カレッジフットボール

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ファイル:Michigan Stadium 2011.jpg
カレッジフットボールの応援風景。ミシガン大学の本拠地ミシガン・スタジアム(写真)は1試合平均11万人以上の観客動員数を誇る。

カレッジフットボール: College football)は、アメリカ合衆国大学が参加して行われるアメリカンフットボールの大会をいう。プロリーグであるNFLと並んでテレビなどでの放映が行われ、アメリカにおけるフットボール人気の一つの柱となるスポーツ大会である。アメリカ国内ではMLBNBAと並ぶ、若しくはそれらを上回る人気を誇り、特に北米4大プロスポーツリーグのチームがない州や都市では、スポーツに対する最大の関心事の一つとなっている。

概要

毎年9月初めごろに開幕するシーズンでは毎週末に試合が行われる。12月初旬までのレギュラーシーズンを経て、翌年の年始に行われるボウル・チャンピオンシップ・シリーズ(BCS)と称せられる一連のボウル・ゲームを頂点とする大会が繰り広げられる。

2013シーズンまでは他のスポーツと異り、いわゆるプレーオフ制度が採用されておらず、一連のボウル・ゲームがレギュラーシーズン終了後に開催されていた。しかし2014シーズンからAPランク上位4チームによるプレーオフが導入された。通常の大学に加えて、アメリカ軍それぞれのアカデミー(陸軍士官学校海軍兵学校空軍士官学校)も参加している。1888年にイェール大学にコーチが就任し全米チャンピオンに輝いて以降、現在に至るカンファレンス・ランキング制度が整い始める。1888年以降の全米チャンピオン最多回数はアラバマ大学の16回である。以下、ノートルダム大13回、プリンストン大12回、ミシガン大11回、USC10回、ピッツバーグ大9回、オハイオ州立大8回、ハーバード大・オクラホマ大7回、ペンシルバニア大・ミネソタ大6回と続く。

アメリカ国内では非常に人気の高いスポーツコンテンツである。ギャラップ2012年12月に行った世論調査によると、回答者の49%がカレッジフットボールのファンだと答えており、48%のプロ野球、33%のプロバスケットボール、22%のプロアイスホッケーなどを上回った[1]

カレッジフットボールの観客動員力は非常に高く、2012年シーズンでは1試合平均観客動員数が10万人を超える大学が4校、8万人を超える大学が17校、4万人を超える大学が60校であった[2]。王座決定戦であるBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームの視聴率も非常に高く、2013年のゲームでは17.5%であった[3]。これは2012年ワールドシリーズの平均視聴率(7.6%)の2倍以上であり、NFLオリンピックを除いた場合、スポーツイベントとして年間最高視聴率であることが多い。

経済規模も非常に大きく、2010年時点での主要カンファレンスの総収入は約22億ドル、利益は約11億ドルである[4]。特に利益ではメジャーリーグなどを上回っている[5]。米ケーブルスポーツ専門局のESPNが結んだプレーオフ放映契約は12年間で総額73億ドル(約8700億円)。[6]

レギュラーシーズンゲーム

レギュラーシーズンゲームは、1シーズンあたり各チーム最大12試合までとされている。各校はそれぞれ自らが所属するカンファレンスの学校との対戦を行うほか、所属外のカンファレンスのチームとの対戦を行う。同一カンファレンス内の対戦成績によって、カンファレンス内部の順位は決定されるが、ボウル・ゲームなどへの出場に関しては、所属外のカンファレンスのチームとの対戦成績も加味されて判断される。

ボウル・ゲーム

全米一のチームを決めるゲームとされるカレッジフットボール・プレーオフ全米王座決定戦を頂点として、プレーオフ準決勝対象試合が2試合、その他のボウル・ゲームが年末・年始に27試合設定されている。これらのボウル・ゲームは、一般にレギュラーシーズンでの上位チームがそれぞれ指定・指名されて出場する。ボウル・ゲームの出場チームの決定には、所属するカンファレンスごとに一定の枠があるほか、投票またはコンピュータによるランキングによる成績が資料として判定される。

2006年シーズン終了後の2007年1月8日から独立したBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームが実施されるようになった。その前は、4つのBCSボウルゲームのうちの1つが毎年交代で、年度全米一を決定するゲームの役割を果たしていた。

ディビジョン

NCAAは、カレッジフットボールを以下のディビジョンに区分けしている。いわゆる一部リーグ、二部リーグなどに相当する。

  • NCAA Division I-FBS (旧:Division I-A)
    • BCS Conferences
    • non-BCS Conferences
  • NCAA Division I-FCS (旧:Division I-AA)
  • NCAA Division II
  • NCAA Division III

FBS所属校を指して、メジャー・カレッジ(Major College、名門校・強豪校の意)と呼ぶこともある。

カンファレンス

一部どこにも所属しない独立校もあるが、各大学のチームは通常、それぞれ特定のカンファレンスに所属している。カンファレンスは、ディビジョンおよび地域ごとにまとめられた基本リーグとして機能する。レギュラーシーズンの成績はそれぞれのカンファレンスにおける優勝チームを決定するために用いられる。

問題点

フットボールに限らずNCAAのスポーツ全般に言えることだが、MLBの上回るほどの利益を上げながらも、あくまでアマチュアスポーツなので捻れが生じている。つまり、入場料や放映料、ライセンスなどによる膨大な収益を上げながらも、実際に試合で働いている選手たちに利益が行かず、運営側で独占している事が問題視されている。その一方で選手が奨学金以外の収入を得ることを禁止しているので[7]批判の声も強い。例えば、名RBのジム・ブラウンは「NCAAは恐らく神の創造物の中でも最もあるまじきものだ」だと批判している。[8]その流れを受けて、大学のアメフト部の選手たちが労働組合を組織するという動きも出ている。[9]

脚注

関連項目

外部リンク