ズウォティ
ポーランド・ズウォティの札 | |
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貨幣単位 | 肖像 |
10 | ミェシュコ1世 |
20 | ボレスワフ1世 |
50 | カジミェシュ3世 |
100 | ヴワディスワフ2世 |
200 | ジグムント1世 |
500 | ヤン3世 |
ポーランド・ズウォティのコイン | |
1, 2, 5 PLN ズウォティ |
ズウォティ(ポーランド語: złoty テンプレート:IPA-pl)は、ポーランドの通貨単位である。ズウォティはポーランド語で「金」を意味し、中世以来金貨の名前として用いられてきた。1ズウォティは100グロシュ。zł または ISO 4217コードに基づくPLN(波: polski nowy, 英: polish new)と表記される。ポーランド国内ではPLN表記が優勢になりつつある。日本ではズロチまたはズオチと呼ぶこともある。
民主化以降の経済の不安定化が一段落し、激しかったインフレーションがバルツェロヴィチ・プラン(「ショック療法」経済政策)の成功により沈静化したことを受けて、1995年1月1日にデノミが実施され、旧10,000zł(PLZ、波: polski złoty、英: polish zloty)が新1zł(PLN)に切り下げられた。
為替レート
為替レートは1zł=約29.0円(2016年5月現在)。近年、ポーランド通貨の対外通貨(ユーロ、ドル、円など)に対する上昇は著しく、以前のようにドイツ人がポーランドに買い物に行くといった現象は見られなくなり、逆にポーランド人が「西側」に買い物に行くという現象が生じている。
2008年半ばから2009年初頭にかけて、折からの世界的な金融危機と同時にポーランドの金融機関を中心とした経済不安が新聞のコラムなどを通じて広まった。ポーランド政府の経済閣僚やポーランド中央銀行の金融政策委員会メンバーがそのような不安説を否定するために具体的な数字を挙げず(まだその当時は各指標は公式発表されていなかった)、簡単なコメントを述べるに終始したため、悪い噂がさらに悪い噂を呼び、ズウォティは投資銀行などの投機家に売り込まれ、ユーロやスイスフランに対して大きく下落した。しかし、1992年のポンド危機の際のイギリスとは異なり、ポーランド政府が財政規律を守り、金融業界にもローンの貸し出し額に関する厳しい規制が設けていた甲斐もあり、ポーランドが欧州連合 (EU) に加盟した2004年の春のレートを割り込むことはなかった。
2009年2月中旬以降は、ポーランドの実体経済や金融機関が健康である事実が客観的指標から明らかになり、ズウォティを狙った投機筋の売り攻勢が収まるとともにズウォティがこれまで過小評価されていたことが注目され、次々に買いが入ったため、相場は急上昇した後にもみ合う展開となっている。
ドナルド・トゥスク首相が率いるポーランド政府は、ユーロやスイスフランなどに対する急激な上昇と下降を繰り返すズウォティのボラティリティの高さは国内の経済に悪影響を与えると発言しており、早期のユーロ導入を目指して2009年前半にはユーロ導入のための準備段階である2年間の欧州為替相場メカニズムIIに入ると見られていた。しかし、その後も各国のソブリン債務不安に伴い、各国通貨との間の相場があまりに急激に上昇と下降を繰り返すため、ポーランド政府はズウォティ/ユーロ相場の恒久的な固定に対する慎重な態度に転換し、欧州為替相場メカニズムIIに入る時期を先延ばししている。