オースティン (テキサス州)

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オースティン市
City of Austin
位置
オースティン市の位置(テキサス州)の位置図
オースティン市の位置(テキサス州)
座標 : 西経97度44分50秒北緯30.30028度 西経97.74722度30.30028; -97.74722
行政
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
  テキサス州
  トラヴィス郡
ウィリアムソン郡
 市 オースティン市
地理
面積  
  市域 669.3 km2 (258.4 mi2)
    陸上   651.4 km2 (251.5 mi2)
    水面   17.9 km2 (6.91 mi2)
標高 149 m (489 ft)
人口
人口 2012年現在)
  市域 842,592人
    人口密度   1,092.07人/km2(2,828.44人/mi2
  都市圏 1,834,303人
公式ウェブサイト : www.austintexas.gov

オースティン英語: Austin)は、アメリカ合衆国テキサス州中央部にある都市。同州の州都であり、州内の都市圏人口ではダラスヒューストンサンアントニオに次ぐ規模である。

1839年テキサス共和国首都が置かれ、以後一度も遷都していない。1930年代コロラド川の開発によって家具煉瓦食料品製油皮革などの工業が発展した。また、1940年代に軍事産業も成立した。

顕著な発展を支えているのがIT産業であり、産学連携の元、目覚ましい経済成長と人口増加を誇っている。郊外を含め、周辺は丘陵地が多いためシリコンバレーにあやかってシリコンヒルズと名乗っており、サムスン電子が全米最大の拠点としているほか、デルインテルなどの企業が拠点を置いている。ホールフーズ・マーケットなど他業種の進出も目覚ましく、近年はナノテクノロジーバイオテクノロジーなどIT以外の技術の集積を図っている。

Expansion Managementによる「将来のビジネス・ロケーションのトップ都市」において、2006年度2007年度に1位に選出されるなど、全米で最も発展が著しい都市の一つとなっている。また、毎年3月には「サウス・バイ・サウスウエスト」(South by Southwest、略記:SXSW)が行われる都市として知られている。

なお、テキサス州は政治的に保守的な州として有名だが、オースティンは例外的にリベラルな気質な人が多い事で知られている。

歴史

オースティンのあるトラヴィス郡ウィリアムソン郡近辺には紀元前9,200年頃から人類居住の痕跡があった。ジョージタウンフォート・フッドの間にある史跡からの資料によると、更新世後期(氷河期)には既にクローヴィス文化を持つ人類がいたとされる[1]

トンカワ族コマンチェ族リパン・アパッチ族が居住していたこの地域に、欧州、主にスペインからの移民が到達し、少数ながら拠点を築き始めた[2]。1730年にはテキサス東部からのミッション団が結成され、オースティンのコロラド川南岸(現在のジルカー公園の辺り)に居住した。このミッション団は約7ヶ月ほどでサンアントニオに移動した[3]。18世紀中頃にはまたサンザビエル・ミッション団がコロラド川沿い西部(現ミラム郡)に探索拠点を置いた[4]。19世紀初期にはスペイン軍が現在のバストロップサンマルコスに置かれた[2][5]メキシコ独立を受けてテキサス中央部に新しい居住地が出来たが、地域の先住民族との対立のため発展は停滞した[5][6][7]

1835年-1836年に、テキサス人はテキサス革命戦争に勝利しメキシコからテキサス共和国として独立。1839年にテキサス共和国議会は独立の主導者であるスティーブン・オースティンの名を持つ首都の場所を決定する評議会を結成、テキサス共和国第2代大統領ミラボー・ラマーは水源、丘陵、環境のよいウォータールーと呼ばれる地域を推薦した [8]。この地が結局選ばれオースティンと呼ばれることになった[9]。ここはサンタフェガルベストン湾を結ぶ交通の要衝で、北メキシコとレッド川を結ぶ地域でもあった。

ファイル:Old map-Austin-1873-sm.jpg
1873年のエドウィン・ウォーラーによるオースティン区域図


地理

オースティンは北緯30度18分01秒、西経97度44分50秒(30.300474,-97.747247)[10]に位置している。また、ハワイ州ホノルル以外では最も南に位置する州都である。

コロラド川が流れ、複数の人造湖が存在する。

アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積669.3km2(258.4mi2)である。このうち651.4km2(251.5mi2)が陸地で17.9km2(6.9mi2)が水地域である。総面積の2.67%が水地域となっている。

気候

ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)に属する。

オースティンの気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 32.2(90) 37.2(99) 36.7(98) 37.2(99) 40(104) 42.8(109) 42.8(109) 44.4(112) 44.4(112) 37.8(100) 32.8(91) 32.2(90) 44.4(112)
平均最高気温 °C (°F) 16.39(61.5) 18.44(65.2) 22.33(72.2) 26.56(79.8) 30.28(86.5) 33.39(92.1) 35.33(95.6) 36.11(97.0) 32.5(90.5) 27.67(81.8) 21.89(71.4) 17.06(62.7) 26.5(79.7)
平均最低気温 °C (°F) 5.28(41.5) 7.11(44.8) 10.72(51.3) 14.78(58.6) 19.28(66.7) 22.39(72.3) 23.56(74.4) 23.67(74.6) 20.78(69.4) 15.89(60.6) 10.33(50.6) 5.72(42.3) 14.94(58.9)
最低気温記録 °C (°F) -18.9(−2) -18.3(−1) -7.8(18) -1.1(30) 4.4(40) 10.6(51) 13.9(57) 14.4(58) 5(41) -1.1(30) -6.7(20) -15.6(4) -18.9(−2)
降水量 mm (inches) 56.4(2.22) 51.3(2.02) 70.1(2.76) 53.1(2.09) 112(4.41) 110(4.33) 47.8(1.88) 59.7(2.35) 75.9(2.99) 98.6(3.88) 75.2(2.96) 61(2.40) 871(34.29)
降雪量 cm (inches) 1(0.4) 0.5(0.2) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 0(0) 1.5(0.6)
平均降水日数 (≥ 0.01 in) 7.4 7.4 9.2 7.1 8.9 7.7 5.4 4.9 6.7 7.5 7.5 7.8 87.6
平均降雪日数 (≥ 0.1 in) 0.2 0.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.5
日照時間 164.3 169.5 204.6 207.0 226.3 285.0 316.2 297.6 234.0 217.0 168.0 155.0 2,644.5
出典#1: NOAA(extremes 1897–present)[11] Weather.com(extremes)[12]
出典#2: HKO(sun only, 1961–1990)[13]

人口動勢

2000年現在の国勢調査[14]で、この都市は人口656,562人、265,649世帯および141,590家族が暮らしている。人口密度は1,007.9/km2(2,610.4/mi2)である。425.0/km2(1,100.7/mi2)の平均的な密度に276,842軒の住宅が建っている。この都市の人種的な構成は白人65.36%、アフリカン・アメリカン10.05%、ネイティブ・アメリカン0.59%、アジア4.72%、太平洋諸島系0.07%、その他の人種16.23%および混血2.99%である。人口の30.55%はヒスパニックまたはラテン系である。

この都市内の住民は22.5%が18歳未満の未成年、18歳以上24歳以下が16.6%、25歳以上44歳以下が37.1%、45歳以上64歳以下が17.1%および65歳以上が6.7%にわたっている。中央値年齢は30歳である。女性100人ごとに対して男性は105.8人である。18歳以上の女性100人ごとに対して男性は105.7人である。

この都市の世帯ごとの平均的な収入は42,689米ドルであり、家族ごとの平均的な収入は54,091米ドルである。男性は35,545米ドルに対して女性は30,046米ドルの平均的な収入がある。この都市の一人当たりの収入(per capita income)は24,163米ドルである。人口の14.4%および家族の9.1%は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の16.5%および65歳以上の8.7%は貧困線以下の生活を送っている。

教育

オースティンには、全米有数規模のテキサス大学本部キャンパスにあたる、テキサス大学オースティン校が設置されている。同大学は、テキサス州内の大学間での単位互換システムであるテキサス大学機構の基幹施設となっている。

テキサス大学システムに含まれる他の高等教育施設には、Austin Community CollegeConcordia UniversityHuston-Tillotson UniversityおよびSt. Edward's Universityなどがある。

オースティンの大部分はオースティン独立学区Austin Independent School District)によってカバーされているが、他にRound Rock Independent School DistrictPflugerville Independent School DistrictLeander Independent School DistrictおよびEanes Independent School Districtといった学区も存在する。

姉妹都市

オースティンはSister Cities International,Inc.(SCI)によって指定された12の姉妹都市を有している。

脚注

  1. Handbook of Texas Online, "Gault Site" entry”. . July 18, 2010閲覧.
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  3. Ryan, Steven. “AUSTIN, CATHOLIC DIOCESE OF”. Handbook of Texas Online. Texas State Historical Association. 2011年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。. May 28, 2011閲覧.
  4. テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  5. 5.0 5.1 テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  6. テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  7. テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  8. Patoski, Joe Nick "It's Just Different Here", Preservation, July/August 2010, page 38
  9. テンプレート:Handbook of Texas Texas State Historical Association.
  10. US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12), http://www.census.gov/geo/www/gazetteer/gazette.html . 2011閲覧. 
  11. NowData – NOAA Online Weather Data”. National Oceanic and Atmospheric Administration. . 2012閲覧.
  12. Normals for Austin, Texas”. The Weather Channel. . 2006閲覧.
  13. Climatological Normals of Austin”. Hong Kong Observatory. . 2010閲覧.
  14. American FactFinder, United States Census Bureau, http://factfinder.census.gov . 2008閲覧. 

関連項目

外部リンク

公式
観光

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