コクリコ坂から
コクリコ坂から | |||
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ジャンル | 学園 | ||
漫画 | |||
原作・原案など | 佐山哲郎(原作) | ||
作画 | 高橋千鶴 | ||
出版社 | 講談社 | ||
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掲載誌 | なかよし | ||
レーベル | 講談社コミックスなかよし 角川書店単行本コミックス 角川文庫 | ||
発表号 | 1980年1月号 - 8月号 | ||
発表期間 | 1979年12月 - 1980年7月 | ||
巻数 | 講談社版全2巻 角川版はいずれも全1巻 | ||
映画 | |||
監督 | 宮崎吾朗 | ||
制作 | スタジオジブリ | ||
配給 | 東宝 | ||
封切日 | 2011年7月16日 | ||
上映時間 | 91分 | ||
その他 | アニメ映画参照 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画・アニメ | ||
ポータル | 漫画・アニメ |
『コクリコ坂から』(コクリコざかから、英題:From Up On Poppy Hill)は、佐山哲郎の原作、高橋千鶴の作画による日本の漫画、およびそれを原作としたスタジオジブリ制作のアニメ映画[1]。
Contents
概要
タイトルの「コクリコ」は、フランス語でヒナゲシを意味する。本作の街並みなどの情景は、横浜をイメージして描かれている[2]。
原作漫画は、『なかよし』(講談社)にて1980年1月号から同年8月号まで、全8話が連載された。単行本は同社より全2巻が刊行された。また、2010年に角川書店より新装版、2011年に同社より文庫版が発売された。
スタジオジブリでは、宮崎駿以外の監督経験者は基本的に原作のある作品を題材に映画化している[注釈 1]が、原作のある作品において主人公や重要人物の氏名に著しい変更が行なわれたのは当作のみである[注釈 2]。
あらすじ
乗った船が遭難し、行方不明となった船乗りの父と、仕事のためにアメリカに渡ったカメラマンの母を持つ松崎海は、留守中、松崎家を懸命に切り盛りしていた。
そのころ、海たちが通う港南学園では、新聞部部長の風間俊と生徒会長の水沼史郎が起こす騒動によって、生徒と教師が翻弄されていた。突如として新聞部によって発表される「ミスター・ミス港南」、物理法則をめぐる風間と水沼の賭け、制服廃止運動をめぐる風間と水沼の対立…。こうした一連の騒動を海は冷ややかに見つめていたが、制服廃止運動の敗北の責任を風間が一身に負わされるのを見て、いつしか海は風間を擁護する声を上げるようになる。風間もまたひたむきな海にひかれ、2人は交際を始める。
しかし、ある日、水沼は風間に海と交際しないよう忠告する。水沼が海の母・小松崎虹江の仕事を手伝った際、偶然、海と風間の父親が同一人物であり、2人が異母兄妹であることを知ってしまったのである。水沼からそのことを聞かされた風間は海を傷つけないよう、父親のことを隠して海に別れを告げるが、それでも海のショックは大きく、やけになって不良の広瀬真と交際を始める。広瀬の本性を知る風間は海を放っておけず、広瀬の毒牙にかかりそうになっている海を助けるが、父親のことは話せなかった。
広瀬の魔の手から助けられた帰り道、海は偶然、祖父の小松崎島太郎から海と風間の父親が同一人物だと聞かされ、翌日、風間にことの真偽を確かめる。その際の海と風間のやりとりが広瀬の女友達に聞かれてしまったことで、海と風間が異母兄妹であるという噂が学校内で広まってしまい、海は精神的に追い詰められる。
海はつらい現実から逃避するかのように旅支度を始め、娘の様子を見かねた虹江はことの真相を海に話し始めた。
主な登場人物
小松崎家
アニメ映画版では松崎姓となっている。
- 小松崎 海(こまつざき うみ)
- 港南学園高等部1年(初登場時)。空・陸の姉。母に代わって、料理や裁縫などの家事をこなし小松崎家を切り盛りするしっかり者の少女。真面目な性格で、次々と騒動を起こす風間を当初は嫌っていたが、次第に風間に惹かれていく。下宿人の北斗を慕っていたが、次第に彼に対する思いを妹が兄を慕うような気持と自覚するようになる。風間と交際を始めるが、一方的に風間に別れを告げられ、苦悩する。
- 北斗に「海をフランス語に訳すと、ラ・メール(la merとなる)になる」と教えられ、北斗や友人からはメールがつまってメルと呼ばれている。
- 父が帰ってきても家が分かるように、毎朝、英ユニオンジャックや米星条旗、あるいは仏トリコロールと思しき国旗を掲揚し、家族や下宿人と共に朝礼をするのが日課となっている。なお、映画では国際信号旗のU旗とW旗が掲揚されている。この2字信号は「ご安航を祈る」(I wish you a pleasant voyage.)という意味である[3][4]。
- 小松崎 空(こまつざき そら)
- 海の妹・陸の姉。港南学園生徒。学年を示す具体的な説明はないが、海が2年生に進級した際海の級友から、「空ちゃんも(高等部)1年生になったんだっけ」と言われる描写があり1歳年下であることが解る。
- 異性やダイエットに興味津々な女の子。風間を慕っていたが、海と風間の気持ちを察し、身をひいた。
- アニメ映画では風間に憧れていたが、後に送ってくれた事をきっかけに水沼といい雰囲気になっている。
- 小松崎 陸(こまつざき りく)
- 海・空の弟。港南学園中等部1年(初登場時)。制服廃止運動の際に風間に傾倒し、以後、海と共に最後まで風間を擁護した。アニメ映画では子供っぽい言動が目立ち、家族内での描写に終始している。
- 小松崎 虹江(こまつざき にじえ)
- 海・空・陸の母。カメラマン。無造作に大金を使い、海を困らせる。ストーリー開始時点では、仕事のためにアメリカに渡っていたが、やがて帰国する。近所では美人として有名。アニメ映画では大学の助教授。実家の医業を継ぐのを拒否し、海達の父と駆け落ちした過去を持つ。金使いの粗さなどの描写はない。
- 小松崎 花(こまつざき はな)
- 海・空・陸の母方の祖母。魚嫌いで、海が家計を切り詰めるためにいわしばかりを食卓に出すのに不満を持っている。ウォッカが好き。アニメ映画では威厳ある老婦人で魚嫌いなどの言動はない。
- 小松崎 島太郎(こまつざき しまたろう)
- 海・空・陸の母方の祖父。虹江が海たちの父親と交際するのに反対したため、花と対立して家を追い出され(家が花名義だったため)、現在は海たちと別居している。アニメ映画では全く登場せず、海の会話で母方は曾祖父、祖父と代々医師だったと触れられている程度で故人。
- 北見 北斗(きたみ ほくと)
- 小松崎家に下宿する獣医の卵。海の思いに気づくことなく、帯広の牧場に就職し、海のもとを離れた。港南学園の卒業生で水沼の兄と同期生。
- アニメ映画では女性に変更されており、職業も医師。同級生の水沼の兄も姉に変更されている。学生テストで100点をとったことが描写されている。
港南学園
- 風間 俊(かざま しゅん)
- 港南学園高等部2年(初登場時)。新聞部部長。金太との賭け麻雀で公費を使いこみ、新聞の売り上げでそれを穴埋めするため、水沼と組んで、様々な騒動を起こし、新聞の売り上げを伸ばす自作自演をしていた。かねてから海に好意を抱いており、海が自分を擁護するようになってからはその思いをさらに強くして、海と正式に交際を始める。しかし、水沼からある事実を知らされ、苦悩する。
- 写真屋の子どもだが、自身は写真と関係がない商船大学への進学を希望している。アニメ映画では家はタグボート業をしており、賭け麻雀などの不品行の描写はない。
- 水沼 史郎(みずぬま しろう)
- 港南学園生徒会長。港南学園一の秀才。風間の親友。頭はいいが風間とともに金太との賭けマージャンで公費を使いこみ、風間と共に様々な騒動を起こす。虹江の手伝いをしたときにある事実に気付き、風間と共に苦悩する。実家は料亭。なお、原作ではフルネームは『なかよし』誌面の登場人物紹介にのみ記載されていた。本編中では俊など他のキャラクターから「水沼」「水沼さん」などと呼ばれており、単行本には(KCなかよし版、角川の各版とも)下の名前が示されていない。アニメ映画では風間共々、賭け麻雀などの描写はなく品行方正な人物として描かれている。海と風間の関係の疑惑にも絡まない。
- 広瀬 真(ひろせ まこと)
- 港南学園高等部3年。不良学生で、風間に対して遺恨を持ち、風間に対するあてつけから海を落とそうとする。しかし、広瀬の仲間が広瀬が海に接近した本当の狙いを話しているところを風間に聞かれ、海に強引に迫っているところに駆けつけた風間から一撃を喰らい、失敗する。アニメ映画では登場しない。
その他
- 金太(きんた)
- 英薫女子大学学生。水沼の実家で芸者のアルバイトをしている。港南学園在学中に制服廃止運動を起こし、退学処分となった。海と風間の恋路を応援する。無類の動物好きで家でたくさんのペットを飼っている。本名は安藤響子。アニメ映画では登場しない。
- 広小路 幸子(ひろこうじ さちこ)
- アニメ映画オリジナルキャラクター。海達からは「ヒロさん」と呼ばれている。コクリコ荘に住む油絵を専攻している美大生の女性。21歳。メガネとハネたボブカットが特徴。風間が挙げている返事の旗にいち早く気づいていた[注釈 3]。
- 友子(ともこ)
- アニメ映画オリジナルキャラクター。花が雇った家政婦で、彼女の身の回りの世話の他、海が学校へ行っている間の家事全般を引き受けている。友子のお給金は花が出している。
書誌情報
- 『コクリコ坂から』高橋千鶴(作画)・佐山哲郎(原作)、講談社〈講談社コミックスなかよし〉全2巻
- 1980年9月5日(第1刷)、ISBN 978-4-06-108363-9
- 1980年12月5日(第1刷)、ISBN 978-4-06-108369-1
- 第2巻に、「なかよし」1975年5月増刊号に掲載「ルーディの誕生日」、「なかよし」1980年9月号に掲載「ばくばくカバンと可愛ちゃん」を同時収録。
- 新装版『コクリコ坂から』 角川書店(全1巻)、2010年7月10日 ISBN 978-4048545143
- スタジオジブリ企画・編集『コクリコ坂から』角川文庫、2011年6月 ISBN 978-4043944446、解説宮崎吾朗
- 宮崎駿・丹羽圭子『脚本 コクリコ坂から』角川書店、および角川文庫、各・2011年6月 ISBN 978-4043944453
- ニュータイプ編『コクリコ坂から ビジュアルガイド』角川書店、2011年7月 ISBN 978-4048546539
- スタジオジブリ編『コクリコ坂から ジブリの教科書17』文藝春秋〈文春ジブリ文庫〉、2018年2月 ISBN 978-4168120169
アニメ映画
コクリコ坂から | |
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From Up On Poppy Hill | |
監督 | 宮崎吾朗 |
脚本 |
宮崎駿 丹羽圭子 |
製作 |
宮崎駿 鈴木敏夫 |
出演者 |
長澤まさみ 岡田准一 |
音楽 | 武部聡志 |
主題歌 |
手嶌葵 「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」 |
制作会社 | スタジオジブリ |
製作会社 |
日本テレビ 電通 博報堂DYMP ディズニー ディーライツ 東宝 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2011年7月16日 |
上映時間 | 91分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 44.6億円 |
2011年7月16日より、全国東宝系にて公開された。『ゲド戦記』に続く宮崎吾朗監督作品の第2作である。
キャッチコピーは、上を向いて歩こう。
あらすじ
1963年(昭和38年)、初夏の横浜。女子高生の松崎海は、海の見える丘に建つ"コクリコ荘"を切り盛りしている。海は、朝鮮戦争で機雷に触れて亡くなった船乗りの父を偲んで毎朝庭に旗を上げていたが、高校の学級新聞に"旗を上げる少女"の詩が匿名で掲載されると、それが自分のことではないかと胸をときめかせる。
海の高校には、男子文化部の部室棟“カルチェラタン”があり、老朽化による取り壊しの是非が論争になっていた。海は、取り壊し反対の論陣を学級新聞で張っている風間俊と知り合い、二人は淡い恋心を抱くようになる。俊に協力したいと思った海が、カルチェラタンの大掃除を提案すると、高校では女子生徒達をも巻き込んだ一大掃除作戦が始まる。
ところが、コクリコ荘に下宿していた北斗の送迎パーティで、亡くなった父が友人2人と撮った写真を俊に見せてからというもの、俊は急によそよそしくなってしまう。海が問いただすと、海の父は俊の父と同一人物であり、戸籍を調べたところ、自分たちが兄妹であることが分かったのだという。俊も又、自分の父のものだという同じ写真を持っていたのである。今まで通り、ただの友達でいようと告げられた海は、深く落ち込んでしまう。
やがてカルチェラタンの大掃除が進むと、取り壊しに賛成していた生徒達までもが保存を望むようになる。しかし、学校側はそれを意に介することなく、取り壊しを決定する。生徒会長の水沼と共に海と俊は生徒の代表として東京に赴き、学校の理事長に直談判して、綺麗になったカルチェラタンを見学してもらう約束を取り付ける。その帰り道に、例の詩の作者が俊であったことを海は知る。海は気づいていなかったが、俊は毎朝コクリコ荘の前を養父のタグボート船で通っており、海の旗に応答する旗を船に上げていたのだ。たとえ兄妹でも、俊のことがずっと好きだと海が告白すると、俊も海が好きだと答える。
海が帰宅すると、アメリカから帰国したばかりの母が待っていた。母によれば、俊は海の兄ではなく、引き揚げ船の事故で亡くなった友人の立花(写真に写っている友人のうちの一人)から父が引き取ってきた子だという。立花の妻は俊を産んで急逝しており、親戚も皆ピカドンで亡くなっていた為に身寄りの無くなった俊を、父は自分の子として役所に届け出た。しかし、当時海を身ごもったばかりの両親にも俊を育てる余裕は無く、父の知り合いである俊の養親に譲り渡していたのだ。それを聞かされた海は、母の胸で泣き続ける。
翌日、約束通りにカルチェラタンを訪問した理事長は、生徒たちに共感してカルチェラタンの保存を約束する。喜びに沸く学校に、俊の養父から俊の生い立ちを知っているという人物が近くに来ているという連絡が入り、海と俊は港の大型船に駆けつける。大型船の船長を務めるその人物とは、海の父と俊の父のかつての親友で、写真に写っていた三人目の人物、小野寺善雄だった。小野寺から詳細を聞かされた二人は笑顔で肩を並べる。
そして翌朝、海は今日もいつもの様に旗を上げる。今度は父親だけでなく、俊も船の上から見ている事を願いながら・・・・
声の出演
- 松崎 海 - 長澤まさみ[注釈 4](幼少期 - 渡邉葵)
- 松崎 花 - 竹下景子
- 松崎 空 - 白石晴香
- 松崎 陸 - 小林翼
- 松崎 良子 - 風吹ジュン
- 風間 俊 - 岡田准一(V6/Coming Century)[注釈 5]
- 風間 明雄 - 大森南朋
- 北斗 美樹 - 石田ゆり子
- 広小路 幸子 - 柊瑠美
- 小野寺 善雄 - 内藤剛志
- 水沼 史郎 - 風間俊介[注釈 6][注釈 7]
- 徳丸理事長 - 香川照之
- 悠子 - 手嶌葵
- 信子 - 冠野智美
- 全校討論会壇上の発言者 - 桝太一
- 徳丸ビル受付係 - 藤巻直哉
- 徳丸理事長の秘書 - 伊藤綾子
- その他の声優 - 村山喜彦、菅谷大介、藤田大介、増岡裕子、蟹江一平、石田圭祐、金沢映子、藤側宏大、清水圭吾、木津誠之、西岡野人、柳橋朋典、亀田佳明、斉藤祐一、吉澤宙彦、植田真介、城全能成、寺尾たかひろ、嶋田翔平、田中宏樹、反田孝幸、上川路啓志、原田大輔、高塚慎太郎、加藤満、玉野井直樹、粟野史浩、松尾勝久、佐川和正、神野崇、茶花健太、前田一世、宮下ともみ、下池沙知、金松彩夏、館めぐみ、坂田真裕子、杉浦慶子、菊池啓介、木山廉彬、永尾斎、國松卓、佐藤俊介、酒井扇治郎、翠真平、橘洋司、相馬一貴、千葉勇佑、櫨山俊介、石黒光、藤井和馬、真鍋良彦、諸岡貴人
スタッフ
- 原作 - 高橋千鶴、佐山哲郎『コクリコ坂から』(角川書店刊)
- 監督 - 宮崎吾朗
- 企画 - 宮崎駿
- 脚本 - 宮崎駿、丹羽圭子
- 音楽 - 武部聡志(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
- キャラクターデザイン - 近藤勝也
- 作画監督 - 山形厚史、廣田俊輔、高坂希太郎、稲村武志、山下明彦
- 美術監督 - 吉田昇、大場加門、髙松洋平、大森崇
- 撮影監督 - 奥井敦
- 音響監督・整音 - 笠松広司
- 動画検査 - 斉藤昌哉
- 色指定 - 森奈緒美、高栁加奈子
- アフレコ演出 - 木村絵理子
- 録音 - 名倉靖
- フォーリー - 山口美佳
- 効果助手 - 松長芳樹、千本洋
- 編集 - 瀬山武司
- 制作担当 - 古城環
- 制作デスク - 伊藤郷平、吉川俊夫
- 制作進行 - 居村健治、三吉弓子、坂本太夫、渋谷美音、橋本綾
- 演出助手 - 仲澤慎太郎、清川良介
- プロデューサー - 鈴木敏夫
- 製作 - スタジオジブリ、日本テレビ放送網、電通、博報堂DYメディアパートナーズ、ウォルト・ディズニー・ジャパン、ディーライツ、東宝
- 特別協賛 - KDDI
- 特別協力 - ローソン、読売新聞
- 制作 - スタジオジブリ
- 配給 - 東宝
主題歌
- 「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」
- 作詞 - 万里村ゆき子 / 作曲 - 坂田晃一 / 編曲 - 武部聡志 / 歌 - 手嶌葵(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
- オリジナルは、森山良子が歌っており、1976年4月から6月に読売テレビ・日本テレビ系で放送された同名のテレビドラマの主題歌だった[5]。
挿入歌
製作に至るまでの経緯
製作発表から何十年も前に、宮崎駿の山小屋に姪や甥が遊びにきていて、少女漫画雑誌が置いてあり、その中に載っていた漫画を気に入った駿は、遊びにきてた友達の押井守、庵野秀明と漫画を読んで映画になるか激論したり、長年映画化を検討していた[6][7][8]。そして前作『借りぐらしのアリエッティ』製作中に正式に映画化されることが決定した。
スタジオジブリ経営5ヵ年計画における若手の登用を目的とした『借りぐらしのアリエッティ』に次ぐ第2作であり[6]、本作の監督は駿の長男・宮崎吾朗が起用された。宮崎駿、高畑勲以外の人物が、スタジオジブリの映画として2作目の監督作品を製作するのは、本作が初めてとなった。『ゲド戦記』で吾朗が監督に起用されたことに反対していた駿は「1本作ったら、もう映画監督。どうしていくかは自分次第だ」と発言している。
担当声優は過去にもジブリ作品で声をあてた者が多く起用されている[注釈 9]。
作品解説
原作からの主な変更点
主要登場人物の設定や主題は原作を踏襲しているが、プロットや物語の提示方法など演出は大幅に改編され、独自の作品となっている。
- 映画版のオリジナル要素として、高校の文化部部室棟「カルチェラタン」が登場。俊と水沼は、取り壊しが予定されているカルチェラタンを守るために奔走している。海はカルチェラタンの良さを生徒達に伝えるための大掃除を提案し、それを通じて俊と接近するなど、映画版のストーリーはこの保存運動を軸として、大きく再構成されている。
- 映画版の時代設定は1963年5月-6月となっている。学年をまたがないため、俊は最初から高3、海は高2、空は高1である。
- 制服はブレザーからセーラー服に変更。
- 主人公の姓を「小松崎」から「松崎」に変更[9][10]。
- 下宿人「北見北斗」の名前が「北斗美樹」に、性別が男から女に、職業も獣医師から医師に変更。
- 主人公の母の名前「小松崎虹江」が「松崎良子」に、職業も「カメラマン」から「大学助教授(英米文学者)」に変更。
- 賭け麻雀の設定はカット。
- 出生に関する疑惑は、父親の写真として海が見せた写真が、俊の持っているものと同じだったことから発覚する。
- 祖父の島太郎は死亡している設定となっているほか、登場人物がかなり整理されている。
公開
日本全国457スクリーンで公開され、2011年7月16-18日の初日3日間で興収約5億8700万円、動員約45万人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位[11]、最終興収は2011年度興行収入邦画第1位の44.6億円を記録した[12]。
フランスでは2012年1月11日に公開。初日で約1400人の動員を集め、同日公開作品の2位となるスタートになった[13]。
受賞
- 第35回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞[14]。
- 第29回ゴールデングロス賞 日本映画部門 優秀銀賞
テレビ放送
2011年8月9日にNHK総合で映画製作裏側を取り扱ったドキュメンタリー『ふたりコクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜』を放送[15]。
2013年1月11日、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』にてテレビ初放送。視聴率は13.0%を記録(ビデオリサーチ調べ)。
テレビ放送の視聴率
回数 | 放送日時 | 視聴率 |
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1 | 2013年 | 1月11日13.0% |
2 | 2016年 | 8月12日9.6% |
ソフト
2012年6月20日に発売されたBlu-ray『ジブリがいっぱいCOLLECTION コクリコ坂から 横浜特別版』(特典DVD、横浜ガイドマップ付初回限定版)は、初週2.1万枚を売上げ、2012年7月2日付オリコン週間BDランキング総合首位を獲得している[16]。ジブリ映画のBlu-rayとしては『借りぐらしのアリエッティ』(3.7万枚)に次ぐ歴代2位の記録となる。また同時発売となったDVDも、DVD通常盤も2.8万枚で総合2位、DVD横浜特別版が2.3万枚で総合3位となり、いずれも上位3位以内を記録した。
注釈
- ↑ 唯一の例外は高畑勲監督作品『平成狸合戦ぽんぽこ』であり、この作品は高畑自身の原作作品である。
- ↑ わずかな設定変更としては『猫の恩返し』で主人公の「吉岡晴」の表記が映画では「吉岡ハル」に、猫王(みょうおう)の読みが映画では「ねこおう」に、それぞれ変更された前例がある。
- ↑ ただし、原作にも脇役として広小路姓の女性下宿人が出てくる。「広小路さん」と呼ばれており、フルネームは判明せず、美大生という描写は無い。
- ↑ 長澤は初日舞台挨拶の司会進行も担当。前作『借りぐらしのアリエッティ』までは初日舞台挨拶の司会進行は日本テレビアナウンサーが担当していた。スタジオジブリ作品に限らず、主演を務めた出演者自身が司会進行を担当する事例は珍しい。なお、彼女が司会進行を務めたのは鈴木敏夫からの要請による。
- ↑ 海の父親である澤村雄一郎の声も岡田准一が当てているが、公式には発表されていない。
- ↑ 澤村雄一郎の親友、立花洋の声も風間俊介が当てているが、公式には発表されていない。
- ↑ 初日舞台挨拶の際、登場人物の一人である風間俊と氏名が似通っていることから「風間俊・介です」などと面白おかしく自己紹介し、その他の壇上者も「風間俊・介さん」などと便乗して語る一幕があった。
- ↑ 本作は横浜市を舞台としているが、作詞・作曲を担当した谷山は横浜市出身である。
- ↑ 松崎海役の長澤まさみはジブリ初出演。
出典
- ↑ “ジブリ新作は少女漫画原作の「コクリコ坂から」 監督は宮崎吾朗”. MSN産経ニュース. 産業経済新聞社. 2010年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2010テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ はまれぽ.com. “映画「コクリコ坂から」の上映に合わせたイベントとは?[はまれぽ.com -]”. . 2013年12月11日閲覧.
- ↑ 信号旗「ご安航を祈る」
- ↑ [1] INTERNATIONAL CODE OF SIGNALS, FOR VISUAL, SOUND, AND RADIO COMMUNICATIONS, UNITED STATES EDITION, 1969 Edition(Revised 2003),NATIONAL IMAGERY AND MAPPING AGENCY p.89 UW = "I wish you a pleasant voyage."
- ↑ “さよならの夏 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース (2012年1月19日). . 2011テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 “宮崎駿監督、「コクリコ坂から」吾朗監督に「映画監督は2本目が大事」”. 映画.com. . 2011テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ “ジブリ最新作『コクリコ坂から』、実は『耳をすませば』の対抗馬だった!”. Walkerplus. . 2011テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ ラジオ版 学問ノススメ 宮崎吾朗 [2011/07/17放送]より
- ↑ “コクリコ坂から (漫画)”. マンガペディア. VOYAGE GROUP. . 2016閲覧.
- ↑ “キャラクターと声の出演”. 映画『コクリコ坂から』公式サイト. スタジオジブリ/日本テレビ/他. . 2016閲覧.
- ↑ “映画興行成績 : 「ハリー・ポッター」完結編が堂々の初登場首位 2位は「ポケモン」最新2作”. 映画.com (2011年7月20日). 2012年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2011テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ テンプレート:映連興行収入
- ↑ “パリで公開された「コクリコ坂から」、 フランスのオタクたちの注目は?”. 映画.com (2012年1月19日). . 2012テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ “第35回日本アカデミー賞優秀賞発表!”. MSN産経ニュース. 日本アカデミー賞公式サイト. . 2012テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ “父・宮崎駿と息子・宮崎吾朗の激闘!10か月にわたる父子の戦いを追う『コクリコ坂から』制作の裏側に密着!”. シネマトゥデイ. . 2011テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
- ↑ “【オリコン】『コクリコ坂から』、BD総合1位獲得”. ORICON STYLE. オリコン (2012年6月27日04:00). . 2012テンプレート:Date-time separatorテンプレート:Time閲覧.
関連項目
外部リンク
- 「スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI」公式サイト
- 映画公式サイト
- コクリコ坂から - allcinema
- コクリコ坂から - KINENOTE
- コクリコ坂から - 金曜ロードSHOW!(2013年1月11日放送分)
テンプレート:スタジオジブリ テンプレート:日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞 テンプレート:オリコン週間BD総合チャート第1位 2012年 テンプレート:オリコン週間DVDアニメチャート第1位 2012年