ブックオフコーポレーション
ブックオフコーポレーション株式会社は、中古本・中古家電販売のチェーン「ブックオフ」(BOOK OFF)を展開する企業。
Contents
概要
それまでの古本屋の形をうち破り、「新古書店」と呼ばれる新しい古本屋の形態を作り上げた。
店内はコンビニエンスストアの様な照明にし、店舗面積を広めにとり、さらに商品の臭いを抜くための対策を施し、古本業界ではタブーであった立ち読みも可能にした。これが受け入れられ、チェーン店が全国へ広がった。2007年に不正売上とリベートの受取りの責任を取って、当時の坂本孝会長が辞任。[1]2007年頃から中古市場の縮小に伴い旗艦店であった原宿店や本社周辺など全国的に閉店が相次ぎ、2016年3月期には営業利益が赤字に陥るなどした。閉店を加速させると同時に設立当初は参入に消極的であったブックオフオンラインやイーブックオフなどのウェブ店舗を積極的に展開することや、ヤフーとの資本業務提携などの方針転換が行われている。また、2015年からは友好関係にあったハードオフとのフランチャイズ契約を解除し、家電リユース業にも参入している。
コーポレートアイデンティティ
マスコットキャラクターは「よむよむ君」。また、長らくタレントの清水國明をイメージキャラクターとして起用していた。これは清水の実姉である橋本真由美が当時ブックオフの常務取締役であったことが縁で起用された。なお、橋本は2006年6月24日付でブックオフの社長に就任した(現在は取締役相談役)。パートタイマー出身者が東証一部上場企業の経営トップに就くのは、非常に珍しいことであるとして、脚光を浴びた[注釈 1]。「お売りください」というキャッチコピーを使い、マーケティングが成功した功績があったためと言われている。
その後、「捨てない人のブックオフ」をキャッチコピーにポスター広告やテレビCMを展開、2012年7月21日〜31日まで放映された「ケータイ売るのもブックオフ」のCMで清水の起用を復活している。
現在は「よむよむ君」と新たにその家族(「かうかう君」「うるうるちゃん」)をゆるキャラに見立て、「ゆる~くいこうぜ、休日ブックオフ」をキャッチコピーにCM展開している。
沿革
- 1990年5月 - 創業者の坂本孝が、BOOK・OFF直営1号店(神奈川県相模原市)開店
- 1991年8月 - 神奈川県相模原市相模原に株式会社ザ・アールを設立
- 1991年10月 - BOOK・OFF全国フランチャイズ展開開始
- 1991年11月 - BOOK・OFFフランチャイズ加盟店1号店をオープン
- 1992年6月 - 商号をブックオフコーポレーション株式会社に変更
- 1994年8月 - 商品センター開設
- 1994年12月 - BOOK・OFF、100店舗
- 1995年9月-(社)日本フランチャイズチェーン協会 正会員
- 1996年11月-セミナーハウス(研修センター)開設
- 1996年12月 - BOOK・OFF、200店舗
- 1996年12月 - 中古家電「HARDOFF(ハードオフ)」加盟店1号店をオープン
- 1997年6月 - 「100人の社長を育てる」構想により、株式会社ブックオフリパブリックを皮切りに株式会社ブックオフファクトリー、株式会社ブックオフウェーブ、株式会社ブックオフエヴァの計4社が分社化される(現在はすべてブックオフコーポレーション子会社化)
- 1998年4月 - BOOK・OFF、300店舗
- 1998年5月 - BOOK・OFF海外1号店(ハワイ店)をオープン
- 1998年7月 - 本社を現在地に移転
- 1999年3月 - 中古書店として日本最大(530坪)の町田中央通り店をオープン
- 1999年4月 - 社内で初めて、古本以外の業態である子供服部門「キッズグッズ」(ビーキッズの前身)を開始
- 1999年7月 - BOOK・OFF、400店舗
- 2000年1月 - 9日、日本初の中古スポーツ用品店「B・SPORTS(ビースポーツ)」16号相模原由野台店をオープン
- 2000年4月 - BOOK・OFFニューヨーク店をオープン
- 2000年5月 - 商店街活性化構想1号店、甲府桜町店オープン
- 2000年5月 - BOOK・OFF、500店舗
- 2000年9月 - TSUTAYA加盟1号店オープン
- 2000年11月 - ブックオフの旗艦店となる原宿店をオープン
- 2000年12月 - 中古音楽・映像ソフト「CD OFF(シーディオフ)」1号店オープン
- 2000年12月 - 託児所「B-KIDS CLUB(ビーキッズクラブ)」開設
- 2000年12月 - 中古ゴルフ用品「GOLF DO(ゴルフドゥ)」加盟1号店オープン
- 2001年8月 - BOOK・OFFロサンゼルス店をオープン
- 2001年9月 - BOOK・OFF、600店舗
- 2002年10月 - 子供服部門の「ビーキッズ」やスポーツ部門の「ビースポーツ」などを、子会社であるリユースプロデュースへ譲渡
- 2003年2月 - BOOK・OFF、700店舗
- 2004年3月16日 - 東京証券取引所市場第二部に上場
- 2004年6月 - 子会社BOOKOFF FRANCEがフランス・パリにオペラ座店開業[2]。
- 2005年3月1日 - 東京証券取引所市場第一部指定
- 2007年6月 - フランチャイズ加盟店に什器を納入した丸善から合計7億4200万円のリベートを会長の坂本孝が受け取っていたことが発覚したため引責辞任し、売上不正も見つかったことから社長の橋本真由美が代表権を返上して会長となり、新社長に佐藤弘志が就いた[3]。また、坂本の法令順守意識の欠如やセクシャル・ハラスメント行為も報告され、謝罪した[4]。
- 2007年8月 - ECサイト「ブックオフオンライン」営業開始。新品商品の取り扱いも始める[5]。
- 2007年9月 - 年間平均1億円前後の赤字店舗[広報 1]であった原宿店を閉店。旗艦店としてその役目を終える。フランス・パリにパリキャトーセプタンブル店開業[2]。
- 2007年10月1日 - Tポイントのサービス提供を開始。
- 2008年5月 - 関東最大級のブックオフ秋葉原駅前店をオープン。ブックオフ単体での1日の売上高として最高の約1177万円を記録する[6]
- 2008年9月 - 「TSUTAYA」事業を運営するワイシーシーをヤオコーより譲受け
- 2008年11月 - 受け皿会社となる子会社を設立し、青山ブックセンターを譲受け
- 2009年5月13日(決済は20日) - それまで筆頭株主であった2社のアント・DBJ投資事業有限責任組合[注釈 2](14.52%、議決権で15.70%)と、Ant Global Partners Japan Strategic Fund I, L.P.[注釈 3](14.52%、議決権で15.70%)が、保有する株式をすべて、大日本印刷株式会社(0%→6.60%)とその子会社である丸善株式会社(0.51%→6.09%)と株式会社図書館流通センター(0%→3.86%)、さらに、株式会社講談社(0%→4.29%)、株式会社小学館(0%→4.29%)、株式会社集英社(0%→4.29%)に株式を譲渡し、大日本印刷株式会社が筆頭株主となった。
- 2009年8月 - フランス・パリのバスチーユにBOOKOFFパリファーブルサンタントワンヌ店開業[2]。
- 2009年11月 - 複合店として最大規模(1,451坪)である、「BOOKOFF SUPER BAZAAR(ブックオフスーパーバザー)」 カインズモール名古屋みなとをオープン。複合店での1日の売上高として最高の1420万円を記録する[広報 2]
- 2010年4月 - リユースプロデュースを吸収合併。
- 2010年9月30日 - 契約期間満了に伴いTポイントサービスを終了。
- 2011年5月27日 - ハードオフコーポレーションが株式を7.06%取得し、筆頭株主となる(ヤフーが筆頭株主になるまで)。
- 2011年4月13日 - 福岡県内の4店舗・鹿児島県内の2店舗でSUGOCAの利用が可能となった[注釈 4]。}} [広報 3]。その後、直営店を中心にJR系のIC乗車券を本格的に導入している。
- 2011年9月 - 社長の佐藤弘志が退任し、専務の松下展千が代表取締役社長に就任[7]。
- 2013年9月 - 携帯電話・スマートフォンの買い取り業務始める[8]
- 2014年5月15日 - ヤフーと資本業務提携。
- 2014年6月21日に第三者割当増資により、ヤフーが株式を13.73%(議決権では15.02%)取得し、筆頭株主及びその他の関係会社となった[広報 4]。
- 2014年10月1日 - 「TSUTAYA」事業を運営会社の会社分割・株式譲渡により日本出版販売に譲渡(2014年10月に新設会社である株式会社ブラスメディアコーポレーションの株式の80%、2015年3月に20%を譲渡)[広報 5][広報 6]。
- 2015年3月15日 - 独自の会員カードサービスを全店で開始(2015年5月現在の発行枚数530万枚)。
- 2015年3月31日 - 子会社である株式会社B&Hが契約していたHARDOFF加盟契約を合意解約。これにより中古家電の買取販売を開始。
- 2015年7月1日 - 株式会社B&Hを吸収合併[広報 7]。
- 2016年1月18日 - 株式会社ブクログの全株式をGMOペパボから譲受[広報 8]。
- 2016年4月1日 - 株式会社ビー・オー・エムを吸収合併。
- 2017年3月 - 中古携帯端末の流通に関わる他企業7社とともに業界団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」を設立[9]
- 2017年4月 - 業績不振により、社長の松下展千が退き、取締役の堀内康隆が社長就任[10]。
- 2018年9月26日 - 東京証券取引所市場第一部上場廃止。
- 2018年10月1日 - ブックオフコーポレーションの単独株式移転により、ブックオフグループホールディングス株式会社を設立予定。同時にブックオフコーポレーションに代わり、ブックオフグループホールディングスが東京証券取引所市場第一部に上場する予定[広報 9][広報 10]。
店舗
日本全国に807店舗(2018年3月現在)。 アメリカ合衆国、フランス、マレーシアにも事業展開し、ニューヨーク西45丁目店、ガーデナ店、ハワイアラモアナシロキヤ店、パリ・オペラ座店など海外店舗は2018年3月現在13店舗ある。かつてはカナダ・大韓民国にも出店していたが閉鎖した。
展開店舗
- BOOKOFF(ブックオフ) - 書籍・家電・CD・DVD・ビデオ・ゲーム・携帯電話の買取・販売
- B・KIDS(ビーキッズ) - 子供服古着・ベビー用品・マタニティ用品の買取・販売
- B・SPORTS(ビースポーツ) - 中古スポーツ用品・アウトドア用品の買取・販売
- B・STYLE(ビースタイル) - 婦人古着・小物の買取・販売
- B・LIFE(ビーライフ) - 中古雑貨・インテリア・ギフト商品の買取・販売
- B・Select(ビーセレクト) - 中古貴金属・腕時計・アクセサリーの買取・販売
- BOOKOFF SUPER BAZAAR(ブックオフスーパーバザー) - 「BOOKOFF」に様々な商材を複合させた大型パッケージ。「中古劇場」を2009年に名称変更。
- BOOKOFF PLUS(ブックオフプラス) - 「BOOKOFF」にアパレルを複合させた中型パッケージ。
- ヤフOFF!渋谷センター街店 - Yahoo! JAPANとの提携によるコラボレーション店舗。
- 青山ブックセンター(ABC) - 東京の新刊書店。六本木・青山などの一等地に出店。ファッション・広告・建築・音楽の分野を得意とする。
※B・KIDS、B・SPORTS、B・STYLE、B・LIFE、B・Selectの名称は現在直営店では使用していない。HARD・OFF、OFF・HOUSE、MODE・OFF、Garage・OFF、JUNK・HOUSE、BOX・SHOP、Hobby・OFFは、ハードオフコーポレーションがフランチャイザーとして展開している.
インターネット店舗
ブックオフのインターネット店舗としては、2007年運営開始のブックオフオンライン(ブックオフコーポレーション100%出資)がある。
ブックオフオンライン創業前に、ブックオフコーポレーションの起業家支援制度によって独立した黒田武志が創業した会社・イーブックオフ(その後商号を「ネットオフ」→「リネットジャパン」に変更)が同種の営業を営んでいたが、カルチュア・コンビニエンス・クラブとの資本提携・社名変更などを経てブックオフからの独立を果たしている。
問題点
売上水増し及び坂本CEOへの個人リベート問題・社員へのセクハラ問題
2007年5月9日に、週刊文春に掲載された記事を発端として、子会社を通しての不適切な売上水増し(粉飾決算)問題と坂本孝CEOのリベート問題が発覚した[3]。 その後、ブックオフは調査委員会を設置し内部調査を開始。そして、2004年12月と2006年2月の2回にわたって、合計2206万円の不適切な売り上げ計上の水増しがあったことを発表し、また坂本代表取締役会長兼CEOについては、1993年5月から2001年5月までの8年間に、丸善から約7億4200万円の個人リベートを受け取っていたことを発表。坂本CEOは、当初この半分を自主的にブックオフに返還する意向を示していたが、後日、全額を返還すると訂正した。同年6月23日に坂本CEOは引責辞任し、橋本COOは代表権のない取締役会長に異動、新社長には執行役員企業戦略担当で戦略部門長の佐藤弘志が就任した。
また、その後、坂本によるセクハラ問題も浮上し、同年7月25日の調査委員会の報告により、セクハラ行為があったことが判明した[4]。坂本本人も、セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント行為、コンプライアンス意識が低い言動があったことを認めた。
その他の問題点
関連会社
- ブックオフオンライン - Web店舗「BOOKOFF Online」にて、書籍・CD・DVD等の買取および中古販売を展開
- ブクログ
- リユースプロデュース - かつて、婦人服や子供服など、ブックオフ事業以外のリユース事業を運営していたブックオフの子会社(現在はブックオフコーポレーションに吸収合併)。
関連書籍
- 大塚桂一「ブックオフ革命」(1994年) ISBN 4-8871-8271-6
- 小田光雄「ブックオフと出版業界―ブックオフ・ビジネスの実像」(2000年)
- 村野まさよし・坂本孝・松本和那「ブックオフの真実――坂本孝ブックオフ社長、語る」(2003年)対談
- グロービスMBA ブックオフ探検隊「ブックオフ 情熱のマネジメント」(2004年)
- 小林成樹「挑戦 何が起業の成否を分けるのか」(2000年) ISBN 4-478-37297-7
- 坪内祐三「高原書店からブックオフへ、または「せどり」の変容」、『新潮45』第34巻第6号、2015年6月、 NAID 40020457447。
その他
- 2013年2月3日のTBSテレビ『がっちりマンデー!!』にて同社の特集が組まれ、松下社長もスタジオ出演した[12]。
関連項目
- Second Life - 仮想空間内にブックオフセカンドライフ店を出店していた[13]。
- ハードオフコーポレーション - グループ会社だと誤解される場合が有る。
- トレジャー・ファクトリー
- 買取王国
- 古本市場(株式会社テイツー)
- ブックマート
- ゲオ
- ほんだらけ(株式会社ドリーム)
- まんだらけ
- 満遊書店
- リネットジャパングループ(旧:イーブックオフ)
脚注
注釈
出典
- ↑ http://book.asahi.com/news/TKY200706190047.html
- ↑ 2.0 2.1 2.2 ブックオフ、パリ・バスチーユに新店舗日経BP、2009.07.03
- ↑ 3.0 3.1 ブックオフ坂本会長が辞任、「リベート」受け取りと不正売り上げで日経BP、2007年6月19日(archive版)
- ↑ 4.0 4.1 ブックオフ調査委が最終報告、坂本前会長のセクハラなど認める日経BP、2007年7月24日(archive版)
- ↑ ブックオフがオンライン書店を開設、新品も販売日経BP、2007年8月1日
- ↑ ブックオフグループ複合店、1日売上の過去最高を記録 ブックオフコーポレーション 2018年9月15日閲覧。(archive版)
- ↑ 【ブックオフ】松下専務が社長昇格、佐藤社長は退任 Diamond Retail Media、2011年9月1日(archive版)
- ↑ ブックオフが古い携帯電話の「100円買い取り」を継続、今後1年で60万台を目指す日経BP、2013/09/24
- ↑ 急きょ発足の中古スマホ業界団体、「下取り価格」だけじゃない実の狙い日経BP、2017/03/16
- ↑ ブックオフ業績不振に苦しむ 書籍以外の商材拡大は進むかTHE PAGE, 2017.04.13
- ↑ 小林よしのり著「ゴー宣・暫 第1巻」より
- ↑ がっちりマンデー!! 2013年2月3日の放送内容 - TBSテレビ(archive版)
- ↑ “Second Lifeにブックオフが出現” (日本語). ITmedia News. (2007年2月21日) . 2010閲覧.
広報資料・プレスリリースなど一次資料
- ↑ http://www.bookoff.co.jp/ir/pdf/repo_071115_03.pdf
- ↑ http://www.bookoff.co.jp/files/ir_pr/25/20091120_nagoya.pdf
- ↑ “SUGOCA電子マネーがBOOKOFFグループでご利用いただけるようになります” (PDF) (プレスリリース), JR九州プレスリリース, (2011年4月13日)
- ↑ ヤフー株式会社との資本業務提携契約の締結、第三者割当により発行される新株式及び転換社債型新株予約権付社債の募集、主要株主である筆頭株主の異動、並びにその他の関係会社の異動に関するお知らせ
- ↑ 連結子会社の会社分割及び新設会社(孫会社)の株式譲渡完了に関するお知らせ
- ↑ 持分法適用関連会社の異動(連結子会社による株式譲渡)に関するお知らせ
- ↑ 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ
- ↑ 株式会社ブクログの株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ
- ↑ 単独株式移転による持株会社設立に関するお知らせ ブックオフコーポレーション 2018年5月15日
- ↑ ブックオフグループホールディングス株式会社新規上場承認に関するお知らせブックオフコーポレーション 2018年9月3日