エコツーリズム
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エコツーリズム(英: Ecotourism)とは、自然環境の他、文化・歴史等を観光の対象としながら、環境の保全性と持続可能性を考慮するツーリズム(旅行、リクリエーションのあり方)のことである。
Contents
エコツーリズムの定義
エコツーリズムの定義は、立場、国によって、大きく異なっている点に注意を払う必要がある。
エコツアー
エコツーリズムの考え方に沿った旅行行程、もしくはプログラムのことを、エコツアーという。具体的には、環境学習の要素を持ち自然を探訪するツアー、農山漁村や地域の風土・文化等を訪ねるツアー、少数民族の暮らしや文化・風土などを訪ねるツアー、等があげられる。
インタープリテーション
インタープリテーション(Interpretation)とは、自然と人との「仲介」となって自然解説を行うこと。インタープリテーションを行う者をインタープリター(Interpreter)という。
日本
エコツーリズム推進法
- エコツーリズム推進法は、日本において2008年に施行された法律である。
エコツーリズムを推進する全国組織・団体
- NPO法人日本エコツーリズム協会 [1]
- NPO法人日本エコツーリズムセンター [2]
エコツーリズムを推進している協議会
- 北海道
- 知床エコツーリズム推進協議会 [3]
- 羅臼旅館組合などと協力した滞在型モデルツアーの推進
- 地域産業と連携したエコツーリズムの展開
- 先進地視察と報告ワークショップの開催
- 海外からの旅行者の誘致推進
- 知床五湖・羅臼湖などの既存観光地の適正利用
- 標津町エコツーリズム推進協議会
- 東北
- 早池峰エコツーリズム推進協議会 [4]
- 環白神エコツーリズム推進協議会 [5]
- 緑の真珠気仙沼大島エコツーリズム推進協議会 [6]
- 田尻エコツーリズム推進協議会
- 関東
- 裏磐梯エコツーリズム推進協議会
- 北塩原村エコツーリズム推進協議会
- 小笠原エコツーリズム協議会
- 谷川岳エコツーリズム推進協議会 [7]
- 飯能市エコツーリズム推進協議会 [8]
- 南信州エコツーリズム推進協議会
- 信州安曇野まつかわ村エコツーリズム推進協議会
- 中部・北陸
- 富士山北麓エコツーリズム推進協議会
- 南アルプス・井川エコツーリズム推進協議会
- 山中湖村エコツーリズム推進協議会 [9]
- 山中湖の環境特性に合わせた動植物の保護
- エコツーリズムによる冬期の観光振興や繁忙期を緩和することでのサービス低下防止
- 山中湖を深く理解するためのもらうための中長期滞在型の旅行のための環境作り
- 近畿・関西
- 名張市エコツーリズム推進協議会
- 鳥羽市エコツーリズム推進協議会
- 宮津市エコツーリズム推進協議会 [10]
- エコツアー・モデルコースの選定および歩き方ガイドの作成
- ガイドの養成
- 世屋里山暮らし塾の開催
- 「地元産品の発掘・買出しツアー」「野鳥観察会」などのモニターツアーの企画開催
- 自然観光資源・産品などの「宝」のデータベースづくりと発信
- 南丹市美山エコツーリズム推進協議会
- 湖西地域エコツーリズム推進協議会 [11]
- 六甲摩耶・有馬地区エコツーリズム推進協議会
- 中国・四国
- 大山・中海エコツーリズム協議会
- 秋吉台地域エコツーリズム推進協議会
- 九州
- 佐世保地区エコツーリズム推進協議会 [12]
- 屋久島地区エコツーリズム推進協議会 [13]
- 屋久島ガイド登録、認定制度作り
- 里地におけるツアープログラムの開発
- 特定地域の保全と利用のルール作り
- 沖縄
- 沖縄エコツーリズム推進協議会 [14]
- 沖縄観光を誘うガイドブックの作成、展覧会の開催などのプロモーション活動
- 地域コーディネーターの育成
- 沖縄の各地域への支援、県で一体となった観光誘致
- 慶良間エコツーリズム推進協議会
文献
エコツーリズムへの理解を深めるための文献としては、以下のものが挙げられる。
- 「ライオンの経済学」[1]。
- ライオン1頭の価値は、ハンティングツアーでは9460 - 9825ドルであるが、アフリカの保護区のサファリの体験ツアーでは、515,000ドルとなる。ライオンにとってもアフリカの住民にとっても、幸せな方法は保護して観光客に見せることである。自然を破壊するツーリズムでなく、人と自然が共生社会する社会関係を目指した旅行形態である。イタリアのエコノミストPHILIP THRESHERが、平易な概念で示している。
- 南アフリカなどの国では、単に種の保存を目的とするだけでなく、ライオンが観光用に飼育されている。ある観光客向け施設では、観光客は入園料80ランド(約820円)でライオンを見物でき、300ランド(約3060円)を払えば子ライオンを抱いたり、ミルクを与えたり出来る。ライオンは成長すると、狩猟のために野に放され、狩猟愛好家の標的となる。生まれた時から人間に飼育されたライオンに、猟師から逃れるすべはない。狩猟の顧客はアメリカ人が多い[2]。
- 「コモンズの悲劇」[3]。
- バランスある開発が持続可能な社会を形成するといったことを提言したエコツーリズムの古典的論文である。
脚注
- ↑ PHILIP THRESHER;The Economics of a Lion (1972) University of Chicago Press
- ↑ “狩猟用の飼育ライオンが1週間逃亡中、南ア”. フランス通信社. (2013年1月19日) . 2013閲覧.
- ↑ The Tragedy of the Commons; Garrett Hardin (1968) Science, 162:1243-1248
関連項目
- インタープリター (自然)
- ガイダンス(インタープリテーション)
- 自然観察
- 環境教育
- 自然保護
- 生物多様性
- 持続可能な開発
- 持続可能な観光
- ニューツーリズム
- エコツーリズム推進法
- ライオンの経済学
- コモンズの悲劇