オイラーの定理 (微分幾何学)

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微分幾何学において、オイラーの定理とは、曲面上の曲線曲率について、極大極小を与える主曲率とそれに伴う主方向の存在を規定する定理である。1760年レオンハルト・オイラーにより証明が与えられた。

定理

M三次元ユークリッド空間上の曲面、pM上の点とするとき、pを通りMの法ベクトルを含む平面をpを通る法平面といい、pにおける各単位接ベクトルについて、M上の曲線を切り取る法平面が存在する。この曲線は、PXに含まれる曲線とみなしたときにある曲率κをもつが、すべてのκが等しくないと仮定したとき、κの極大値k1を与える単位接ベクトル X1及び極小値k2を与える単位接ベクトルX2が存在する。オイラーの定理は、X1X2直交し、さらに、ベクトルXX1に対してθの角をなす任意のベクトルとしたとき、

[math]\kappa_X = k_1\cos^2 \theta + k_2\sin^2 \theta \,[/math]

が成り立つことを主張するものである。

k1k2主曲率と呼ばれ、X1X2はそれぞれに随伴する主方向と呼ばれる。

応用

地球楕円体面上の任意の点において、主方向は子午線方向及び卯酉線方向であり、両方向が直交していることは容易に確認できる。地理緯度 [math]\varphi[/math] における子午線曲率半径を [math]M_\varphi[/math]、卯酉線曲率半径を [math]N_\varphi[/math] とするとき、極大曲率をもつ主方向(子午線方向)に対し任意方位角 [math]\alpha\,\![/math] をなす垂直截線の曲率半径 [math]R^\alpha_\varphi[/math] は、回転楕円体の幾何学的考察からも導出可能ではあるが、オイラーの定理を用いることにより、

[math]R_\varphi^\alpha = \frac{M_\varphi N_\varphi}{N_\varphi\cos^2\alpha + M_\varphi\sin^2\alpha}[/math]

のように直ちに求めることができる。

参考文献