ケルヒャー

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ケルヒャー(Alfred Kärcher GmbH & Co. KG、Kärcher)は、ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州ヴィンネンデンに本拠を置く、清掃システム・機器を販売製造する会社、ならびに同社が製造販売する製品のブランドメーカーである。

概要

発明家のアルフレート・ケルヒャー(Alfred Kärcher, 1901年 - 1959年)によって1935年に設立された。

現在では、欧州だけでなくアメリカおよび中南米アフリカオセアニアアジア諸国東南アジア南アジア西南アジアを含む)などにグローバル発展を目指して、事業を拡大している。

日本法人は1988年に設立された「ケルヒャー ジャパン」で、日本においては高圧洗浄機やスチームクリーナー、窓用バキュームクリーナーが有名である。ホームセンター、家電量販店への家庭用品ルートと業務用品ルートに分かれている。家庭用品の市場シェアは65%である。 その日本法人、ケルヒャージャパンが2018年に誕生30周年を迎えた。

社史

ドイツ・ヴュルテンブルク地方で生まれたアルフレート・ケルヒャーは、1935年バート・カンシュタットに会社を創立し、当初は航空機エンジン用ヒーター等を製造した。1950年にヨーロッパ初の高温高圧洗浄機DS 350を開発し、特許を取得。1959年にアルフレッドが急逝したあとは妻イレーネが会社経営を引き継いだ。

1974年に企業カラーをブルーからイエローに一新し、事業を社の中核事業である高圧洗浄機に集中、1984年には初の家庭用高圧洗浄機HD 555を発売した。その後製品ラインナップを拡大し、現在では清掃に関わるほぼすべての分野に展開している(スイーパー、洗浄剤、床洗浄機、乾湿両用クリーナー、ドライクリーナー、コードレスクリーナー、スチームクリーナー、ドライアイスブラスター、産業用バキュームクリーナー、モバイルウォータージェット、シティクリーナー、部品洗浄機、水処理システム、洗車機、廃水リサイクルシステム)。

2013年には業務用製品のカラーをアンスラサイトグレーに変更している。2013年現在60か国に100の子会社を持ち、業務用・家庭用の清掃機器を販売している。

日本では、ケルヒャー ジャパン株式会社が18番目の現地法人として1988年に設立された。1994年、宮城県黒川郡大和町に本社社屋・工場を新築し、本社を移転した。国内には15の販売・サービス拠点を開設している。

業務用製品は主に、工場、ビルメンテナンス業、ホテル・レストラン業、食品製造・加工業、公共施設、自動車業、農畜産業、建築土木業などで使用されており、家庭用製品は高圧洗浄、ホームクリーニング、ガーデニングでの使用を中心としている。

2018年、同社の日本法人のケルヒャージャパンが誕生30周年を迎え、それを記念したキャンペーンを現在実施中。

日本で販売されている主な製品

  • 家庭用製品
    • 高圧洗浄機
    • スチームクリーナー
    • 乾湿両用クリーナー
    • 窓用バキュームクリーナー
    • ペット専用クリーナー
    • スイーパー
  • 業務用製品
    • 高圧洗浄機
    • 超高圧洗浄機
    • 各種クリーナー
    • 床洗浄機
    • スイーパー
    • ドライアイスブラスター
    • モバイルウォータージェット
    • シティクリーナー
    • 産業用バキュームクリーナー
    • カーペットケア専用機

社会貢献活動

ケルヒャーでは社会貢献活動の一環としてクリーニングプロジェクトを実施しており、これまでに世界各国で90件以上の建造物の再生・洗浄作業を手掛けてきた。日本では2000年7月に広島平和記念公園の9体のモニュメントの洗浄、2008年7月に松田川ダム(栃木県足利市の松田川)の壁面をキャンバスに高圧洗浄機で汚れを落とすことで絵を描くエコ・アートプロジェクトを行った。2010年11〜12月には国の重要文化財である日本橋を洗浄した。これは2011年4月の日本橋架橋100周年に合わせて行われた。その他の活動として、SOS子供の村のパートナー、国連グローバル・コンパクトのメンバーとなっている。

クリーニングプロジェクトの主な活動実績

ブランド名の動詞化

ドイツイギリスフランスポーランドジョージアメキシコアメリカなどの国では、「高圧洗浄機で洗うこと」の同義語として「ケルヒャー」が口語的に使用されている。

その一例として、フランスの政治家ニコラ・サルコジによる発言があげられる。サルコジは、少年が流れ弾に当たり死亡する事件が起きたパリ郊外のラ・クールヌーヴについて「ケルヒャーで洗浄されるだろう」と宣言した。これは全ての犯罪者や社会的に好ましくないものは排除し、洗い流されるべきだ、ということを意味している。多くのフランス国民が、郊外から移民(特に北アフリカ系)を連想したため、この発言は物議を醸した。

サルコジのこの発言をきっかけに、「ケルヒャーする」は動詞として使用されるようになった。大統領選挙の候補者であったジャン=マリー・ル・ペンは、大半を移民が占めるアルジャントゥイユの住民に向けて「あなた方をケルヒャーしたい、排除したい人がいるようだが、私たちはあなた方がゲットーから抜け出すのを助けたい」と発言した。これを受け、ケルヒャーのフランス法人は2007年大統領選の全ての候補者宛てに、会社名をそのような意味で使用することを止めるようにとの書状を出し、新聞にはケルヒャー社としてその発言に一切関係がない旨の広告を掲載した。

参照

関連項目

  • ジャパネットたかた - 同社の家庭用の高圧洗浄機やスチームクリーナーなどを販売しており、ジャパネットオリジナルモデルもある。
  • 楽天市場 - ケルヒャー直営のオンラインショップがある。
  • Yahoo!ショッピング - ケルヒャー直営のオンラインショップがある。

脚注

提供番組

外部リンク

※URL表記ではウムラウトでのダイアクリティカルマークが使えないため、『ä』を『ae』で代替表記した綴りを用いている。

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