エジプト航空
提供: miniwiki
エジプト航空 (えじぷとこうくう、アラビア語: مصر للطيران; miṣr liṭ-ṭayarān, 英語: EgyptAir)はエジプトの国営航空会社。
概要
エジプト政府がオーナーのいわゆるフラッグ・キャリアである。アフリカで2番目に大きい航空会社でアラブ航空会社機構の加盟航空会社で創設メンバーである。2007年に75周年を迎えた。機体の垂直尾翼に描かれているのは古代エジプト天空の神ホルスで“安全な飛行を…”との願いが込められている。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [1] [2]
歴史
- 1932年 - カイロを本拠地とする「ミスル・エアワーク」として設立、これは世界で7番目の長い歴史を持つ航空会社である。
- 1958年 - エジプトとシリアの合併により「アラブ連合航空(ユナイテッド・アラブ航空)」に変更、1961年に両国が分裂したが社名は継続され、1971年現社名に変更した。
- 1962年 - 日本へ就航開始、日本とアフリカ大陸が初めてダイレクトに結ばれた。[3]
- 1982年 - アラブ諸国で唯一(エジプトは現在イスラエルと国交を持っている)のイスラエル路線として、カイロ - テルアビブ線の運航を開始した。この路線は他のアラブ国家からの非難を避けるため、子会社のエアシナイを設立し、運航する形態をとっている。(現在は便名の付与と機材のみ残し、エジプト航空による運航)
- 2003年 - カイロ航空の最大株主となって、同社を実質子会社化した。
- 2004年 - 貨物航空会社のエジプト航空カーゴを、2006年にはコミューター航空会社のエジプト航空エクスプレスを子会社として設立した。
- 2007年10月16日 - 航空連盟のスターアライアンスに加盟することを表明し、2008年7月11日に正式加盟。
- 2008年5月 - エジプト航空は航空機の新塗装を発表。機体には天空の神ホルスが描かれる。
- 2009年4月27日 - カイロ国際空港に第3ターミナルがオープンし、スターアライアンス加盟航空会社が集結することになった。
- 2013年 - 成田国際空港と関西国際空港の日本線を運休。(その後、関空線は撤退した。)
- 2017年10月29日 - 成田国際空港へ定期便の運航再開[4]。
サービス
エジプトは国教をイスラム教と定めているため、機内食では豚肉は使われない。また、アルコール飲料も提供されないが、機内への持ち込みは可能である。国際線及びファーストクラス、ホルスクラス(ビジネスクラス)、エコノミークラスの3クラス制、国内線はファーストクラスを除いた2クラス制である。ファーストクラスは2015年まではエアバスA340-200とボーイング777-200ERに12席あった。しかし、両機種の引退により一時は廃止されたものの、2018年時点では2機のボーイング777-200ERが戻ってきたことで復活した。
就航都市
(2013年7月現在)
保有機材
(2016年5月現在)
機種 | 機数 | 発注 | ファーストクラス | ホルスクラス | エコノミークラス | 合計座席数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
エアバスA320-200 | 2 | 0 | 0 | 16 | 129 | 145 | 2019年をめどに引退予定 |
エアバスA320neo | 0 | 15 | 未定 | 2020年に導入予定 | |||
エアバスA321-200 | 4 | 0 | 0 | 22 | 139 | 161 | 2019年をめどに引退予定 |
エアバスA330-200 | 6 | 0 | 0 | 24 | 244 | 268 | |
エアバスA330-300 | 4 | 0 | 0 | 36 | 265 | 260 | |
ボーイング 737-800 | 29 | 0 | 0 | 16 | 138 | 154 | |
ボーイング 777-200ER | 2 | 0 | 12 | 21 | 286 | 319 | SU-GBRとSU-GBSのみ |
ボーイング 777-300ER | 6 | 0 | 0 | 49 | 297 | 346 | |
ボーイング 787-9 | 0 | 6 | 未定 | 2016年6月に導入予定 | |||
エアバス A300-B4/200F | 1 | 0 | 0 | 貨物機 | |||
エアバス A300-600RF | 2 | 0 | 0 | 貨物機 | |||
エアバス A330-200F | 0 | 2 | 0 | 貨物機 | |||
エンブラエル 170 | 6 | 6 | 0 | 0 | 76 | 76 | エジプト・エア・エクスプレス運航 |
総機数 | 58 | 12 |
事件・事故
- 1976年12月25日、ローマ発東京行きの南回り欧州便エジプト航空864便(707-366C、SU-AXA)の864便が、経由地のタイのバンコクへの着陸アプローチ中に滑走路手前の織物工場に墜落した。死者は、乗員乗客52人全員と地上の19人が死亡。事故原因はパイロットが航法システムを参考にせずに高度を誤認したまま早く降下したためとされたが、運航会社は管制塔が適切な気象情報を提供しなかったと反論した。
- 1985年23~24日、アテネ国際空港からカイロ国際空港に向かっていたボーイング737–266(SU-AYH)の648便が離陸から10分後に国際テロ組織「アブ・ニダル」の3人にハイジャックされ、当時、アブ・ニダルを支援していたリビアに向かうよう要求した。ハイジャックの目的は、中東問題に対するエジプト政府の姿勢に抗議するためであった。マルタ国際空港に緊急着陸後、エジプトの特殊部隊が貨物室に爆薬を仕掛け爆破し、犯人との銃撃戦の末にハイジャック機を奪還した。しかし、この強行突入策が裏目に出てしまい、多くの乗客が死傷にした。最終的に、ハイジャック犯2人を含む60人が死亡。
- 1999年10月31日、ロサンゼルス国際空港からジョン・F・ケネディ国際空港経由のカイロ国際空港に向かっていたボーイング767-300ER(SU-GAP)が990便がニューヨークを出発後に墜落。副操縦士の自殺が考えられる。
- 2011年7月29日、カイロ国際空港で出発準備中あったエジプト航空667便ボーイング777-266ER、SU-GBP)のコックピットから出火。しかし死傷者はなかった[6]。
- 2016年3月29日、ボルグ・エル・アラブ空港からカイロ国際空港に向かっていたエアバスA320-200(SU-GCB)の181便が男にハイジャックされ、犯人の要求したキプロスのラルナカ国際空港に着陸したのち、逮捕された[7]。
- 2016年5月19日、パリ=シャルル・ド・ゴール空港からカイロ国際空港に向かっていたエアバスA320-200(SU-GCC)の804便が地中海に墜落。乗員乗客66人全員死亡。原因は調査中。
関連項目
脚注
- ↑ “日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)” (日本語). . 2015閲覧.
- ↑ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. . 2015閲覧.
- ↑ 1932~1962 「こだわりのエアラインガイド 改訂版」イカロス出版
- ↑ 成田国際空港では、再開ではなく、新規就航としている
- ↑ エジプト航空、10月29日から成田/カイロ線の運航を再開 週1便でFlyTeam 2017年6月13日
- ↑ http://aviation-safety.net/photos/displayphoto.php?id=20110729-0&vnr=1&kind=C
- ↑ エジプト航空のハイジャック犯を逮捕-キプロス外務省 - Bloomberg 2016年3月29日
外部リンク
- エジプト航空 (英語)
- エジプト航空 (日本語) (Archive)
- Egyptair.mobi
典拠レコード: