アルプス山脈

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雪に覆われたアルプス.フランス.jpg

アルプス山脈(アルプスさんみゃく、: Alpes アルペース、: Alpes: Alpi: Alpen: Alps

フランスイタリア国境からスイスオーストリアを走る大山系の総称。ドイツ語ではアルペン Alpen,フランス語ではアルプ Alpes,イタリア語ではアルピ Alpi。主として中生代の古地中海であるテチス海に堆積した厚い地層が,古第三紀に激しい褶曲を受けて形成された。しかし同じく新期造山帯に属するアンデス山脈ヒマラヤ山脈のような越えがたい地形障害ではなく,数多くの峠があって昔から重要な交通路としての役割を果たしてきた。最高峰のモンブラン(4807m)をはじめ,モンテローザ(4634m),マッターホルン(4478m),ユングフラウ(4158m)などの高山がそびえる。今日の雪線は 2500mと 2900mの間にあり,ユングフラウからのアレッチ氷河をはじめ大小の氷河が見られる。氷期にはほとんどの山地が氷河に覆われ,氷河の末端は山麓近くに及んでいた。レマン湖コモ湖マッジョーレ湖など風景美で知られた湖は,いずれも氷河の作用で削られた低地に水がたたえられたものである。高地では家畜の移牧による牧畜や酪農が盛ん。低地では山あいの谷間やなだらかな山腹を利用してブドウその他の栽培が行なわれている。産業の中心は観光事業で,この地方の収入の大部分を占めている。シャモニー(フランス),ツェルマットグリンデルワルトインターラーケンザンクトモリッツダボス(以上スイス),ザンクトアントン,インスブルックキッツビューエルザルツブルク(以上オーストリア)などは観光地,観光基地として有名。水力開発が進み,精密工業も発展している。1965年モンブラン・トンネルが,1980年サンゴッタルド・トンネルが開通し,それぞれフランスとイタリア,スイスとイタリアを結ぶ新動脈となった。アルプ(ス)の語はこの地方で本来,樹木限界線より上にある牧草地を意味するが,一般に主要山系の意に解され,オーストラリアアルプス日本アルプスなどの呼称を生んでいる。



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