テリア (企業)
テリア (スウェーデン語: Telia Company AB) は、スウェーデン・ストックホルム郊外のソルナに本拠を置き、携帯電話や固定電話のサービスを提供する電気通信事業者。スウェーデンとフィンランドを主な拠点とし、子会社を通じて、東ヨーロッパや中央アジアでも事業を展開する。ストックホルム証券取引所、ヘルシンキ証券取引所上場企業(テンプレート:OMX、テンプレート:OMX)。スウェーデンとフィンランドの両政府が株式の4割前後を保有する。旧社名はテリア・ソネラ。
沿革
テリアの起源は、ストックホルムとウプサラ間の電報の開通を契機に、1853年に設立されたKongliga Elektriska Telegraf-Werket(1871年にKongl Telegrafverketに改称、Royal Telegraph Agencyの意)に遡る[1]。スウェーデンで通信網が普及し始めた当初は、ラーシュ・マグナス・エリクソン(エリクソン設立者)の設立したAllmänna Telefonなど民間事業者による競争が行われたが[2]、多数の事業者により並立していた通信網の統一を図る目的で、スウェーデン政府が出資するKongl Telegrafverketは各社を買収し、1918年のStockholms Allmännaの買収をもって、スウェーデンの通信網は、民間事業者の新規参入の法的制限は設けられなかったものの、Kongl Telegrafverketによる事実上の独占体制となった[1]。1953年に社名をTeleverketと改称した[1]。
1992年、郵便事業をPost- och telestyrelsenに放送通信事業をTeracomにそれぞれ分社化し、1993年、固定電話と携帯電話事業を行う企業体としてTelia ABが設立された[1]。1970年代に開発されたNMTや1990年代に普及したGSMなど、携帯電話における当時の新技術をいち早く導入、1990年代にはTele2が強力な競争企業となり独占体制は崩れたが、インターネット・バブル期にTelia ABの株価は高騰、2000年6月にストックホルム証券取引所の取引のほぼ3分の1をTelia ABが占める事態となった[1]。企業買収により1990年代にバルト三国に進出、2000年以降、カザフスタン・ウズベキスタンなど旧ソ連のアジア地域にも進出した[1]。
フィンランドにおける通信事業は、1917年に設立されたSuomen Lennätinlaitos(Finnish Telegraph Agencyの意)の独占体制におかれていたが、1994年に郵便事業をSuomen Posti Oyに分社化、また制度改革で独占体制は終了した。1998年に社名をソネラ(Sonera Oyj)に改称したが、2002年にTelia ABとの合併が浮上し、翌2003年に「テリア・ソネラ」が設立された。
2004年にフランステレコム(現Orange)のデンマーク事業を買収[3]、2008年にフランステレコムは逆にテリア・ソネラの買収を試みたが頓挫した[4]。
2016年4月、社名をTelia Company ABに変更した[5]。民間への株式売却を拡大する審議が行われているが、依然、スウェーデンとフィンランドの両政府が株式の4割前後を保有している。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 “History of Telia Company” (英語). テリア. . 2017閲覧.
- ↑ “Ericsson history” (英語). エリクソン. . 2017閲覧.
- ↑ “TeliaSonera completes Orange Denmark deal” (英語). TeleGeography (2004年10月12日). . 2017閲覧.
- ↑ “$42 Billion French Bid for TeliaSonera” (英語). ニューヨーク・タイムズ (2008年6月6日). . 2017閲覧.
- ↑ “Nu är Telia Sonera ett minne blott” (スウェーデン語). Di.se (2016年4月12日). . 2017閲覧.
外部リンク
- コーポレートサイト(英語)(スウェーデン語)
- 一般利用者向けウェブサイト(スウェーデン)(スウェーデン語)
- 一般利用者向けウェブサイト(フィンランド)(英語)テンプレート:Fi icon(スウェーデン語)