ジョージ・ゴッシェン (初代ゴッシェン子爵)

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初代ゴッシェン子爵ジョージ・ジョアキム・ゴッシェン（ゴーシェン、英語: George Joachim Goschen, 1st Viscount Goschen, PC, DL、1831年8月10日 - 1907年2月7日）は、イギリスの政治家、貴族。

経歴

ファイル:Defence Committee meeting in London.jpg
第三次ソールズベリー侯爵内閣の防衛委員会の会合を描いた絵。左から財相ゴッシェン、首相ソールズベリー侯爵、外相ランズダウン侯爵、枢密院議長デヴォンシャー公爵、庶民院院内総務アーサー・バルフォア

1831年8月10日、貿易商ウィリアム・ヘンリー・ゴッシェンとその妻ヘンリエッタの長男としてシティ・オブ・ロンドンに生まれる[1][2]。

ラグビー校を経てオックスフォード大学オリオル・カレッジへ進学[2][1]。1857年から1865年にかけて父の会社「フリューリング・アンド・ゴッシェン」で共同経営者を務めつつ、1858年から1865年にかけてはイングランド銀行頭取にも就任した[2][1]。

1863年に行われたシティ・オブ・ロンドン選挙区（English版）の補欠選挙（English版）に当選し、自由党所属の庶民院議員となり、1880年までこの選挙区から選出され続ける[2][1]。第二次ラッセル伯爵内閣では商務庁副長官（English版）（在職1865年-1866年）、ついでランカスター公領担当大臣（English版）（在職1866年）を務める[2]。第一次グラッドストン内閣では、救貧法委員会（English版）委員長（在職1868年-1871年）、ついで海軍大臣（English版）（在職1871年-1874年）を務めた[2][1]。

自由党が野党期の1875年11月に保守党政権首相ベンジャミン・ディズレーリがライオネル・ド・ロスチャイルドから多額の手数料と利子の条件で400万ポンドを借りてエジプトのスエズ運河を買収した。これに対して自由党（特にグラッドストン）は1876年2月の庶民院において手数料が巨額すぎると批判したが、ゴッシェンはこの件では自党に与さず、ハーティントン侯爵とともにディズレーリの措置を支持した[3]。さらに1876年秋には外債保有者協会（Association of the Foreign Bondholders）から要請されて、イギリスのエジプト外債保有者の利益をより尊重させるため、エジプトへ赴いている[4]。

1880年の解散総選挙（English版）ではリポン選挙区（English版）に転じて当選を果たした。1885年の解散総選挙（English版）では、エディンバラ・イースト選挙区（English版）から当選した[2][1]。

1886年2月に成立した第三次グラッドストン内閣では、アイルランド自治法案をめぐって自由党が分裂したが、ゴッシェンはアイルランド自治に反対する自由統一党に加わり、自由党を離党した。同年7月、第三次グラッドストン内閣はアイルランド自治法案に失敗して総辞職に追い込まれ、代わって保守党政権の第二次ソールズベリー侯爵内閣が成立したが、ゴッシェンら自由統一党は同内閣に閣外協力の立場をとった[5]。

同年末、財務大臣ランドルフ・チャーチル卿が首相ソールズベリー侯爵と対立を深めて解任され、ゴッシェンがその後任となった。自由統一党は閣外協力を方針としていたため、彼はこれを機に保守党へ移籍している[6][注釈 1]。第二次ソールズベリー侯爵内閣が倒れる1892年8月まで財務大臣に在職した[7]。

その間の1887年にはセントジョージズ・ハノーヴァー・スクウェア選挙区（English版）の補欠選挙（English版）で当選を果たす[1]。

1895年6月の第三次ソールズベリー侯爵内閣では再び海軍大臣に就任し、1900年11月まで務めた[7]。退任間もない12月にゴッシェン子爵に叙せられ、貴族院へ移籍した[8]。

1903年から1907年にかけてはオックスフォード大学学長（English版）を務めた[1]。

1907年2月7日にケント州ホークハースト（English版）の自宅で死去した[2]。

栄典

爵位

その他

家族

1857年にルーシー・ダレーと結婚し、彼女との間に以下の6子を儲ける[1]。

  • 第1子（長女）ルーシー・モード・ゴッシェン閣下（1858年 - 1909年）：1889年にアレクシス・チャールズ・バーク・ロッシュと結婚。
  • 第2子（長男）第2代ゴッシェン子爵ジョージ・ジョアキム・ゴッシェン（English版）（1866年 - 1952年）
  • 第3子（次女）アリス・ゴッシェン閣下（1868年 - 1941年）：尊者エドワード・ハードキャッスルと結婚。
  • 第4子（次男）サー・ウィリアム・ヘンリー・ゴッシェン閣下（1870年 - 1943年）：第3代ゴッシェン子爵ジョン・ゴッシェン（English版）の父
  • 第5子（三女）ベアトリス・メアリー・ゴッシェン閣下（1872年 - 1956年）：結婚せず
  • 第6子（四女）ファニー・イヴェリン・ゴッシェン閣下（1875年 - 1961年）：結婚せず

脚注

注釈

  1. ↑ ランドルフ・チャーチル卿は、自分を解任してゴッシェンを後任にすると聞かされた際に「自分はゴッシェンを忘れていた」と叫んだという[6]。

出典

  1. ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 Lundy, Darryl. “George Joachim Goschen, 1st Viscount Goschen1” (英語). thepeerage.com. . 2014-5-15閲覧.
  2. ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 テンプレート:Venn
  3. ↑ 坂井(1967) p.35
  4. ↑ 坂井(1967) p.94/104
  5. ↑ 神川(2011) p.403
  6. ↑ 6.0 6.1 神川(2011) p.406
  7. ↑ 7.0 7.1 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「秦(2001)510」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  8. ↑ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「HANSARD」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません

参考文献

外部リンク

公職
先代：
サー・ウィリアム・ハット（English版） 		イギリスの旗 商務庁副長官（English版）
財務省主計長官（English版）
1865年 - 1866年 		次代：
ウィリアム・モンセル（English版）
先代：
第4代クラレンドン伯爵 		イギリスの旗 ランカスター公領担当大臣（English版）
1866年 		次代：
第11代デヴォン伯爵（English版）
先代：
ヒュー・チルダース 		イギリスの旗 海軍大臣（English版）
1871年 - 1874年 		次代：
ジョージ・ワード・ハント（English版）
先代：
ランドルフ・チャーチル卿 		イギリスの旗 財務大臣
1887年 - 1892年 		次代：
サー・ウィリアム・ハーコート
先代：
第5代スペンサー伯爵 		イギリスの旗 海軍大臣（English版）
1895年 - 1900年 		次代：
第2代セルボーン伯爵（English版）
無効なパラメータ
先代：
ライオネル・ド・ロスチャイルド男爵
サー・ジェームズ・デューク准男爵（English版）
ロバート・ウィグラム・クロウフォード（English版）
ウェスタン・ウッド（English版） 		シティ・オブ・ロンドン選挙区（English版）選出庶民院議員
1863年（English版） - 1880年
同一選挙区同時当選者
ロバート・ウィグラム・クロウフォード（English版）（1863–1874）
ライオネル・ド・ロスチャイルド男爵（1863-1868）
ウィリアム・ローレンス（English版）（1865-1874）
チャールズ・ベル（1868-1869）
ライオネル・ド・ロスチャイルド男爵（1869-1874）
ウィリアム・コットン（English版）（1874-1880）
フィリップ・トウェルズ（1874-1880）
ジョン・ハバード（English版）（1874-1880） 		次代：
ジョン・ハバード（English版）
ウィリアム・コットン（English版）
ウィリアム・ローレンス（English版）
サー・ロバート・ファウラー（English版）
先代：
ド・グレイ伯爵 		リポン選挙区（English版）選出庶民院議員
1880年（English版） - 1885年 		次代：
ウィリアム・ハーカー（English版）
新設 エディンバラ・イースト選挙区（English版）選出庶民院議員
1885年（English版） - 1886年 		次代：
ロバート・ウォレス（English版）
先代：
アルジャーノン・パーシー卿（English版） 		セントジョージズ・ハノーヴァー・スクウェア選挙区（English版）
選出庶民院議員
1887年（English版） - 1900年 		次代：
ヘニッジ・レッグ
学職
先代：
第9代ロジアン侯爵（English版） 		エディンバラ大学学長（English版）
1890年 - 1893年 		次代：
ロバートソン男爵（English版）
先代：
第3代ソールズベリー侯爵 		23px オックスフォード大学学長（English版）
1903年 – 1907年 		次代：
初代カーゾン・オブ・ケドルストン男爵
イギリスの爵位
新設 初代ゴッシェン子爵
1900年 - 1907年 		次代：
ジョージ・ゴッシェン（English版）


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