アーベル方程式

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数学において、ニールス・アーベルの名にちなむアーベル方程式(アーベルほうていしき、: Abel equation)とは、

[math]f(h(x)) = h(x + 1)\,\![/math]

あるいは

[math]\alpha(f(x))=\alpha(x)+1\![/math]

の形式で記述され、f の反復をコントロールする特殊な函数方程式のことを言う。

同値性

上述の二つの方程式は同値である。実際、α可逆函数とすると、二番目の方程式は

[math] \alpha^{-1}(\alpha(f(x)))=\alpha^{-1}(\alpha(x)+1)\, [/math]

のように書くことが出来る。すると x = α−1(y) とすることで、この方程式は

[math]f(\alpha^{-1}(y))=\alpha^{-1}(y+1)\, [/math]

のように書くことが出来る。既知とされる函数 f(x) に対して、問題は函数 α−1 についての函数方程式を解くこととなる。また α−1(0) = 1 のような追加条件も必要となる可能性がある。

実パラメータ s に対して変数変換 sα(x) = Ψ(x) を行うことで、アーベル方程式は有名なシュレーダーの方程式 Ψ(f(x)) = s Ψ(x) に書き換えることが出来る。

さらに変換 F(x) = exp(sα(x)) を施すことで、ボッチャーの方程式 F(f(x)) = F(x)s が得られる。

歴史

はじめ、この方程式はより一般的な形式で記述されていた[1] [2]。その方程式は、一変数の場合ですら非自明なもので、特別な解析が必要とされた[3][4]

線型変換函数の場合、解はコンパクトな形式で表現できる[5]

特別な場合

テトレーションの方程式は、f = exp であるようなアーベル方程式の特別な場合である。

整数の議論の場合、アーベル方程式は再帰的な手順を表すものである。例えば

[math]\alpha(f(f(x)))=\alpha(x)+2 ~ [/math]

[math]\alpha(f_n(x))=\alpha(x)+n ~[/math]

などのようになる。

ファトウ座標は、放物型不動点の近くでの離散力学系の局所的な挙動を記述する、アーベル方程式の解を表すものである[6]

関連項目

参考文献