ネスレ・ミロ

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缶入りのミロ(アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン市内の香港超級市場にて)

ネスレ・ミロ (Nestlé Milo) は、ネスレ社が製造、発売するココア味の粉末麦芽飲料のブランド。日本では1973年よりネスレ日本が販売している。

蛋白質鉄分などの栄養素を、麦芽にココア脱脂粉乳、各種ミネラルビタミンを加え、機能性飲料として商品化したもの。通常、粉末の製品を冷たい牛乳か温かい牛乳で溶いて飲む。

概要

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溶かされたネスレ・ミロ

ミロは1934年オーストラリアトーマス・マインEnglish版により開発された[1]。名前は古代ギリシアの強力なアスリート・クロトナミロンにちなんでいる[2]。日本では「ミロ」と呼ばれるが、英語圏では「マイロ」(IPA /maɪləʊ/)と発音するのが一般的。ネスレのテレビCMは「スポーツをする子供たち」がイメージとして使われているため「子供の飲み物」のイメージが強いが、中南米やアジア(特に東アジア、東南アジア地域)では、成人にも好まれている。香港茶餐廳ファストフード店では「美祿」(広東語: メイロッ)と呼ばれ、定番メニューとなっている。

今日では多くの国で作られており、例えばシンガポールマレーシア中国タイインドネシアフィリピンベトナムニュージーランド香港日本ジャマイカガイアナトリニダード・トバゴチリコロンビアペルーナイジェリアケニアガーナパプアニューギニア南アフリカスリランカシリア台湾イギリスなどである。東南アジア圏で販売されている大容量缶入り版は日本国内でも輸入品店等で購入する事が出来る。

栄養素

ミロ粉末15グラムを150ccの牛乳に溶かして飲む場合、1杯あたり164キロカロリー (690 kJ) である[3]。一方でグリセミック指数は低く、牛乳で作った場合は33、低脂肪乳で作った場合は36である。このため、エネルギーが少しずつ使われる。

2010年現在の日本のミロの広告では、ビタミンADビタミンB1ビタミンB2ナイアシンカルシウム、鉄分の「7つの栄養素」が含まれていると解説されている[4]

関連商品

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ミロ・チョコレートバー

「オリジナル」の他に、カルシウム入りで特定保健用食品の「ネスレ ミロ 180g」(瓶入り)、ポーションタイプの「ネスレ ミロ アイスクール」(夏季限定)がある。

また、日本では、赤城乳業との提携で、北海道九州沖縄の地域限定でアイスバー(6本入りの箱売り)が販売されている。日本以外では、ネスレ・ミロのチョコレートバーや朝食用のシリアル、缶ジュースタイプなどがある。チョコバーは日本でもヴィレッジヴァンガードや輸入食料品店等で購入出来る。

歴史

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1940年代のミロの缶

ミロは、世界恐慌の影響で栄養が不足していた1930年代のオーストラリアの子供たちのために考案された。ネスレ・オーストラリアのトーマス・マインEnglish版が考案し、ニューサウスウェールズ州ケンプセイEnglish版の工場で作られ始め、1934年シドニー・ロイヤルイースターショーEnglish版で発表された[5]1936年にミロはベルリンオリンピックの公式スポンサーとなっている[6]

1948年に作られた広告映画は、ミロについて、金属缶入りで0.5ポンド (230 g) 入りと14オンス (400 g) 入りの2種類があり、「強壮食品 (Tonic food)」として、ビタミンABDカルシウムマグネシウム、鉄分、有機リン酸化合物が豊富なドリンクであると宣伝している[7]

日本では1973年にガラス瓶入りとして販売開始された[8]。このガラス瓶入り版の場合、蓋の形状は当初と現在とは一部に差異がある[9]2002年にはフラクトオリゴ糖を強化したタイプが保健機能食品として認可を受けている[10]

オーストラリアでは2008年に「ミロBスマート」というビタミンBとヨウ素を追加した新製品が発売された。味も通常の物とは異なる[11]

商品のイメージカラーが緑色の為に、基本的なデザインでは背景色や瓶の蓋の色が緑色で、イメージのアスリートのユニフォームはミロスポンサードタイプに統一されている。このデザインは世界各国共通となっている(ただし各国独自のアスリートイラストがイメージイラストとして配置されている場合もある)。

各国での状況

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ニュージーランドのミロ、ガーナのミロ

日本や発祥国のオーストラリアでは、粉末の製品を牛乳か湯で溶いて飲むよう説明されている。また日本では、ミロのココア味を活かして、料理や菓子に用いるレシピも公開されている。

ガーナマレーシアフィリピンシンガポールインドネシアでは、説明書に湯か冷水で溶いて飲むよう説明されており、ミルクと砂糖は「お好みに応じて」と書かれている。

ミロはマレーシアでは100PLUSと並んでポピュラーな飲料であり、チョコレート飲料の9割を占め[12]、ミロの消費量も世界一とされる[13][14]。マレーシアではネスレの売り上げの2割をミロが占めており、シンガポールタイインドネシアフィリピン、米国にも輸出をしている[15]。ミロはマレーシアでハラールの認可を得ている[16]

脚注

関連項目

外部リンク