ピット器官
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ピット器官(ピットきかん、英語: pit organ)は、爬虫綱有鱗目ヘビ亜目の構成種が持つ赤外線感知器官[1]。単にピット(pit, 原義は「くぼみ」のこと)とも呼ばれる。
ヘビ亜目の中でもボア科ボア亜科、ニシキヘビ科(ボア科の亜科とする説もあり)、クサリヘビ科マムシ亜科がピット器官を持つ(例外もあり)。ボア科、ニシキヘビ科は人間でいう唇にあたる鱗(上唇板、下唇板)にあり、口唇窩 (labial pit) と呼ばれ、前者は鱗と鱗の隙間、後者は鱗に穴が空いたような形である。マムシ亜科では鼻孔と眼の間に1対のみ持ち、頬窩 (loreal pit) と呼ばれる。
あまり視覚がよくなく夜行性の種が多いヘビ亜目において、ピット器官を保有することは、夜間見通しが悪い中でも獲物である小型恒温動物の存在を察知することに役立っている。特にニシダイヤガラガラヘビは他のヘビより優れており、目を覆われても獲物を追跡・捕食できる[2]。
これを人間の世界で応用したものが、温度を可視化するサーモグラフィである。
画像
- Morelia-labial-pits.jpg
ミドリニシキヘビ下唇板のピット
- Emerald Tree Boa Facing Forward 2646px.jpg
エメラルドツリーボア
脚注
- ↑ “人間にはない動物たちの驚きの器官7選”. ナショナルジオグラフィック日本版サイト (2017年1月19日). . 2017閲覧.
- ↑ “ヘビが赤外線を「感じる」メカニズムが明らかに、米研究”. AFPBB News (2010年3月16日). . 2017閲覧.