テキサス・インスツルメンツ
テキサス・インスツルメンツ(英: Texas Instruments Inc.、テンプレート:NASDAQ)は、世界的な半導体開発・製造企業。本社はアメリカ・テキサス州ダラス。略称は「TI」。
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概要
1930年に前身である石油探査会社ジオフィジカルサービス(GSI)として米国テキサス州に設立。1951年にGSI社のエレクトロニクス部門を中心に再編成が行われ、テキサス・インスツルメンツ社と改称。1950年に世界初のシリコン型トランジスタを製品化、1954年にI.D.E.A.社とトランジスタラジオを開発、1958年に集積回路を発明、1967年に携帯型IC電卓を発明。1970年にTTL汎用ロジックICとして広く普及する7400型を発表。1973年にマイクロコントローラの特許を取得。その後、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を有する国際的な半導体企業であり、デジタル情報家電、ワイヤレス、ブロードバンド市場に欠かせないデジタル信号処理を行うDSPと、それに関連するアナログIC、マイクロコントローラを主力製品としている。2018年現在、アナログICの世界最大手。
1958年当時TIの研究者であったジャック・キルビーが発明したICについての基本特許の特許権を保有しており、ICが広く普及した1980年代になって日本をはじめとする著名な半導体企業(日本電気 (NEC)、日立製作所、富士通等)に対して高額な実施料を要求、特許侵害訴訟に発展した。これに対し、富士通を除く各社はTIと和解し、多額の実施料を支払うこととなった。
また、自社製ミニコンピュータを使い、ICの発明と共に、アナログ及びディジタルIC(SSI級)用初のICテスターも開発販売した。
他にも家庭用から関数電卓まで各種の電卓を発売している。特に、TI-89 シリーズなどは、大学進学時のSATで使用が許可されているため、学生の間ではSATでの必需品と考えられている。このためグラフ表示対応関数電卓は、アメリカの高校生や大学生の間では非常に普及している。日本では関数電卓については、株式会社ナオコが正規の代理店になっているため保証付きで入手可能。
近年ではプロジェクター、リアプロジェクションテレビ用の映像素子であるDMD(Digital Micromirror Device)を開発し、DLP(Digital Light Processing)プロジェクターの盟主として知られている。米国市場でサムスン電子などがプロジェクターに採用していることでも知られる。
DSPやマイコンなどの主力製品以外にも、汎用ロジックIC 、アンプ、オペアンプ、スイッチ、マルチプレクサ、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、レギュレータ、クロック、IEEE1394コントローラ、RFIDシステム、セキュリティチップ、バスソリューション、コンバータ、各種汎用アプリケーションの開発を行っている。
1997年頃から、ソフトウェア部門をスターリングへ、防衛部門をレイセオンへ、制御機器部門をセンサータへと順次売却を進め、現在これらを作っていない。
2000年9月、米バーブラウン社を76億ドルで買収した。
2011年9月23日、米ナショナル セミコンダクター社(NS)を合併し、シリコンバレー部門とした。
主な製品
電子機器、電子デバイス
- ミニコンピュータ
- サーマルプリンター
- ICテスター
- TMS9918
- TMS320C6000シリーズDSP
- TMS320C5000シリーズDSP
- OMAP (DSP複合プロセッサ)
- DaVinci (ビデオ機器に特化したDSP複合プロセッサ)
- デジタル・マイクロミラー・デバイス(DLP)
- MSP430(低消費電力RISCマイクロプロセッサ)
- SN74シリーズTTL汎用ロジックIC
- TL071,072,074,081,082,084オペアンプ
- NE5532,5534オペアンプ
- TI Burr-Brownシリーズ - オーディオ向けオペアンプ・DAC、合併(2000年)以前のBurr-Brown製品(継続生産・供給)と合併後のオーディオ向けブランドのシリーズがある。
- Speak&Spell
- 電卓
関連項目
- キルビー特許
- TTL汎用ロジックIC
- 感熱紙#歴史、プリントヘッドの発明
- テキサス大学ダラス校、TIの研究機関を前身とする研究型大学
外部リンク
- 日本テキサス・インスツルメンツ(日本語)
- テキサス・インスツルメンツ(英語)