チオシアン酸カリウム

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チオシアン酸カリウム
IUPAC名 チオシアン酸カリウム
別名 ロダンカリ
組成式 KSCN
式量 97.18 g/mol
形状 無色結晶
CAS登録番号 [333-20-0]
密度 1.9 g/cm3, 固体
水への溶解度 230 g/100 mL (20 ℃)
融点 173 ℃
沸点 500 ℃(分解)
出典 ICSC 1088

チオシアン酸カリウム(—さん—、potassium thiocyanate)は化学式 KSCN で表される、チオシアン酸カリウム塩である。

性質

常温では潮解性のある結晶性の固体。水に良く溶け、そのときの吸熱によってできる水溶液は非常に冷たくなる。エタノールアセトンにも溶ける。

反応・用途

シアン化カリウムと単体硫黄を溶融するか、チオシアン酸アンモニウム水酸化カリウムを反応させると得られる。

<ce>KCN\ + \tfrac{1}{8}S8 -> KSCN</ce>
<ce>NH4SCN\ + KOH -> KSCN\ + NH4OH</ce>

チオシアン酸アンモニウムは二硫化炭素アンモニアを加圧下で熱することによって合成できる。

<ce>CS2\ + 2 NH3 -> NH4SCN\ + H2S</ce>

3価のイオン (Fe3+) と反応して <ce>[Fe(SCN)(H2O)5]^{2+}</ce> の血赤色溶液を生じるので、その検出に用いられる。

<ce>Fe^{3+}\ + SCN^-\ + 5H2O ->\ [Fe(SCN)(H2O)5]^{2+}</ce>

他の用途として寒剤、殺虫剤や合成樹脂の原料、金属イオンの除去(ピックリング)が挙げられる。

関連項目