ウクライナ・ソビエト戦争
提供: miniwiki
ウクライナ・ソビエト戦争（ウクライナ語：Українсько-радянська війна）は、1917年12月から1921年11月にかけてウクライナの支配を巡って、キエフを首都とするウクライナ人民共和国と、ソビエトのロシアおよびその傀儡政権ウクライナ社会主義ソビエト共和国との間に行われた戦争である。ロシア革命後に起こった紛争の一つ。ソビエト派の勝利で終わった。戦争中にウクライナの人口が著しい被害を受け、10人に1人が死亡した。1922年12月にウクライナ社会主義ソビエト共和国はロシアが指導するソ連邦へ取り込まれた。
経緯
海軍関係についてはウクライナ海軍#ウクライナ革命も参照。
第一ウクライナ・ソビエト戦争
- 1917年10月7日：10月革命によりロシア臨時政府が崩壊し、ソビエト政権が成立。
- 1917年11月20日：キエフでウクライナ中央ラーダがウクライナ人民共和国の樹立を宣言する。
- 1917年12月17日：ソビエトのロシア政府がウクライナ中央ラーダに最後通牒を送信する。
- 1917年12月25日：ソビエトのロシア軍がウクライナ人民共和国へ乱入。
- 1917年12月26日：ソビエト軍がハルキウを占領し、ソビエト系ウクライナの傀儡政権を立てる。
- 1918年1月9日：ソビエト軍がカテリノスラウを占領する。
- 1918年1月15日：ソビエト軍がアレクサンドロフスクを占領する。
- 1918年1月16日：ソビエト軍がコノトープを占領する。
- 1918年1月19日：ソビエト軍がフルーヒウを占領する。
- 1918年1月28日：ソビエト軍のスパイがキエフで蜂起を起こす。
- 1918年1月29日：クルーティの戦い。ウクライナの300人の青年隊が4千人のソビエト軍に敗れる。
- 1918年2月8日：ソビエト軍がキエフを占領する。
- 1918年2月8日：ブレスト＝リトフスクで、中央ラーダはウクライナの政府としてドイツ帝国・オーストリア・ハンガリー帝国と同盟を結ぶ。
- 1918年2月24日：ドイツ・ウクライナの同盟軍がウクライナ解放を開始する。
- 1918年2月27日：オーストリア・ウクライナの同盟軍がウクライナ解放を開始する。
- 1918年3月1日：ドイツ・オーストリア・ウクライナの同盟軍がキエフを解放する。
- 1918年3月14日：レーニンの命令によりソビエト軍が部隊のウクライナ化を始める。
- 1918年4月29日：ウクライナの中央ラーダに代わってスコロパードシキー大将の政権が成立。国号はウクライナ国となる。
ファイル:Ukrainian State 1918.5-11.png
ウクライナ国
ロシア
1918年の和議による境界第二ウクライナ・ソビエト戦争
- 1918年11月17日：第一次世界大戦においてドイツ・オーストリアの敗北に伴い、ロシアがウクライナ・ソビエト戦争の再開の準備を進める。モスクワでウクライナの傀儡政権「ウクライナ臨時労働農民政府」が成立する。
- 1918年12月19日：スコロパードシキーの政権が倒され、執政内閣政権が成立。国号は再びウクライナ人民共和国。
- 1918年12月20日：ソビエト軍が宣戦布告なしでウクライナへ攻め入る。
- 1918年12月31日、1919年1月3日、1月4日、1月9日：ウクライナの執政内閣が4度にわたりロシア政府に和解を提案するが、すべて無視される。
- 1919年1月16日：ウクライナの執政内閣が一方的にロシア政府に対し戦争布告する。
- 1919年1月6日：ハルキウでソビエトの傀儡政権としてウクライナ社会主義ソビエト共和国樹立宣言。首都はハルキウ。
- 1919年1月22日：キエフでウクライナ人民共和国と西ウクライナ人民共和国との併合を宣言する。
- 1919年2月5日：ソビエト軍がキエフを占領する。ウクライナの執政内閣が右岸ウクライナに避難する。
- 1919年5月24日：ウクライナの執政内閣はポーランド軍と和議を結び、ポジーリャ地方で拠点を置く。
- 1919年5月7日：ソビエト軍がポジーリャへ乱入。
- 1919年7月16日：ウクライナ軍が反撃を開始し、ソビエト軍をポジーリャから追い出す。
- 1919年8月12日：ウクライナ軍がヴィーンヌィツャを解放する。
- 1919年8月21日：ウクライナ軍がジトームィルを解放する。
- 1919年8月31日：ウクライナ軍がキエフを解放するが、白軍の前に撤退する。
- 1919年11月6日：ウクライナ軍の一部が白軍に寝返る。ウクライナの執政内閣が再びポジーリャ地方へ撤退する。
- 1919年12月4日：ウクライナの執政内閣が白軍・ソビエトの赤軍・ポーランド軍に囲まれる。ウクライナ軍が正式な軍事行動を止め、白軍・赤軍の支配地域においてゲリラ戦を開始する。
ポーランドとの連携
- 1920年4月21日：ウクライナ人民共和国の亡命政府（ペトリューラ）がポーランド政府と攻守同盟を完結する。
- 1920年4月25日：ポーランド・ソビエト戦争開始。ウクライナ軍がポーランド軍に味方する。
- 1920年5月7日：ポーランド・ウクライナの同盟軍がキエフを解放する。
- 1920年6月14日：ソビエト軍がキエフを奪い返す。
- 1920年8月：ソビエト軍が西ウクライナを占領する。
- 1920年8月15日：ワルシャワの戦い。ソビエト軍の進行が撤退へ交替する。
- 1920年10月18日：ポーランド政府がソビエト政府と和議を結ぶ。ウクライナ軍が独断で戦闘を続け、ウクライナの中部で第二冬期作戦を実行する。
- 1920年11月21日：ウクライナ軍がポーランド領へ撤退するが、ポーランド政府により強制収容所へ送られて抑留される。
- 1921年3月18日：ポーランド、ソビエトの両政府がリガ条約を結び、ウクライナが分割される。西ウクライナはポーランド領、中部・東ウクライナはソビエト領となる。
- 1921年4月：ウクライナ人民共和国の亡命政府がポーランドの首都ワルシャワを離れてフランスのパリへ移った。
- 1922年12月30日：ソ連邦結成。ウクライナ社会主義ソビエト共和国はその一員となる。