サン・アド
株式会社 サン・アド(SUN-AD Co.,Ltd.)は東京都港区北青山に本社を置く、広告制作プロダクションである。1964年創立。日本の洋酒メーカー、サントリーのグループ企業である。
概要・歴史
創業当時からパブリシティに強かったサントリーの宣伝部に所属していた開高健、柳原良平、坂根進、酒井睦雄、山口瞳らがフリーとなり、そこに当時サントリー専務取締役だった佐治敬三、同じくサントリー宣伝部長だった山崎隆夫からの出資を受けるカタチで設立される。
当時から会社を共和主義で運営し、アメリカ直輸入の理論やおためごかしは一切排し、日本人による、日本人のための、日本人の広告をつくることを設立の趣旨に盛り込んで会社がスタートする。
当時自社で刊行していたPR誌「洋酒天国」の編集を発端として、親会社であるサントリーの広告(ハウスエージェンシー)のみならず、さまざまな企業のコピー、グラフィックデザイン、イラストレーションなどを手掛けるというスタンスで、広告の企画・立案・デザインをしている(近年ではカレンダーや製品パッケージ等のプロダクトデザインも多い)。
これまでに仲畑貴志や西村佳也といった大物コピーライターや、葛西薫(現在は同社顧問)や副田高行などのアートディレクターに加え、近年は佐倉康彦などのコピーライター、また野田凪や高井薫などの有名アートディレクター、またTVCMディレクターでは東條忠義、亀井武彦、高橋忠和らが在籍し、有名広告を手掛けていることでも知られる。日本で一番長い歴史を持つ広告制作プロダクション、ライトパブリシティと共に、現在も広告・CM業界で活躍する人材を輩出している名だたる一社でもある。
これまで創立から2008年までは千代田区丸の内に本社を置いていたが、2009年より現在の港区北青山に本社を移している。
サントリーと宣弘社
2002年にサザエさんのスポンサー枠を担当していることで知られる、老舗の広告代理店、宣弘社(1941年創立)をサントリーが買収。主幹の広告部門はサントリー全額出資の新設企業「サン宣弘社」に譲渡、宣広社が抱える月光仮面などの旧作の版権部門については同社に残り「宣弘企画」へ社名変更した。
これにより、サン・アドに加えてサン宣弘社もサントリーグループの広告会社となったが、経営統合せずにそれぞれ独立している。
2003年に電通がサン宣弘社に資本参画(当初15%出資)したことにより、サントリーと電通両社の関連企業となる。2005年4月より「アド・ギア」に社名変更した。この時、サン・アドも15%出資していたが、後に電通が出資比率を35%に高めた為、株主構成は不詳である。
また宣弘企画(旧・宣弘社)も、2008年に月光仮面放映開始50年を期に宣弘社の社名に戻している。