ナセル

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ナセル Nasser, Gamal Abd, al-

[生] 1918.1.15 アレクサンドリア

[没] 1970.9.28 カイロ


ガマル・アブドゥル・ナセル(ガマール・アブド・アン=ナーシル) エジプト陸軍将校出身の革命的政治家。1956年以降同国の大統領となり、アジア、アフリカの反植民地運動の代表的な指導者の一人でもあった。

1918年1月15日、上エジプトのアシュート州ベニ・モール出身の郵便局員の子としてアレクサンドリアに生れた。カイロのナフダ中学校に学んだが、すでにこの頃から、生徒の反英示威運動を指導して退学処分を受け、生徒の反対で復学するなど、若くして情熱的な愛国者として政治活動にたずさわった。1938年、アッバーシーヤ士官学校を卒業し、軍務についたのち、1942年同士官学校の教官に任ぜられた。1945年以来、エジプト民族主義を奉ずる青年将校の秘密組織をつくり、その中心人物となった。この組織は自由将校団として知られたもので、のちに共和国で高官の地位についたアーメルAbd-al-Hakim Amer、サダトAnwar al-Sadat、モヒーエッディーンZakaria Mohieddinらと深い友情で結ばれたのもこの時期である。第2次世界大戦中、自由将校団は枢軸側に接近しようとしたり、ムスリム同胞団(イスマイーリーヤの小学校教員ハサン・アル=バンナーHasan al-Bann〔1906~1949〕が1929年に始めた宗教運動。理想的なイスラム国家の再現を説いて第2次世界大戦後に数百万の中・下層大衆を組織し、政治的にも巨大な影響力をもった)と提携したりしたが、いずれも一定の限度にとどまり、戦後には軍隊内に細胞組織をもつ有力な非合法勢力に成長した。