
- ↑ 日本で公認野球規則にベースコーチのヘルメット着用が明記されたのは2011年からであるが、それ以前も連盟や大会の規定、アグリーメントなどにより、ベースコーチにもヘルメットの着用は義務付けられていた
- ↑ コケてない…体を張った「決死のストップ」 Sponichi Annex 2013年3月14日