コアジサシ
コアジサシ(小鯵刺、学名:Sterna albifrons)は、チドリ目カモメ科に分類される鳥。
Contents
形態
全長は24 cm[1]、ツグミやヒヨドリと同じくらいの大きさでアジサシよりも小さい。翼開長は約53 cm[1]。翼と尾羽がツバメのように細くとがっていて、嘴もまっすぐのびる。
夏羽では頭は黒く、額、のど、腹が白、他の体の部分はうすい灰色で、嘴は黄色、脚はだいだい色。 冬羽では嘴と脚が黒くなり、額の白い部分が拡がる。
分布
ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、アフリカからオーストラリアにかけての沿岸部で越冬する。またカリブ海沿岸域やハワイ諸島にも分布している。
日本では本州以南に夏鳥として渡ってきて繁殖するが、繁殖地となる場所の減少にともない数が減っている。また、カラスによる捕食も個体数減少の一因とされ、東京都ではカラスの撃退に一役買うというミツバチの箱を設置することを決めている。
生態
海岸や川などの水辺に生息し、狙いをつけて水にダイビングして魚をとらえる。その様子から鯵刺(あじさし)の名前がつけられたと思われる。同様の理由から鮎鷹(あゆたか)の異称も。狙いをつけるときには短時間ながらホバリング(停空飛行)をすることもある。
繁殖前にはオスがメスへ獲物をプレゼントする「求愛給餌」がみられる。巣は川原、砂浜、埋立地などに集団繁殖地(コロニー)を作って外敵の侵入に備える。地面にくぼみを作って2、3個の卵を産む。卵とヒナはまだらもようで石ころと区別がつきにくくなっている。
- Sterna albifrons in flight.JPG
上空を旋回する様子
- Koajisashi 05a2432s.jpg
停空飛翔する様子(夏羽)
- Sterna albifrons captured fish.JPG
上空から真下にダイビングして小魚を捕獲した様子
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[2]。
日本の環境省により、レッドリストの危急種(VU)の指定を受けている[3]。日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[4]。
- 絶滅寸前または絶滅危惧種(絶滅危惧I類、CRまたはEN) - 青森県、福島県、千葉県、神奈川県、石川県、福井県、鳥取県、岡山県、広島県、香川県、鹿児島県
- 絶滅危惧種(EN) - 山形県、埼玉県、長野県、静岡県、三重県、和歌山県、愛媛県、高知県、長崎県、大分県
- 危急種(VU) - 宮城県、秋田県、栃木県、東京都、富山県、岐阜県、京都府、大阪府、奈良県、島根県、山口県、徳島県、福岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県
- 準絶滅危惧(NT) - 茨城県、群馬県、新潟県、山梨県、愛知県、滋賀県、兵庫県、宮崎県
- その他 - 岩手県
Sibley分類体系上の位置
Clements鳥類分類
自治体指定の鳥
日本の以下の自治体の指定の鳥である。括弧表記はかつて存在していた自治体。
県
- 神奈川県
市
町
- 横芝光町 - 千葉県
村
- (吉川村) - 高知県
脚注
- ↑ 1.0 1.1 ひと目でわかる野鳥 (2010)、212頁
- ↑ 引用エラー: 無効な
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タグです。 「IUCN
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “絶滅危惧情報(コアジサシ)”. 環境省. . 2012閲覧.
- ↑ 引用エラー: 無効な
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タグです。 「jpnrdb
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
参考文献
- 『ひと目でわかる野鳥』 中川雄三(監修)、成美堂出版、2010-01。ISBN 978-4415305325。
関連項目
外部リンク
- 絶滅危惧種情報 コアジサシ(生物多様性センター)
- NPO法人 リトルターン・プロジェクト(ブログ) - 東京都森ヶ崎水再生センターの屋上にあるコアジサシ営巣地の様子を随時報告している。