アルキメデー
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アルキメデー(古希: Ἀλκιμέδη, Alkimedē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアルキメデとも表記される。テッサリアー地方の都市ピュラケーの王ピュラコスと[1]オルコメノス王ミニュアースの娘クリュメネーとの娘で[2]、イーピクロスの姉[3]。アイソーンと結婚し、イアーソーンを生んだ[4]。イアーソーンはアルゴー船の冒険で有名。
概要
アイソーンの妻をアルキメデーとしたのはレーロスのペレキューデースで[5]、ロドスのアポローニオスのほかにヒュギーヌスがこの説を採った。ただしヒュギーヌスはクリュメノスとクリュメネーの娘としている[6]。イアーソーンをはじめ何人かのアルゴナウタイがミニュアースの娘から生まれていることは、彼らがミニュアイ(「ミニュアースの子供たち」の意)と呼ばれたことの由来として語られている[7][6]。これに対してヘーシオドスはポリュメーレー[8]、アポロドーロスはポリュメーデー(アウトリュコスの娘[9])とした。
なお、ロドスのアポローニオスはアルゴー船がコルキスを目指してイオールコスを出港したとき、すでに夫アイソーンは死去しており、アルキメデーは人々とともにイアーソーンを見送ったと語っている[10]。
系図
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照夫訳、講談社学術文庫(2005年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)