バタフライ

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バタフライButterfly)は、競泳の泳ぎ方の一つで、両腕は同時に前後に動かし、両脚は同時に上下に動かして泳ぐ。腕・脚ともに、交互に動かしてはならない。

日本では水泳選手を中心に「バッタ」や「バタ」などという略称が用いられている。

4泳法の中で、唯一サバイバルで使う機会のない、競泳のためだけの泳法である。このため、水泳は小学生に人気の習い事だが、他の3泳法をマスターしたらバタフライを習わずやめてしまう子が多い。

泳法

速度と人間工学的知見

バタフライはクロールに次ぐスピード泳法である。トップスイマーのスピードは約1.98 m/sであり、これはクロールの2.17 m/sと遜色ない。当然ながら、背泳ぎの1.84 m/sや平泳ぎの1.67 m/sよりも速い。バタフライのストローク中では、プッシュとプルのときには、クロールよりも速いが、リカバリー時がクロールよりも遅くなる。バタフライはフォームに敏感な泳法であり、タイミングの悪いフォームでは、速く泳ぐことはできない。それどころか、腕と上体が上がらなくなり息継ぎしにくくなる。これが多くの人からバタフライは難しい、あるいは正しいフォームを身に着けるのに時間がかかると敬遠されている理由である。しかし、正しいフォームさえ身につければ、バタフライは平泳ぎよりも少ないエネルギーで、しかも速く泳ぐことができる上、視線も前に向けたままで行える泳法である。

ドルフィンキック

両足を揃えた状態で状態で同時に上下させて足の甲の部分を使って水をけることをドルフィンキックという[1]。ドルフィンキックはバタフライだけでなく背泳ぎのスタートやターンにも用いられる[1]

歴史

バタフライは平泳ぎから発展した。当初、平泳ぎの泳法規定は「うつぶせで、左右の手足の動きが対称的な泳法」と定められていた。そこで1928年アムステルダムオリンピック開催時に、ドイツのエーリッヒ・ラーデマッハーが、現在のバタフライに似た手の掻きと平泳ぎの足の掻きを組み合わせた泳法で平泳ぎ競技に出場し(結果は日本の鶴田義行に次ぐ銀メダル)、その後1936年ベルリンオリンピックで数名の選手がこの泳法により好成績を収めると、1952年ヘルシンキオリンピックでは平泳ぎにおいて、ほとんどの選手がバタフライの手の掻きを用いるようになった。そこで国際水泳連盟は、1956年メルボルンオリンピックから、独立した種目として扱うようになったが、この時ある選手が膝を痛めて平泳ぎの足の掻きが出来なくなり、両足を上下に動かす現在の足の動き(ドルフィンキック)を考案した。ちなみに、考案者は日本人の長沢二郎だと言われている[2]。1995年頃から青山綾里が100mのスタートから30m以上潜行する泳法で記録を塗り替え始めると潜水は15mまでという規定が出来る。

ルール

審判長の笛の合図の後、スタート台に乗り、静止。出発合図員の「Take your marks...[3]」で構えたあとは、号砲まで静止しなければならない。号砲後飛び込み、泳ぐ。号砲までに水面に飛び込んだ場合、失格となる。 号砲後飛び込み、プールの壁(端)まで自分のレーン以外のところに行ったり、コースロープに触れたり、プールの底に立ったり歩いたり蹴ったりしてはならない。スタート後及びターン後の壁から15メートルまでを除き、競技中は体の一部が水面上に出ていなければならない。両手両脚は交互に動かしてはならない。平泳ぎのキックをしてはならない。手のリカバリーは必ず水面上で行わなければならない。ターンおよびゴールのタッチは両手同時に行わなければならない。いかなる場合も仰向けになってはいけない。

主なバタフライの選手

男子

女子

脚注

  1. 1.0 1.1 『DVDレベルアップ! 水泳 4泳法完全マスター』 西東社、2013年。
  2. 国際水泳殿堂のホームページにおける殿堂入り選手の紹介ページで、1954年に長沢が行ったドルフィンキックを「 the new style of kicking (新しいキック法)」と解説されている。JIRO NAGASAWA (JPN) 1993 Honor Swimmer また、訃報の際、国内の主要各紙で「ドルフィンキック考案者」の見出しが付されており、一般にもそのように認識されている[1][2][3]http://www.sankei.jp.msn.com/obituary/100323/obt1003232303001-n1.htm]
  3. 2017年3月まで日本では、「よーい」だった

関連項目

外部リンク

テンプレート:水泳競技

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