キャセイ・パシフィック航空機撃墜事件
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キャセイパシフィック航空機撃墜事件(キャセイパシフィックこうくうきげきついじけん)は、1954年7月23日に発生したキャセイパシフィック航空機が南シナ海上で中華人民共和国の人民解放軍空軍によって撃墜された事件である。なお撃墜の理由については中華人民共和国当局は明らかにしなかったが、航空会社に対して賠償金を支払ったため、暗に責任を認めたと言われている。
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事件の概要
南シナ海上での攻撃
バンコク発イギリス領香港行きとして運行中のキャセイパシフィック航空のダグラス DC-4(登録記号VR-HEU)が、中華人民共和国の海南島沖37kmの南シナ海上を飛行中突如、中国人民解放軍空軍のLa-11戦闘機2機に銃撃され、海南島沖に緊急着水した。
銃撃でエンジンと燃料タンクが被弾し、操縦系統も損傷したためにコントロールが途中できかなくなり、機体は激しく海面にたたきつけられた。
中国人民解放軍空軍機は着水後に現場を去り、間もなく緊急通信を受信したイギリス軍や、仏領インドシナに駐留するフランス軍の軍用機が急行し、生存者は最終的にはアメリカ軍の救難飛行艇によって救出された。乗客12名乗員6名のうち、乗客8名乗員2名の合計10名が死亡し、8名が救助された[1]。
賠償金の支払い
そもそも中国人民解放軍空軍機が、領空侵犯したわけでもない民間航空機をなぜ事前の警告なしに攻撃し撃墜したのかという事件の核心部分は中華人民共和国当局から明らかにされず、中華人民共和国政府からの謝罪も事情説明もなされなかった。
しかしイギリス政府と中華人民共和国の協議の結果、キャセイパシフィック航空に対して268,500ポンドが支払われた。そのため、なんらかの中国人民解放軍空軍内部の判断ミスがあり、それを暗に認めたと言えるが、実際はどうしてこのような事件が起きたかは明らかではない。
脚注
- ↑ 『航空テロ』、デビッド・ゲロー、1997年