エラトス

提供: miniwiki
移動先:案内検索

エラトス古希: Ἔλατος, Elatos)は、ギリシア神話の人物である。主に、

のほか、数人が知られている。以下に説明する。

アルカスの子

このエラトスは、アルカディアの王アルカスの子で、アザーンアペイダースと兄弟である。またアウトラオスという兄弟がいる[1]。キニュラースの娘ラーオディケーとの間に[2]アイピュトス、ペレウス、キュレーン、イスキュスステュムパーロスをもうけた[3]

エラトスはアルカスが国土を3分割したとき、くじでキュレーネー山を得たが、後にプレギュアース人がデルポイを攻撃したとき、デルポイを守って戦った。その後もアルカディアに戻らずにポーキスに移住し、エラティア市を建設した[4]。アポロドーロスは、エラトスは兄弟と国土を分割したが、王権はエラトスが保持したと述べている[2]。なお、キュレーネー山の名は、エラトスの子キュレーンに由来するという[5]

系図

テンプレート:アルカスの系図

ラピテース族の1人

このエラトスは、テッサリアーのラピテース族の1人で、ポリュペーモスの父である。またカイネウス[6][7][8]予言者アムピュクスの父ともいわれる。アムピュクスはモプソスの父[7][9]。ポリュペーモスはアルゴナウタイの1人[10][7]

ケンタウロスの1人

このエラトスは、ヘーラクレースエリュマントスの猪を捕らえるとき、マレアー岬ケイローンのところまで追い払われたケンタウロス族の1人である。彼らはケイローンのもとでおびえていたが、ヘーラクレースは彼らに矢を放つと、矢はエラトスの腕を貫通し、ケイローンの膝にあたった。このためケイローンは不死を返上するまでヒュドラーの毒に苦しまなければならなかった[11]

その他のエラトス

脚注

  1. パウサニアス、8巻4・2。
  2. 2.0 2.1 アポロドーロス、3巻9・1。
  3. パウサニアス、8巻4・4。
  4. パウサニアス、8巻4・4、10巻34・2。くじについては8巻53・6、53・9。
  5. パウサニアス、8巻4・6。
  6. オウィディウス『変身物語』12巻。
  7. 7.0 7.1 7.2 ヒュギーヌス、14話。
  8. ヒュギーヌス、242話。
  9. ヒュギーヌス、128話。
  10. アポロドーロス、1巻9・16。
  11. アポロドーロス、2巻5・4。
  12. ヒュギーヌス、71話。
  13. 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.71a。
  14. アポロドーロス、摘要(E)7・28。

参考文献

br:Elatos