コレラ

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コレラ菌
コレラ病棟(1892年 ハンブルク

コレラ(Cholera、虎列剌

コレラ菌による感染症。旧伝染病予防法法定伝染病の一つで,今日では感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律で 3類感染症に分類される。患者の排泄物など,コレラ菌で汚染されたものから経口感染する。アジアコレラ,エルトールコレラなどに分けられるが,今日ではエルトールコレラが流行の主体。潜伏期は 1~3日で,激しい水様性下痢を主症状とし,脱水症に陥る。治療としては,輸液のほか,抗生物質を投与する。海外渡航者を対象にした予防接種がある。サハラ以南のアフリカや南アジア,特にインドバングラデシュでときおり流行する。旅行者が国外感染して日本にも持ち込まれることもある(輸入感染症)。1883年にロベルト・コッホがコレラ菌を発見し,感染源となる飲料水を汚染から守るなどの対策がとられるようになったが,過去 2世紀の間に 7回の世界的流行があった。日本では「ころり」(虎狼痢)とも称され,安政5(1858)年,1877~79年,1886年などに大流行,1877年以降,さまざまな防疫規則が施行された。

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