プルタルコス

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プルタルコス: Πλούταρχος:Plutarchus、46年から48年頃 - 127年頃)は、帝政ローマギリシア人著述家。著作に『対比列伝』(英雄伝)などがある。英語名のプルターク(Plutarch [ˈpluːtɑrk])でも知られる。

略歴

ボイオティアにあるカイロネイアの名門出身。アテナイ数学自然哲学を学び、ギリシャ本土と小アジアサルディスエジプトアレクサンドリアに赴き、カイロネイアの使節としてローマにも度々滞在した。生涯を故郷で過ごし、市民と親しく付き合い、ローマからの客をもてなしたので、家は大いに賑わったとされる。一方では、デルフォイ神殿の神官と交流を持ち、神託を推奨した。

思想的にはアカデメイア派に属し、その他ストア派ペリパトス派の考え方も取り入れていた。

著作

著作活動は熱心で、3世紀頃に編纂されたプルタルコス著作目録によれば、『対比列伝』(英雄伝)をはじめ、227もの書物が挙げられている。

『対比列伝』は1人の人物を記述した単独伝記4編と、古代ギリシアの人物と古代ローマの人物を対比した対比列伝22編からなる。対比列伝では、アテナイの王テーセウス王政ローマを建国したロームルススパルタの律法者リュクルゴスとローマの古王ヌマアレクサンドロス3世(大王)とカエサル、などが対比されている。

この『対比列伝』は16世紀ジャック・アミヨによる仏訳がなされ、その仏語版から17世紀のサー・トマス・ノースが訳した英語版を参考にシェイクスピアは『ジュリアス・シーザー』、『アントニーとクレオパトラ』、『コリオレイナス』などのローマ史劇を執筆したとされる[1]

『倫理論集(モラリア)』は政治・宗教・哲学などについて論じた随想集であり、エッセーの起源であるとされる。のちにモンテーニュラブレーなどのルネサンス期のフランス文学や、ラ・ロシュフーコーなど17、18世紀のフランスモラリストに、大いなる影響があった。

日本語訳

対比列伝

倫理論集(モラリア)

  • 『モラリア』全14巻、戸塚七郎松本仁助・伊藤照夫・瀬口昌久ほか訳
    京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉。1997年-2018年に刊行
  • 『倫理論集の話』(抜粋訳) 河野与一選訳、岩波書店。
  • 『モラリア』抜粋版は以下が刊。各・柳沼重剛訳(岩波文庫)
    • 『饒舌について 他五篇』(1985年)
    • 『愛をめぐる対話 他三篇』(1986年)
    • 『食卓歓談集』(1987年) - 「酒席で哲学論議をしてもよいか」など33編。
    • 『似て非なる友について 他三篇』(1988年)
    • 『エジプト神イシスオシリスの伝説について』(1996年)
  • 『古代ホメロス論集』 内田次信訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2013年
    プルタルコス「ホメロスについて 1・2」/ヘラクレイトス「ホメロスの寓意」を収録

脚注

  1. トマス・ノース英訳版『プルターク英雄伝』(塚田孝雄編、龍渓書舎、1993年)は高価な特製本2冊組で刊行。
  2. 完結時期未定、2015年現在4冊目まで刊
  3. 初刊は『プルターク英雄伝』全6巻、鶴見祐輔訳、改造社、1934年。
  4. 初刊は戦前1930年、様々な版で刊行された

外部リンク

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