フラッティーニ部分群

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ファイル:Dih4 subgroups (cycle graphs).svg
二面体群 Dih4English版部分群の束English版ハッセ図式

3 つの要素からなる層が極大部分群である。
それらの共通部分(フラッティーニ部分群)は 5 つの要素からなる層の真ん中の要素である。
よって Dih4e の他に非生成元を 1 つしかもたない。
ファイル:Giovanni Frattini.jpg
Giovanni Frattini (1852 – 1925)

数学において、 Gフラッティーニ部分群 (: Frattini subgroup) Φ(G) とは G のすべての極大部分群English版共通部分である。ただし、群 G が極大部分群をもたない場合には、Φ(G) = G によって定義される。

フラッティーニ部分群は環論ジャコブソン根基と類似しており[1]、直感的には「小さい元」からなる部分群と考えることができる(下記の「非生成元」による特徴づけを見よ)。Giovanni FrattiniEnglish版 にちなんで名づけられている。彼はその概念を1885年に出版された論文で定義した[2]

事実

  • G のフラッティーニ部分群 Φ(G) は G のすべての非生成元 (non-generators, non-generating elements) の集合に等しい[3]。ここで G の非生成元とは常に生成集合から取り除くことができる元である。つまり X ∪ {c} が G の生成集合であるときには、X もまた G の生成集合であるような G の元 c を指す。
  • Φ(G) は G特性部分群である。とくに、それは G正規部分群である。
  • 有限群 G のフラッティーニ部分群 Φ(G) は冪零である[4]。したがって、とくにフィッティング部分群English版に含まれる。
  • 有限群 G が冪零である必要十分条件は G ′ ⊆ Φ(G) が成り立つことである[5]
  • G が有限 p-群であれば、Φ(G) = G ′ Gp である[6]。したがって、フラッティーニ部分群は商群 G/N基本アーベル群、すなわち位数 p巡回群直和同型であるような包含に関する最小の正規部分群 N である[7]。さらに、商群 G/Φ(G) (Gフラッティーニ商 (Frattini quotient) とも呼ばれる)が位数 pk をもてば、kG の生成元の最小の個数である(つまり G の生成集合の最小の濃度である)。とくに有限 p-群が巡回群であることとそのフラッティーニ商が(位数 p の)巡回群であることは同値である。有限 p-群が初等アーベルであることとそのフラッティーニ部分群が自明群、Φ(G) = {e} であることは同値である。
  • HK が有限であれば、Φ(H × K) = Φ(H) × Φ(K) である。

脚注

  1. Cohn 2003, p. 48.
  2. Frattini 1885
  3. Cohn 2003, Proposition 2.6.1.
  4. Cohn 2003, Theorem 2.6.6.
  5. Cohn 2003, Theorem 2.6.7.
  6. Cohn 2003, Exercise 6.
  7. Aschbacher 2000, 23.2.

参考文献

関連項目

外部リンク

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