カラーバー
カラーバー(英語:Color Bars)は、映像システムを評価するための基準となる信号である。モニタ上では色のついた棒状の領域として表示されるため、この名称で呼ばれる。
概要
アナログのビデオ信号は伝送や記録において雑音や歪による信号の劣化を生じやすく、基準となるカラーバーを用いて得られる信号を測定して品質を保持する必要がある。
また波形モニタやベクトルスコープなどの測定器の調整や、映像モニタの輝度と色相、彩度の調整にも用いられる。
代表的な標準規格としてはSMPTEによるSMPTEカラーバーやEIAによるEIAカラーバーのほか、HDTVとSDTVの互換性を想定したARIBによるマルチフォーマットカラーバーなどがある。
テレビ局によっては放送局名やコールサイン(ロゴマーク、機械文字、ドット文字のいずれかを使用。ウォーターマークで代用する場合もある。)、日付表示・時刻表示などが挿入されているカラーバーもある。
一般には、深夜の放送休止時にテストパターンとして表示。だが近年はほぼ早朝に近い時間(概ね27 - 28時前後)まで放送を行う局が増加したのに伴い、また、終日放送するテレビ局(カラーバーに代わるテストパターン(天カメ、お天気フィラーおよびニュース専門チャンネル))を使用する局を含む)も全国的に増えてきて、見られる機会は激減しつつある。
SMPTEカラーバー
SMPTEカラーバーは代表的なカラーバーのひとつである。
上側の2/3を占める領域には、左から75%の白、黄、シアン、緑、マゼンタ、赤、青の7本の帯が等幅で並んでいる。
中段の1/12を占める領域には、上の段の奇数番目の帯が左右対称に並んでいる。RGBのB成分に着目した場合に白と青、シアンとマゼンタがそれぞれ同一のレベルであることから(右図参照)、これらの部分でB成分のレベルを全て等しく保てばコンポジット信号をデコードした場合に原信号の色相と彩度を再現できることになる。
下段の1/4の領域には、左の5/7を占める部分に-Iと100%の白、Q、0%の黒の4本の帯が等幅に並んでいる。100%白は信号のp-p値の測定に、-IとQはそれぞれの搬送色信号の位相の測定に利用される。右側の75%赤の直下にあたる領域には、-4%の黒と0%の黒、+4%の黒の3本の帯が等幅で並んでいる。この部分はモニタの輝度調整に用いられる。さらに右側は0%黒である。
搬送色信号については、NTSCを参照されたい。
ARIBマルチフォーマット・カラーバー
こちらもよく知られているカラーバーのひとつである。
ARIBマルチフォーマット・カラーバーは、HDTV信号からSDTV信号にダウンコンバートした場合でもそのままテスト信号として利用できるように想定されている。現在の日本のテレビでもこれが使用されていることが多い。