フン族
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フン族(フンぞく、Hun)
中央アジア,ステップ地方に住んでいたウラル=アルタイ語族のトルコ語またはモンゴル語系統に属する遊牧騎馬民族。4世紀頃ドン川流域に移動。 370年頃さらに西進,黒海北岸に住んだゲルマン系の東ゴート人の国家を壊滅させ,次いで今日のルーマニアに居住した西ゴート人を圧迫して,ゲルマン民族移動 (民族大移動 ) の端を開いた。 375年頃ティサ川上流に達し,東南ヨーロッパに一大国家を築いた。初め族長に率いられる諸部族の連合国家であったが,432年に1人の王のもとに統一された。初代ルア (あるいはギラ) 王の甥で兄ブレダとともにその跡を継いだアッチラ王 (在位 434~453) のときフン民族の国家は最盛期を迎え,その版図はライン川上流よりウラル川流域に達した。東ローマ帝国を2度攻略 (441,447) ,さらに西ローマ帝国を圧迫したが,451年カタラウヌムの戦いで西ローマ=西ゴート連合軍に敗北。アッチラ死後は,ゲピート族の反乱 (455) ,パンノニアにおける敗戦によって急速に衰微し,ドナウ川下流に退いた。それ以後の史料はきわめて乏しく,5世紀末までにはフン民族は分散消滅してしまった。漢の時代に中国北辺に侵入した匈奴,また5~6世紀にイラン,インドに侵入した遊牧民族ヘフタリットと同一民族であるかどうかは不明。