ヒルビリー・バップス
ヒルビリー・バップス HILLBILLY BOPS | |
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出身地 | 日本 |
ジャンル | ロカビリー |
活動期間 | 1983年 - 1990年、2004年 - |
レーベル | キティレコード |
ヒルビリー・バップス (HILLBILLY BOPS) は、1980年代に活動していた日本のロカビリーバンド。
Contents
概要
良質なロカビリーサウンドとしっかりとした演奏力、加えて忌野清志郎による提供シングルなどのポップな楽曲により、幅広い層で人気を獲得した。しかし、全国ツアー初日公演翌日の1988年3月29日、Vo.宮城宗典の死去により一時活動休止。その後、5月5日の追悼LAST・GIGを経て、2代目Vo.横山裕高を迎え再始動するが、1990年解散。2004年から活動再開。
来歴
東京・原宿の古着屋に出入りしていた仲間とともに、1983年12月ポップロックバンドとして結成[1]。元々はジョニー・バーネット・トリオやジーン・ヴィンセント等のカバーを中心に演奏するロカビリーバンドであった。確かな演奏力に加え、人目を惹くメンバーの容姿の相乗効果で硬派・軟派の両方から支持された。インディーズ時代はライブハウスの動員記録を次々と塗り替える勢いがあった。
1986年4月25日、シングル「微熱なキ・ブ・ン(とびきり16歳)」でキティレコード(現:ユニバーサルミュージック)からメジャーデビュー。同曲はライオンの制汗デオドラント“BAN16”のCM曲に起用されたこともあり、スマッシュヒット。好調なスタートを切った。
その後、宮城宗典は忌野清志郎と出会い、「俺のソウルブラザー」と呼ばれる程に可愛がられ、セカンドシングル「バカンス」を忌野に書き下ろしてもらう。忌野清志郎曰く「彼とは音楽の話ばかりしていた」だった。
同年10月にはデビュー半年目でテレビ朝日の深夜枠『まんまとアイドル』(1987年3月までの2クールオンエア)のレギュラーを獲得した。
メジャーデビュー2年目の1987年はレコーディング、全国ライブ、テレビ出演、映画出演(松本隆原作の『微熱少年』に宮城が出演)、地方キャンペーンと休む暇のない1年だった。10月からは、前年度放送された主演バラエティ番組が好評だったため、同じテレビ朝日で新番組『ヒルビリー・ザ・キッド』(1988年3月までの2クール)の放送が始まる。
この時期のスケジュールは過密であり(レギュラーテレビの収録、『ミュージックステーション』、『オールナイトフジ』などの生放送などテレビラジオ収録、学園祭出演、ワンマンライブ、東名阪札の地方キャンペーン、そして大晦日には名古屋にてオールナイトのライブイベント『ロックンロールバンドスタンド』出演)メディア露出も多かった。加えてレコーディングもこなしていた。
このような活動もあり、翌1988年早々に売り出した春の全国ツアーのチケットは最短5時間で完売。この人気に応えるべく、グループは急遽ミニアルバムのレコーディングに入り、約4週間で完成させた。
全国ツアー初日公演(1988年3月28日、日清パワーステーション)の翌日、3月29日、Vo.宮城宗典が飛び降り自殺を図り、死亡[1]。遺書や遺言はなく動機は未だ不明。
予定されていた残りのツアーは全てキャンセル。3月31日に放送された主演テレビ番組『ヒルビリー・ザ・キッド』(3月5日に収録されたもの)の最終回は変更なく放映、深夜にも関わらず5.5%の視聴率を記録。番組の最後に「宮城君の愛した音楽は永遠に残ります」のテロップが映し出された。
同年5月5日には日比谷野音で追悼ライブが行われ、以前より親交のあった音楽仲間や映画を通じて親しくなったミュージシャン(忌野清志郎、仲井戸麗市、BARBEE BOYSの杏子、エンリケ、MOJO-CLUB、THE REDSの大平太一、レピッシュのMAGUMI、元C-C-Bの関口誠人、UP-BEATの広石武彦、長島ナオトらなど多数)が参加した。
その後、一年間の活動休止期間を経て、2代目Vo.横山裕高を迎え再始動するが、セールス的には宮城宗典在籍時ほどの成功を収める事ができず、1990年5月5日の日比谷野外音楽堂でのライブを最後に解散。
解散後、ベースの川上は1990年6月、元トランプスの荒井謙、元ミンツの柳井英俊、酒井正洋とネオロカビリー系のバンドTHE VINCENTSを結成。1991年にSTRAY CATS来日公演のフロントアクトを務め、ある程度の成功を収めたが1994年夏に解散。同時期に覆面バンドTHE TIMERSでも活動していた。
ドラムの小西はスタジオミュージシャンやドラム教室の講師として活動。ギターの平野は2代目Vo.の横山とともにバンド活動を行っていたが、次第に音楽活動からは遠ざかって行った。
解散から20年後にあたる2003年3月28日、四谷フォーバレーにて『結成20周年』と称し、フィルムコンサート『7時からのレボリューション』が行われた。
バンド解散から14年後の2004年5月4日・5日、四谷フォーバレーにて2DAYSワンマン『HillbillyBops Mania Good Rock'in Tonight』を行った(メンバーはVo.横山 Gt.平野・佐藤 Ba.川上 Dr.小西 Sax.樋口)。9月には大阪・名古屋でコンサートも行われた(その後のライブに佐藤・小西は不参加。現在はサポートドラマーとして元MOJO CLUBの杉山章二丸がドラマーとして参加している)。
メンバー全員が社会人として働いており多忙であるため、ライブは数年に1回程度しか行われていないが2014年現在もバンド活動は継続中である。
メンバー
- 2代目Vo. - 横山裕高:(1966年3月7日 - 、A型)兵庫県出身。
- G. - 平野哲也(1962年5月5日 - 、B型):千葉県出身。
- Sax. - 樋口雅紀(1962年9月30日 - 、B型。宮城の自殺後、第2期には参加せず脱退):熊本県出身。
- B. - 川上剛(1961年9月18日 - 、A型):秋田県出身。
- Dr. - 杉山章二丸(2000年代後半からサポートとして参加)
元メンバー
- 初代Vo. - 宮城宗典(1965年1月8日 - 1988年3月29日、O型):東京都出身。
- 初代Dr. - 佐藤悦也(1964年1月16日 - B型。1986年8月31日脱退):岩手県出身。
- Dr. - 風間幹也(佐藤脱退から小西加入までの間、サポートドラマーとして参加)
- 2代目Dr. - 小西竜太郎(1964年12月20日 - 、B型。1986年11月加入):東京都出身。
- Key. - ライオンメリー(1954年8月9日 - 、B型。宮城在籍時はサポート、横山Vo期より正式参加):東京都出身。
ディスコグラフィ
シングル
- 微熱なキ・ブ・ン(1986年4月25日)
- バカンス(1986年7月25日)
- 激的バーニング・ラブ(1986年10月25日)
- ビシバシ純情!(1987年2月25日)
- 僕たちのピリオド(1987年5月25日)
- 真夜中をつっぱしれ(1987年10月25日)
アルバム
- 激的バーニング・ラブ
- 微熱なキ・ブ・ン
- SUMMER TIME・サマー体育
- Urban Confidencial
- Dog House
- ビシバシ純情!
- バカンス
- Dance&Bop
- 世紀末少年
- ティーン・エイジャー
- Down the Line
- 僕たちのピリオド
- チャイナタウンでつかまえて
- Crazy Head
- Let's Bop
- You
- 真夜中をつっぱしれ
- ブレイントリップA-Go-Go
- 5時からのレボリューション
- PEGGY SUE
- 夢見る頃を過ぎても - 永瀬正敏が1993年にシングル「For the boys…」のタイトルでカバー。
- My Only One
- ウェディング・ベルを抱きしめて
- サマー・ボーイ
横山加入後
- 出口なし
- 見なれた街で
- 僕はエレガントなものが好き
- OUR SONG
- キッドナップ・ベイビー・ブルー
- FACSIMILE GIRL
- 耳鳴りのする丘
- EVERYTHING IS ALL RIGHT
- G・オーウェルの息子たち
- NOWHERE MAN
- God Bless Your Love
- MONOLOGUE
- Loosin'
- 隣人
- I'll Never Stop
- 夜間悲航
活動停止後の発売
- 嵐のカーニバル
- 僕たちのピリオド
- Blue Moon of Kentucky
- BETTER BETTER HOLIDAY
- 崩れ落ちてゆくサマーナイト
- Dear Friends
- バカンス
- ビシバシ純情!
- ブレイントリップA-GO-GO
- ウェディングベルを抱きしめて
- 二人の為の甘いバラード
- 真夜中をつっぱしれ
[Disc 1]
- Let's Bop
- チャイナタウンでつかまえて
- 世紀末少年
- 激的バーニング・ラブ
- Vacance
- 真夜中をつっぱしれ
- Oh, Boy
- Sixteen Chicks
- Summer Time・サマー体育
- ティーン・エイジャー
[Disc 2]
- A Saw Her Standing There
- Be Bop A-Lula
- Crazy Head
- Peggy Sue
- Dog House
- You
- 夢見る頃を過ぎても
- 5時からのレボリューション
- My Only One
- ブレイントリップ A-Go-Go
- Dear Friend
再発&リリース
- 『TEAR IT UP』・『HILLBILLY THE KID〜DOWN THE LINE』・『PUBLIC MENU』(1998年4月1日、再発売)
- Move Baby Move〜My Baby Left Me
- Honey Hush
- Who Slapped John?
- Rock Billy Boogie
- Twenty Flight Rock
- Long Black Shiny Car
- Your Baby Blue Eyes
- Sixteen Chicks
- All By Myself
- Down The Line
- All Night Long
- Love Me
- Oh, Baby Babe
- Everybody's Trying To Be My Baby
- Twenty Flight Rock
- Let's Bop
- 微熱なキ・ブ・ン(とびきり16才)
- 世紀末少年
- バカンス
- BETTER BETTER HOLIDAY
- 激的バーニング・ラブ
- Dog House
- ビシバシ純情!
- 二人の為の甘いバラード
- 僕たちのピリオド
- ブレイントリップ A-Go-Go
- 真夜中をつっぱしれ
- 崩れ落ちてゆくサマーナイト
- ウェディング・ベルを抱きしめて
- 夢見る頃を過ぎても
出演
ラジオ
- ヒルビリー・バップスのオールナイトニッポン(1989年10月 - 1990年3月、ニッポン放送)金曜2部
脚注
- ↑ 1.0 1.1 ポピュラー音楽人名事典、594頁。
参考文献
- 『ポピュラー音楽人名事典』 日外アソシエーツ、日外アソシエーツ、1994-07-25。ISBN 4-8166-1223-1。