ウッディー・ウッドペッカー
ウッディー・ウッドペッカー(英語: Woody Woodpecker)は、ユニバーサル・ピクチャーズのアニメーション作品に登場するキツツキを模したキャラクターである。
概要
1940年、ユニバーサル・スタジオのプロデューサーであったウォルター・ランツのスタジオで創造された。ウッディー・ウッドペッカーは、1940年代にカートゥーン業界に登場した“スクリューボール・キャラクター”(間が抜けていて、奇抜で軽薄、非常識な行動で周囲を翻弄するキャラクター)の代表格の一人である。
ウッディーが制作された当時、ユニバーサル・スタジオはディズニーから手に入れたオズワルド・ザ・ラッキー・ラビットの人気が下火になっており、新しいキャラクターの案出に試行錯誤、その中で生まれたアンディ・パンダが唯一成功している状態であった。アンディの主演作『キツツキとパンダ一家』(原題:Knock, Knock)でウッディーはデビューした。しかしウッディーのキャラクター性はアンディ以上の人気を獲得、いつしかユニバーサルのシンボル的キャラクターへと成長した。
ウッドペッカーの特徴は、「ゥアアアーアー、ゥアアアーアー、ゥアアアアアアアアアアアアア!」という甲高い陽気な笑い声である。初期のウッドペッカーは血走った目と鋭い歯を特徴とし、凶暴性を併せ持つキャラクターであったが、後期の作品になるとその性格やキャラクター設定は温和で親しみやすく可愛らしいイメージに変更されていった。鳴き声もスタッフォード版では「ゥエエエーエー」と聞こえるような微妙な発音である。
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに7000番目の星としてその名を残している。
歴史
1940年11月25日、『キツツキとパンダ一家』(原題:Knock, Knock)でスクリーンデビューを果たした。過去に当時ワーナー・ブラザースに数多く作品を提供していたレオン・シュレシンガー・プロダクションでバッグス・バニー作品などを手掛けていたベン・ハーダウェイがストーリーボードを担当。本作のウッディーはパンダ一家を翻弄する脇役としての登場であったが、これ以降ウッディーの主演作品が多数制作されるようになる。
1943年に公開された『The Dizzy Acrobat』が、第16回アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた。
1944年公開の『The Beach Nut』にライバルキャラクター、セイウチのウォーリー・ウォーラスが登場。1948年公開の『Wet Blanket Policy』には新たなるライバルとして、ハゲタカのバズ・バザードが登場した。ウォーリーは主にウッディーに振り回され、半ば一方的にやられる役が多かったが、対するバスはウッディーを欺き互角に張り合う役柄であった。
1954年公開の『Real Gone Woody』にガールフレンドのウィニー・ウッドペッカー(Winnie Woodpecker)が登場した。ただし、クラシック短編映画の中で彼女が出演したのはこの作品のみ。本格的にレギュラーとなったのは『The New Woody Woodpecker Show』からであった。
1956年公開の『Get Lost』には、甥のスプリンターと姪のノットヘッドが登場した。
1957年にテレビシリーズ『The Woody Woodpecker Show』が放送開始。番組内では過去の短編映画を放送した。このシリーズの人気・評価は非常に高く、1990年代後半になっても再放送されていた。1961年には日本でも吹き替え版で放送され、日本での知名度を向上させるきっかけとなった。
1978年頃、日本の遊園地ナガシマスパーランドのマスコットキャラクターに起用された[1]。
1988年公開の長編映画『ロジャーラビット』に出演。
1999年に新しいテレビシリーズ『The New Woody Woodpecker Show』が放送。前シリーズとは違い、こちらは完全新作を放送していた。2001年には日本でも吹き替え版で放送された。
2017年に最新作『Woody Woodpecker』が公開された。
設定
当初は短気で凶暴、自己中心的で気が狂ったキャラクターであった。自らの欲求を叶えるためなら手段を選ばず、相手側に非がないのにもかかわらず一方的に攻撃を仕掛けることが多かった。
後期になると温和で親しみやすいキャラクターとなり、かつての性格は鳴りを潜めることとなった。
食べることが大好き。ただし自分で料理をすることはあまりなく、ウォーリー等から食料を奪って食べることがほとんどである。
声優
初期の作品では、メル・ブランクがウッドペッカーの声を演じていた。
1950年の実写映画『月世界征服』の中に挿入されたアニメーションパートでは、ランツの妻グレイス・スタッフォードがウッドペッカーの声を演じ、これ以降の作品ではスタッフォードがウッドペッカーの声を演じた。ウッドペッカーの笑い声を21年も務め、後年彼女のドキュメンタリーも収録されることになった。スタッフォードは1992年に亡くなった。
日本での放送
日本では、ウッドペッカーのテレビアニメが複数作放送されている。また、ウッドペッカーはガールフレンドのウィニー・ウッドペッカーとともに、大阪府にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) のメインキャラクターを務めている。
ウッドペッカー
1961年9月23日から1964年7月9日まで日本テレビ系列で放送。原題は『The Woody Woodpecker Show』。
放送時間
いずれも日本標準時。土曜ゴールデンタイム時代には味の素の一社提供で、木曜夕方枠への移動後には山崎製パンの一社提供で放送されていた[2]。
- 土曜 19:30 - 20:00 (1961年9月23日 - 1962年7月7日)
- 水曜 18:15 - 18:45 (1962年7月18日 - 1962年9月26日)[3]
- 木曜 18:15 - 18:45 (1962年10月4日 - 1964年7月9日)
日本テレビ系列 土曜19:30枠 【味の素一社提供枠】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
パウワウ坊や
(1961年6月3日 - 1961年9月16日) |
ウッドペッカー
(1961年9月23日 - 1962年7月7日) |
味の素ホイホイ・ミュージック・スクール
(1962年7月21日 - 1965年9月25日) |
日本テレビ系列 木曜18:15枠 【山崎製パン一社提供枠】 |
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ウッドペッカー
(1962年10月4日 - 1964年7月9日) |
スーパー・キャット
(1964年7月16日 - 1964年11月5日) |
ウッドペッカー大行進
1965年3月29日から同年9月30日まで日本テレビで放送。サッポロビールの一社提供[4]。放送時間は毎週月曜 - 土曜 18:00 - 18:15 (日本標準時)。
日本テレビ 月曜 - 土曜18:00枠 【サッポロビール一社提供枠】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
まんがホームラン(第1期)
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ウッドペッカー大行進
(1965年3月29日 - 1965年9月30日) |
少年シンドバッド
(1965年10月1日 - 1966年1月1日) |
ウッディー・ウッドペッカー
2001年4月5日から同年10月7日までテレビ東京系列で放送。全26話。原題は『The New Woody Woodpecker Show』で、アメリカで1999年に放送されたものである。
この2001年版では、同年3月31日にオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンがスポンサーに付いていた。ウッドペッカーの声は、渡辺久美子が担当した。
製作局のテレビ東京は、東京12チャンネル時代の1970年代にも『怪傑ウッドペッカー』という作品を放送していたことがある。
放送時間
いずれも日本標準時。
- 木曜 18:00 - 18:30 (2001年4月5日 - 2001年6月28日)
- 日曜 18:30 - 19:00 (2001年7月1日 - 2001年10月7日)
主題歌
- オープニングテーマ
- エンディングテーマ
日本語版制作スタッフ
- 音響監督 - 高橋秀雄
- 音楽プロデュース - 菊地圭介、市川邦泰
- 音楽協力 - テレビ東京ミュージック
- 日本語版制作担当 - 萩野宏、片柳優貴子
- 制作協力 - ユニバーサルスタジオコンシューマープロダクツジャパン ジャパンデジタルコンテンツ
- プロデューサー - 崔鐘秀(テレビ東京)、成毛克憲
- 制作 - テレビ東京、NAS
テレビ東京系列 木曜18:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
キョロちゃん
(1999年7月1日 - 2001年3月29日) |
ウッディー・ウッドペッカー
(2001年4月5日 - 2001年6月28日) |
フルーツバスケット
(2001年7月5日 - 2001年12月27日) |
テレビ東京系列 日曜18:30枠 | ||
千夜釣行
( - 2001年6月24日) |
ウッディー・ウッドペッカー
(2001年7月1日 - 2001年10月7日) |
サイボーグ009 (第3シリーズ)
(2001年10月14日 - 2002年10月13日) |
日本語版担当声優
- 山寺宏一 - 『ウッディー・ウッドペッカー』(LD、VHSビデオ)
- 緒方賢一 - 『ロジャー・ラビット』
- 月まち子 - 『ウッドペッカー』(1961年)
- 三輪勝恵 - WOODYのCMなど
- 堀絢子 - DVDなど
- 渡辺久美子 - 『ウッディー・ウッドペッカー』(2001年)
- 市場梓 - 『アニメ・セレブレーション』(USJに存在したアトラクション)
- 渡辺美佐 - 『フロム・ジ・アース/人類、月に立つ』の劇中で上映されていた『ウッディー・ウッドペッカー』
関連事項
いずれもウッドペッカーをイメージキャラクターに起用していた。