タデ科
タデ科(タデか、Polygonaceae)は双子葉植物の科の1つである。
種数の多い属としては、約250種のエリオゴヌム属 Eriogonum 、約200種のギシギシ属 Rumex 、約130種のハマベブドウ属 Cocoloba 、約100種のイヌタデ属 Persicaria がある[2]。かつては300種を有すタデ属 Polygonum s.l. があったが、約8属に分割された[1][3]。
日本には3-12属約70種が自生または帰化する。
特徴
草本または低木(つる性もある)で、北半球の温帯を中心に世界的に分布する。
花は子房上位で放射相称、萼と花弁の区別はなく花被片は4から6個で、花後も宿存して果実を包むものが多い。総状または穂状花序をなす。果実は偏平または3稜形で種子を1個含む。托葉があり、鞘状に茎を抱くものが多いが、広がって本物の葉と同じくらい大きくなるものもある。
系統
タデ科は、葉鞘のあるタデ亜科と葉鞘のない Eriogonoideae の2亜科に分かれ、亜科はそれぞれ数連に分かれる[1][3]。
ただし、より基底的かもしれないが詳細な系統位置は未確定な数属があり[4][2]、新亜科 Symmerioideae が提唱されている[2]。
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タデ科全体は、イソマツ科と姉妹群である[5]。かつてのクロンキスト体系では単独でタデ目としていたが、新しいAPG植物分類体系ではナデシコ目に入れている。
主な属と種
- タデ亜科 Polygonoideae
- Polygoneae
- ミューレンベッキア属 Muehlenbeckia - カンキチク など。
- ソバカズラ属 Fallopia
- イタドリ属 Reynoutria : ツルドクダミ、イタドリ など。
- Atraphaxis
- ミチヤナギ属 Polygonum
- Duma
- Knorringia
- Rumiceae
- Calligoneae
- Fagopyreae
- Persicarieae
- Polygoneae
- Eriogonoideae
- Eriogoneae
- Pterostegieae
- Gymnopodieae
- Triplarieae
- Leptogoneae
- Coccolobeae
- Brunnichieae
- Symmerioideae
古い説などで唱えられていた属
- タデ属 Polygonum s.l. - ソバカズラ属 Fallopia ・イタドリ属 Reynoutria ・ミチヤナギ属 Polygonum (s.s.) ・ソバ属 Fagopyrum ・チシマミチヤナギ属 Koenigia の一部・オンタデ属 Aconogonon ・イブキトラノオ属 Bistorta ・イヌタデ属 Persicaria に相当していた属。多系統であり分割された。
- ミズヒキ属 Antenoron - タデ属ミズヒキ節 sect. Tovara を分割する説。系統的にイヌタデ属内に位置する[6]。
- ツルドクダミ属 Pleuropterus - タデ属ツルドクダミ節 sect. Pleuropterus を分離する節。イタドリ節 sect. Reynoutria と近縁であり、合わせてイタドリ属となる[3]。
- カンキチク属 Homalocladium - カンキチクの単型属。系統的にミューレンベッキア属内に位置する[3]。
利用
最も経済的に重要なものは、穀物のソバである。また野菜・香辛料とされるルバーブやヤナギタデ(普通タデと呼ばれる)、また漢方薬などの薬用にされるダイオウ(大黄)やツルドクダミ(何首烏)がある。
雑草とされるものの中にも、ヨーロッパで野菜とされるスイバや、山菜のイタドリがある。
またミズヒキやタデ類の一部などが観賞用に栽培される。
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 Galasso, G.; Banfi, E.; et al. (2009), “Molecular phylogeny of Polygonum L. s.l. (Polygonoideae, Polygonaceae), focusing on European taxa: preliminary results and systematic considerations based on rbcL plastidial sequence data”, Atti della Società Italiana di Scienze Naturali e del Museo Civico di Storia Naturale di Milano 150: 113–148
- ↑ 2.0 2.1 2.2 引用エラー: 無効な
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タグです。 「Burke
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 Schuster, Tanja M.; Setaro, Sabrina D.; Kron, Kathleen A. (2013), “Age Estimates for the Buckwheat Family Polygonaceae Based on Sequence Data Calibrated by Fossils and with a Focus on the Amphi-Pacific Muehlenbeckia”, PLOS ONE 8 (4): 1, doi:10.1371/journal.pone.0061261
- ↑ 引用エラー: 無効な
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タグです。 「Sanchez
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ Missouri Botanical Garden: Caryophyllales
- ↑ Kim, Sang-Tae; Donoghue, Michael J. (2008), “Molecular phylogeny of Persicaria (Persicarieae, Polygonaceae)”, Systematic Botany 33 (1): 77-86
参考文献
- 佐竹義輔・大井次三郎 『日本の野生植物 草本II離弁花類』 北村四郎他、平凡社〈日本の野生植物〉、東京都千代田区、1982-03(日本語)。ISBN 978-4582535020。