カモメ
カモメ(鴎[1]、Larus canus)は、チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類。
分布
夏季にユーラシア大陸北部やカナダ西部、アラスカ州などで繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸北部やヨーロッパ、ペルシャ湾沿岸部、アメリカ合衆国西部、中華人民共和国東部などへ南下し越冬する[2]。日本では主に亜種カモメが冬季に越冬のため飛来(冬鳥)するが[3][4]、亜種コカモメが飛来した例もある[5]。
形態
全長40 - 46センチメートル[2]。翼開張110 - 125センチメートル[2]。頭部や体下面の羽衣は白い[2][3]。背中や翼上面は青灰色の羽毛で被われる[3][5]。尾羽の色彩も白い[2]。初列風切の色彩は黒く、先端に白い斑紋が入る[2][3]。
嘴は小型で細い[3][5]。後肢は細い[5]。嘴や後肢の色彩は灰黄緑色や黄色で[3][4]、嘴先端に不明瞭な黒い斑紋が入る個体もいる[5]。
幼鳥は全身が灰褐色の羽毛で被われ、肩を被う羽毛や翼上面の外縁(羽縁)が淡褐色[5]。和名は幼鳥の斑紋が籠の目(かごめ→カモメ)のように見える事が由来とされる[1]。尾羽の先端が黒い[2][4]。嘴は黒い[3][5]。後肢の色彩は淡ピンク色[3][5]。
夏季は頭部から頸部にかけて斑紋が無く(夏羽)、冬季は頭部から頸部にかけて淡褐色の斑点が入る(冬羽)[2][3]。
分類
以下の分類・分布はIOC World Bird List(v 7.2)、和名は日本鳥類目録 改訂第7版に従う[6][7]。
- Larus canus canus Linnaeus, 1758
- アイスランド・ブリテン諸島・白海で繁殖し、アフリカ大陸北部・ヨーロッパ・ペルシャ湾岸で越冬する
- Larus canus brachyrhynchus Richardson, 1831 コカモメ
- カナダ西部・アラスカ北部で繁殖し、アメリカ合衆国西部で越冬する。
- 外側から3枚目の初列風切先端に白い斑紋が入らない[2]。
- Larus canus kamtschatschensis Bonaparte, 1857 カモメ
- シベリア北東部で繁殖し、アジア南東部で越冬する
- 外側から3枚目の初列風切先端に白い斑紋が入る[2]。
- Larus canus heinei Homeyer, 1853 ニシシベリアカモメ
- シベリア西部から中部で繁殖し、ヨーロッパ中部や南部・西アジアなどで越冬する。
生態
沿岸部や河口、干潟などに生息する[2][4][5]。同科他種と混群を形成する事もある[4][8]。漢字表記は本種の鳴き声に対する当て字で、アメリカ合衆国における英名mewも鳴き声(英語圏でのネコの鳴き声にあたる)に由来する[1]。
食性は雑食で、主に魚類、動物の死骸などを食べる[8]スカベンジャーでもある。
繁殖様式は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する[4]。沿岸部の岩礁や草原などに巣を作り、卵を産む[4]。生後3年で成鳥羽に生え換わる[5]。
都道府県・市町村のシンボルとしてのカモメ
都道府県:神奈川県
市町村:石狩市、陸前高田市、いわき市、北茨城市、千葉市(千葉ロッテマリーンズ マスコット:マーくん.リーンちゃん.ズーちゃん)、野辺地町、大槌町、八峰町、深浦町
画像
- Larus canus non-breeding plumage.jpg
冬羽
- Larus canus2.jpg
雛
- Möwenküken2.JPG
幼鳥
- Common gull (9393607125).jpg
飛行中
- Larus canus eating frog.JPG
カエルを捕食
参考文献
- ↑ 1.0 1.1 1.2 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、106頁。
- ↑ 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、280-281頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、88-89頁。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、79、183頁。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、304頁。
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タグです。 「osj
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 8.0 8.1 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、64頁。
関連項目