ギリシア
ギリシャ共和国(ギリシャきょうわこく、ギリシャ語: Ελληνική Δημοκρατία)
面積 13万1957km2
人口 1089万3000(2013推計)
首都 アテネ
ヨーロッパ南東部にある共和国。地中海東部に突出するバルカン半島の南部を中心に,クレタ島をはじめとするエーゲ海諸島,およびイオニア諸島からなり,北はアルバニア,マケドニア,ブルガリア,東はトルコと国境を接する。地形は全体に山がちで,国土の約 4分の3を山地が占め,バルカン半島部の西寄りを北北西-南南東方向に連なるピンドス山脈が脊梁山脈をなす。最高点はオリンボス山の 2917m。ストルマ川,アクシオス川,ピニオス川などの流域に比較的広い平野がある。基本的には温帯冬雨気候(地中海式気候)に属し,夏は乾燥し,雨はおもに冬に降るが,複雑な地形の影響で地域差が大きい。住民の 90%以上はギリシア人で,ほかにマケドニア人,トルコ人,アルバニア人,ロムなどが住む。ギリシア正教が国教に定められ,住民のほとんどすべてがこれに属する。言語は従来,公文書,議会,法廷などの公式用語としてはカサレブサと呼ばれる現代ギリシア語文語が用いられてきたが,1976年にディモティキと呼ばれる口語を主とした標準現代ギリシア語が公用語となった(ギリシア語)。1973年6月,6年間続いた軍事政権に終止符が打たれ,共和制へ移行。立憲君主制への復帰が国民投票で否決されたのち,1975年6月大統領を国家元首とする議会民主制を定めた新しい共和国憲法が公布された。1981年ヨーロッパ連合 EUの前身であるヨーロッパ共同体 ECに加盟。同年 10月社会主義政権が誕生したが,1989年6月議会選挙で敗北し,保守政権が誕生。伝統的に農業国だったが,2009年の農林水産業従事者は 52万人で,食糧自給は達成されておらず,国内総生産 GDPに占める割合も 2.8%にすぎない。主要作物はコムギ,オオムギ,トウモロコシ,タバコ,テンサイ,トマト,各種果樹。牧畜はヒツジ,ヤギの飼育が中心。鉱業生産の半分以上は褐炭により,ほかに鉄鉱,マグネシウム鉱,亜鉛などの採掘が盛んで,近年ボーキサイト,石油,天然ガス生産が増加。主要工業は食品,繊維,化学,鉄鋼,アルミニウム,造船,石油精製などであるが,アテネ,セサロニキに集中して立地するため,政府は他地域の工業化を推進した。交通・宿泊施設の拡充に伴って 1970年代半ば以降に観光業が急成長,2011年の観光収入は約 148億ドルに達し,重要な産業となっている。世界的海運国として,海運業も重要。2010年に財政が著しく悪化,EUと国際通貨基金 IMFの支援を受けた。北大西洋条約機構 NATO加盟国。(ギリシア史)