オスマン語のアラビア文字

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オスマン帝国(および共和国建立の初期)の時代に、トルコ語オスマン語)はアラビア文字ペルシア文字)で書かれた。ラテン文字に切り替えられ、1928年12月1日にアラビア文字表記が廃止された。

特徴

文字の順序は基本的にペルシア文字に等しいが、/ŋ/ (現代トルコ語では n に合流)を表すための文字が追加されている。しかし、実際には /k ɡ ŋ/ は区別されずにすべて と書かれるのが普通だった[1]

アラビア語にあってオスマン語にない音は別の音で読むため、同じ音を表す子音がいくつかある。そのうち t s k g については、前舌母音 e i ö ü の前で تسك‎ を、奥舌母音 a ı o u の前で طصقغ‎ を使用する。これによって母音が表記されていなくても推定は容易になる[2]

書体としては、ペルシアで発達したナスタアリーク体が用いられたほか、手書き用に簡易化したルクア体や特殊なディーワーニー体English版が発達した。オスマン帝国のスルタンは、アラビア文字を元にしたトゥグラを署名に使った。

文字

独立形 語末形 語中形 語頭形 文字の名称 対応するラテン文字
elif a, e
hemze
be b
pe p
te t
se s
cim c
çim ç
ha
dal d
zel z
re r
ze z
je j
sin s
şın ş
sat, sad s
ﺿ dat, dad d, z
t
z
ayın ', h
gayın g, ğ
fe f
kaf k
kef k, g, ğ, n
gef¹ g, ğ
nef, sağır kef n
lam l
mim m
nun n
vav v, o, ö, u, ü
he h, e, a
lamelif la
ye y, ı, i

1オスマン語本来のgef の字形はﻙと二重線のあるگである。この字形は現在のフォントでは稀である。


数字

オスマン語ではアラビア文字による数字が用いられた。多少ペルシャ語での数字表記と異なる。

  • ٠ 0 (sıfır)
  • ۱ 1 (bir)
  • ۲ 2 (iki)
  • ٣ 3 (üç)
  • ٤ 4 (dört)
  • ٥ 5 (beş)
  • ٦ 6 (altı)
  • ٧ 7 (yedi)
  • ٨ 8 (sekiz)
  • ٩ 9 (dokuz)
  • ۱٠ 10 (on)

脚注

  1. Kaye (1996) p.745
  2. Daniels (1997) pp.379-380

参考文献

  • Daniels, Peter T (1997). “The Protean Arabic Abjad”, in Asma Afsaruddin; A.H. Mathias Zahniser: Humanism, Culture, and Language in the Near East: Studies in Honor of Georg Krotkoff. Eisenbrauns, 369-384. ISBN 1575060205. 
  • Kaye, Alan S (1996). “Adaptations of Arabic Script”, in Peter T. Daniels; William Bright: The World's Writing Systems. Oxford University Press, 743-762. ISBN 0195079930. 

外部リンク


テンプレート:Grammatology-stub


de:Osmanische Sprache#Verschriftlichung