ティッカーシンボル
ティッカーシンボル(Ticker symbol)は、株式市場で上場企業や商品を識別するため付けられる符丁。ニューヨーク証券取引所やNASDAQといったアメリカの証券取引所で用いられている他、カナダやヨーロッパの多くの証券取引所、またアジアにおいてもタイ、シンガポール、インドネシア等多くの取引所で使われている。
1870年代から1970年代まで、リアルタイムの株価情報の取得にはストック・ティッカー・マシン(stock ticker)という装置が使われた。取引時間中、ティッカー・マシンは電信で株式市場からの情報を受信し続け、ティッカー・テープと呼ばれる細長い紙テープに企業名と株価などを高速で印字する(ティッカーとはこの印字の音の擬音語である)。ティッカー・テープには企業名はアルファベット数文字の省略名で印字されたが、これがティッカー・シンボルである。
使用例
ここではアメリカでの使われ方を例に説明する。ティッカーシンボルの多くは会社名を短縮する形で構成されている。かつてはニューヨーク証券取引所では1桁から3桁の文字が使われ、NASDAQ市場では4桁に統一されていた。その為ティッカーシンボルの桁数だけで上場先がどちらの市場か判別できたが、現在は両市場とも1桁から4桁までのシンボルが混用される。また、4桁のティッカーシンボルの企業が2種類の株式を上場しているような特殊な場合は、5桁のティッカーシンボルを使用する場合がある。
日本の証券コードは、廃止になったコードは再利用されず欠番となるが、ティッカーシンボルは企業の合併や破綻による上場廃止により空いたシンボルは、別の企業が使うことができる。例えば「「NYSE: C」はかつてはクライスラーが使用していたが、現在はシティグループが使用している。
桁の少ないティッカーシンボル、特に1桁のシンボルはかつては一流企業の象徴であったが、入れ替え等により、現在では必ずしも桁の少ないシンボルが大企業のものとは言えなくなっている。
ほとんどのティッカーシンボルは企業名を短縮したものであるが、かつて サン・マイクロシステムズ(現在はオラクルに合併されている)が使っていた「JAVA」のように、代表する商品名を使ったものもある。
- ニューヨーク証券取引所
- ナスダック
- その企業が複数の種類の株式を発行している場合は、株式の種類により文字が付加される。
- Alphabet (Googleの持株会社)の「CLASS C株式」(議決権の無い株式)「NASDAQ: GOOG」
- Alphabet (Googleの持株会社)の「CLASS A株式」(議決権の有る株式)「NASDAQ: GOOGL」