ハナイカダ

提供: miniwiki
移動先:案内検索

ハナイカダ(花筏、Helwingia japonica)はモチノキ目に属する落葉低木。別名、ヨメノナミダ(嫁の涙)。北海道南部以南の森林に自生する。の上にが咲くのが特徴である。

クロンキスト体系ではミズキ科に分類されていた。

形態

落葉性の低木で、高さは2m程度、太くはならない。若い枝は緑色で無毛、あまり木質でない。葉は互生、楕円形で長さ6-12cm、楕円形で浅い緑色で柔らかい。その縁は低い鋸歯になっており、それぞれの先端が少し突き出す。

雌雄異株。花は淡緑色で、子房下位、花弁は3-4枚。春に葉の中央に1-2個(雌花)または数個(雄花)の花が咲く。果実は黒い液果で種子を2-4個含む。この液果は甘味があり食べられる。

花の位置について

花とは、本来は一つの枝の先端に生殖用の葉が集まったものであり、芽の出来る位置に作られる。従って通常は葉に花が付くことはない。この植物の場合、進化的には花序葉腋から出たもので、その軸が葉の主脈と癒合したためにこの形になったと考えられる。

名前の由来は花筏であり、花の載った葉をに見立てたものである。

分類

変種として南西諸島にリュウキュウハナイカダ var. liukiuensis台湾にタイワンハナイカダvar. formosanaが分布する。同属にはH. chinensisH. himalaicaがあり、中国南部、ヒマラヤに分布する。

ギャラリー

参考文献

  • 北村四郎・村田源、『原色日本植物図鑑・木本編I』、(1971)、保育社
  • 牧野富太郎、『牧野 新日本植物図鑑』、(1961)、図鑑の北隆館