フリューゲルホルン
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フリューゲルホルン(独: Flügelhorn, Flugelhorn, Fluegelhorn)は、金管楽器の1種であり、ビューグル属の楽器である。
概要
外観はコルネットに似るが、より管の内径の開きが早い。サクソフォーンの考案者として知られるアドルフ・サックスによって考案された「サクソルン」(saxhorn)と呼ばれる一群のうちの「ソプラノ」(あるいは、その改良されたもの)とされる。しかし、音楽史家の中には、異説を唱える者もある。ミュンヘンのミヒャエル・サウワーレ (Michael Saurle) が1832年にバルブ付きのビューグル(信号ラッパ)として発明したものが記録にある[1]。時として(英語風に)フリューゲルホーンとも呼ばれ、しばしばフリューゲルと略称される。「フリューゲル」(Flügel)はドイツ語で翼の意味である。
一般に知られるものは、多くのトランペットやコルネットと同じ変ロ調のものであり、これはB(♭)(ベー)管と呼ばれるが、変ホ調のものも存在し、こちらはEs(エス)管と呼ばれる。
音色は、トランペットやコルネットと比較して、より太く、一般に「より豊かで暗い」「甘美」と形容される。コルネットと同程度には機敏であるが、通常使用するマウスピースの深さから、高音域の演奏はより難しいとされている。
特徴
- 管長はトランペットやコルネットと等しく、音域も同様であるが、コルネットよりも円錐部分が多く、またその部分の口径も大きいことが、より太く柔らかく、深みに富んだ音色を生んでいる。
- トランペットと同様、バルブは3つ備えることが普通であるが、フランスのメーカー、コルトワ等に見られるように、4バルブのものも存在する。ピストン式とロータリー式バルブがあるが、ピストン式が主流である。
- マウスピースの口径はトランペットと同等であるが、シャンクが異なるため、通常は同じものを使用することはできない。シャンクにはケノンに代表されるストレート・シャンクと、トランペットと同様のテーパー・シャンクに大別されるが、メーカーによって実際のシャンク形状は異なることが現状である。また、その独特のメロウな音色を醸し出すために、より深いカップ形状が好まれる傾向にある。
- フリューゲルホルンはトランペットやコルネットよりもペダルトーンへの移行が容易であることも特徴である。
使用例
- ジャズやブラスバンド(金管バンド:英国式ブラスバンドやドイツのポザウネンコア)ではよく使われ、ソロ楽器としての側面がある
- オーケストラではあまり使われることがない。マーラーの交響曲第3番でポストホルンの代わりに使用されることがあるが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団などではポストホルンそのものを使用している。他にはヴォーン・ウィリアムズの交響曲第9番、レスピーギの「ローマの松」(バンダ)などに使用例がある。
- アンサンブルなどでソロを吹く場合に使われることがある。
脚注
- ↑ Royal Bavarian privilege for a "chromatic Flügelhorn" 1832
関連項目
外部リンク
典拠レコード: