フェニキア語
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フェニキア語(フェニキア語: 𐤃𐤁𐤓𐤉𐤌 𐤊𐤍𐤏𐤍𐤉𐤌 dabarīm Kanaʿanīm)は、かつてフェニキア人によって話されていた言語であり、アフロ・アジア語族セム語派カナン諸語の一種である。
概要
フェニキアとは古代ギリシア語やラテン語においてカナン地方を指す地域名[1]であり、実際、同時代に同地域において話されていたヘブライ語、モアブ語、アモン語と極めて近縁関係にある。そのため、これらの諸言語は同一言語の方言程度の違いしかない。かつてフェニキア語が話されていた地域は、現在のレバノンやシリア沿岸部、イスラエル北部、チュニジア、アルジェリア、マルタなど広域にわたる。共和政ローマとのポエニ戦争で滅亡したカルタゴの人々が話したフェニキア語はポエニ語と呼ばれる。
ヘブライ語と同じくフェニキア文字は母音を文字で表さないので、発音が時代を経てどのような変化があったか詳しい事は分からない。末期には母音文字が導入されたが、長くは続かず、ラテン文字、ギリシア文字に切り替わった。
現代語への影響
英語の「mat」(マット、むしろ)は、フェニキア語の「matta」(寝台)に由来するという説がある[2]。