キャリー・フィッシャー
キャリー・フランシス・フィッシャー(英: Carrie Frances Fisher、1956年10月21日 - 2016年12月27日)は、アメリカ合衆国の女優、映画脚本家。カリフォルニア州ビバリーヒルズ出身。
来歴
父親は歌手のエディ・フィッシャー、母親は女優のデビー・レイノルズ。父方の祖父がロシア系ユダヤ人移民である。
最も知られている出演作は、レイア・オーガナを演じた『スター・ウォーズ・シリーズ』旧3部作(エピソード4-6)。1983年にポール・サイモンと結婚するが、わずか1年で離婚している。その後、1991年にブライアン・ラードと再婚し、娘であるビリー・ラードを出産したが1994年に離婚した。
女優業以外にも、映画のスクリプト・ドクター(脚本監修)や、グラミー賞授賞式の脚本家など、映画業界の裏方としても活躍している。
1978年に、母親との関係を描いた自伝「崖っぷちからのはがき」を発表しており、1990年には自らの脚本により『ハリウッドにくちづけ』として映画化され、シャーリー・マクレーンとメリル・ストリープが母娘を演じた。
2015年公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では約30年ぶりにレイアを演じた(同作品では娘のビリー・ラードもカメオ出演している)。2016年12月公開の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にもコンピューター・グラフィックスとアーカイブ映像を駆使して『エピソード4』出演当時の姿で登場している。
2018年には、デビーとキャリーをあつかったテレビのドキュメンタリー「キャリー・フィッシャー ~星になった母娘~」(BRIGHT LIGHTS: STARRING CARRIE FISHER AND DEBBIE REYNOLDS)がHBOで放送された。
心臓発作により死去
2016年12月23日、ロンドンからロサンゼルスへ向かう飛行機内で心臓発作を起こし、到着したロサンゼルスの病院に緊急入院した。一時は一命を取り留め安定したと伝えられたが、12月27日、容態が急変し死去したと広報担当が明らかにした。60歳没[1]。翌28日には母のデビー・レイノルズも死去した[2]。
2017年12月公開の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(死去当時は副題未公表で『エピソード8』として報じられた)にレイア・オーガナ役で出演[3]、これが遺作となる[4]。
2017年6月19日、キャリー・フィッシャーの遺体を検視した結果、その体内からは大量のアルコールと共に、コカインやMDMAなどといった薬物が検出された。検視によると、発作までの3日間、コカインを摂取していたことが判明している[5]。
その死によりスター・ウォーズシリーズ新作への出演は不可能になったかと思われたが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』撮影時の未使用シーンを利用することでエピソード9に登場することが決定した[6]。
エピソード
『スター・ウォーズ』のレイア姫にキャストされたのは、「有名人の娘で、他人に命令することに慣れている」のを、ジョージ・ルーカスが気に入ったためだった。なおレイア姫役のオーディションで候補として最後まで残っていたのは、彼女とジョディ・フォスターの2人であった。なお、撮影当時は妻子持ちであった主役のハリソン・フォードと秘密の恋の関係であったと後に述べている[7]。
『スター・ウォーズ』での成功後、その成功によるプレッシャーもあり、『ブルース・ブラザース』で共演し、友人であったジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドらとドラッグに溺れていた。のちに回復し、その体験を自伝『崖っぷちからのはがき』[8]として著したが、これは『ハリウッドにくちづけ』として映画化されている。
『スクリーム3』に撮影所の資料室の管理人役で出演した。芸能リポーターと女優役の2人に「レイア姫に似ている」と言われるが、「違う」と言い、「レイア姫のテストを受けたが、合格したのはジョージ・ルーカス(監督)と寝た女」と答えている。この発言からフィッシャーを疎ましく思っていた熱狂的な『スター・ウォーズ』ファンも多く、フィッシャーの死はインターネット上でのフィッシャーに対する憤りを真に受けた偏執的な『スター・ウォーズ』ファンによる暗殺ではないかという説もある[9]。
作品
- シャンプー(1975年) - ローナ
- スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年) - レイア・オーガナ
- ポールとマニー・もうひとつの青春[10](1978年) - マーニー・クラークソン
- スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年) - レイア・オーガナ
- ブルース・ブラザース(1980年) - 謎の女
- スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年) - レイア・オーガナ
- ガルボトーク/夢のつづきは夢…[11](1984年) - リサ・ロルフ
- フェアリーテール・シアター/「親指姫」(1984年) - 親指姫
- ハンナとその姉妹(1986年) - エイプリル
- 死海殺人事件(1988年) - ナディーン・ボイントン
- メイフィールドの怪人たち(1989年) - キャロル・ピーターソン
- 恋人たちの予感(1989年) - マリー
- ハリウッドにくちづけ(1990年) - 原作・脚本
- マージョリーの告白(1990年) - アイリス・ターナー=ハンター
- ソープディッシュ[12] (1991年) - ベッツィー・フェイ・シャロン
- ディス・イズ・マイ・ライフ[13](1992年) - クラウディア・カーティス
- オースティン・パワーズ(1997年) - セラピスト
- スクリーム3(2000年) - ビアンカ
- ハートブレイカー(2001年) - サーピン
- ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲(2001年) - 修道女
- チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003年) - シスター
- ワンダーランド(2003年) - サリー・ハンセン
- ファンボーイズ(2009年) - 総合病院の女医
- スプラッター・ナイト 新・血塗られた女子寮[14](2009年) - クレンショー夫人
- マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014年) - 本人役
- ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(2014年) シーズン7 第14話 - 本人役
- スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年) - レイア・オーガナ
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年) - レイア・オーガナ ※コンピューター・グラフィクス、アーカイブ出演
- スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年) - レイア・オーガナ[4]、遺作
- スター・ウォーズ エピソード9(仮)(2019年) - レイア・オーガナ ※アーカイブ出演[6]
著書
- 『Postcards From The Edge』(1987年)- 映画『ハリウッドにくちづけ』の原作
- 『Surrender The Pink』(1991年)
- 『Hollywood Moms』(2001年)
- 『Delusions of Grandma』(2003年)
- 『The Best Awful There Is』(2004年)
- 『Wishful Drinking』(2008年)
- 『Shockaholic』(2011年)
- 『The Princess Diarist』(2016年)
脚注
- ↑ “米女優キャリー・フィッシャーさん死去 「レイア姫」” (2016年12月28日). . 2016閲覧.
- ↑ “米女優デビー・レイノルズさん死去、娘フィッシャーさん死去の翌日”. CNN. (2016年12月29日) . 2016閲覧.
- ↑ 2016年7月撮影終了
- ↑ 4.0 4.1 “レイア姫キャリー・フィッシャーさん死去…『エピソード8』は撮影済み&より大きな役に”. シネマトゥデイ. (2016年12月28日) . 2017閲覧.
- ↑ [1]
- ↑ 6.0 6.1 “『スター・ウォーズ』エピソード9にレイア姫再び!公式発表”. シネマトゥデイ (2018年7月28日). . 2018閲覧.
- ↑ people 2016.11.17(アメリカ版)
- ↑ 英: Postcards From The Edge
- ↑ 「噂の真相」を究明する会『決定版!「都市伝説」大全 超タブーDX』(2017年5月8日、宝島社)pp.220-221.
- ↑ Leave Yesterday Behind
- ↑ Garbo Talks
- ↑ Soapdish
- ↑ This Is My Life
- ↑ Sorority Row